2017年11月23日
【ドラマ】この人生は初めてなので ep.13-1
他人との関係を深くするということは、自分の胸の奥をさらけ出さないといけないということ。辛くても、そうしなければ何も進まないのです!
〜ep.12-2のつづきから〜
ジホが部屋に入ってドアが閉まる直前に、セヒが部屋に入ってきた。
「今日、一緒に寝ますか?」ジホは呟くように答える。「・・・はい」
ホランはウォンソクに「別れよう」と言われても意外に冷静だった。こうなる予感がありながら実際に聞くと現実味がなかったのかも。「俺たち別れよう。別れようって言ったんだ」と言われて「どうして」と尋ねる。
「お前を幸せにしてやる自信がないんだ」とウォンソクがホランの方を見ずに淡々と言う。ホランは呆れた様子になるが、ウォンソクは真面目な顔でホランの方に向き直り「本心だ」と言った。「もう終わらせたくなった。だから、真面目に考えて連絡をくれ。当分の間、サング兄さんのところに行くから」
一人で出て行こうとするウォンソクにホランは大きな声を出す。「7年恋愛して足りずに5年待てって言いながら!それで今になって自信が無い?」
「だから待つな!!」ウォンソクはホランのお母さんからもらったネクタイを床に叩きつけた。「お前だけ7年恋愛したのか?俺もお前と同じ7年間恋愛したんだ!なんでいつも被害者みたいに、いつもお前だけが待ってるみたいに言うんだよ!俺もこんな結婚なんかのせいで自分がしたいことを引っ込めて、夢を全部あきらめて!毎日息が詰まって死にそうなんだよ!シャツとネクタイが息苦しいんだ、分かるか?」とうとうお互い胸につっかえてたことを正直に全部言ったね。でもそれは取り返しがつかない言葉。
マ代表は自分の疑心が拭えずスジの後を追い、非常階段を登った。そこで見たのはスジとお母さんの姿だった。罪悪感と安堵が同時に押し寄せる。
セヒはジホの部屋に通されて落ち着かない。そこにジホがミカンを持って入ってきた。並んで座ってもぎこちなくて、見てるこっちが息詰まります(笑)
結婚してからジホの部屋に初めて入ったと言うセヒに来るのが分かっていたら片付けていたのにと言うジホ。「いえ、ジホさんらしくてジホさんの匂いがして」とセヒの顔が優しい感じだよ!でもジホはセヒが言った「匂い」が気になっちゃう。好きな人に「匂いがする」と言われたらそりゃー気になるよね!なんか気まずくなっちゃった2人(笑)
話題転換のためか、セヒは机にあった本を手に取る。それは『19号室へ行く』という小説。ジホが大学生の時に好きだった小説で、最近また思い出して読んでいると言う。セヒが本の内容を聞く。「ある夫婦がいるんです。完璧な夫婦」
誰の目から見ても不足なところがなく、自分たちも生活に満足していて幸せで睦まじい夫婦。妻がある時自分の場所が欲しいと言い、夫は2階に妻の部屋を作ってやった。「お母さんの部屋」と名をつけて。だがいつの間にか子供や家族が出入りして第2の居間となってしまった。妻は家から遠く離れた安ホテルを探して家族に内緒で時々過ごすようになった。何もせず、ただ部屋にいて幸せを感じながら。
「その部屋は完璧に一人で自分だけの空間だから」とセヒが言った。結婚は自分の時間と空間がなくなるということだから他人がいないということだけでも幸せになり得る、十分に理解できる、と。
いい話だと言うセヒにジホは「悲しい話でもあるでしょう」と言った。この本を読みながらセヒを思ったと言うジホ。人生で責任を負うことができるのはこの家と猫、そして自分自身だけ。それで結婚しないと前に言ったこと。「あの時、あの言葉が胸にきました。私もこの部屋ひとつをやっと責任を負ってる状態で」
「だけど、そうやって生きるのは寂しくないんですか?そういう風に思ったことはないんですか?」とジホは訊いた。
「どうかな。寂しいということさえ考えずに暮らしていたみたいです。他人と暮らしてぶつかられるよりは一人の方がましだと、そうやって考えながら暮らしていたから」とセヒは答える。
“訊きたかった。その一度の愛はすでに過ぎたことなのかと。そして過ぎたのなら、あなたにもう愛が再び始まりうることはないのかと”
「これくらいで寝ますか?遅くなったので」とセヒが言い、枕を自室に取りに行く。うーん、緊張感がものすごい!
セヒが一旦去った後、ジホはさっきの「匂い」の言葉が気になり、自分を嗅いだり部屋にスプレーを撒いたり(笑)可愛いジホ!
意を決したジホはベッドに入って半分を空けてセヒを待つ。「そうよ、私だってそうやって考えてた」急に酒の力を借りたくなったジホ。「大人らしく、正々堂々と、成熟したように」カタツムリに自分の決意を一生懸命述べてるよーー
セヒが部屋をノックするとカタツムリを放り投げて寝た振りしている(笑)
枕を抱えてきたセヒ。ジホが寝た振りしてるのは一目瞭然。電気を消してそっと空いてる片側に入る。「ジホさん、寝ましたか?」「はい・・・」寝た振りしながら答えるジホ。目を閉じながらも、ものすごい緊張している顔。
ジホが目を開けると目の前にセヒの顔。セヒがジホの顔をじっと見てたんだね!「ジホさん、僕が抱きしめてもいいですか?」と注意深く訊くセヒ。「はい・・」ジホが言うとすぐに手を伸ばして胸にぎゅっと抱きしめた。
「ジホさんの匂いがしますね」←また言う(笑)「私、匂いがしますか?」と気にするジホ。セヒは笑って「正確には体臭ですかね、あるいは香りというか」ジホの匂いが好きだから何回も言ってるんだよね〜。ジホも一旦ホッとしたよう。
「ジホさん、作家をやめてよかったです」と突然言い出すセヒ。ジホが向き直ると「冗談だけど」ジホが言葉を汲めないのをセヒなりにからかったのかな?
“まだ愛してないかもしれない。愛でなくてもいい”
ジホが黙ってしまって、自分には冗談の素質がないと言い訳しながら「怒ったんですか?」と優しく訊くセヒ。ジホはそれに答えず、「キスしてもいいですか?」と言って自分からセヒにキスしたよーー
“今日はこの人が私の部屋に来た初めての日。それで十分だ”
朝、枕を抱えてそっとジホの部屋から出たセヒ。ジホは・・・イビキをかいて熟睡中(笑)セヒはドアの外でそれを聞きながら何事か頷く。
そして食卓でパソコンに何かを打ち込んでいるがそれは・・・ジホの行動記録日記!なぜ!?(笑)「11/12 イビキをかく」
そして次に「オムライスの作り方」を検索!真剣に読み、冷蔵庫の中をスキャンし材料を取り出す。目にも鮮やかな包丁さばき(?)で野菜を刻み、卵を割り、フライパンに火をつけて。そして完成したジホのためのオムライス。メッセージを書いた付箋も一緒につけて、会社に出勤して行ったよ〜。セヒがずいぶん変わりました!それともこれが素のセヒなのかな?
スジは昨晩泊まったお母さんと一緒に家の外に出てきた。お母さんをひとつひとつ気遣い、もっと泊まっていけばいいのにと言う。でもお母さんはさっぱりしてる。「私も仕事してるの」それを聞いたスジはお母さんに家を買ったから、来年ソウルに来て一緒に暮らそうと提案する。おお、スジ!すごいね!!
お母さんは一緒に暮らしたいなら南海に来いと冗談半分で言う。いつまでソウルと南海を行ったり来たりするんだとお母さんを心配するスジにお母さんは歩いてくるんじゃあるまいしバスで来るんだからと意に介さない。
車まで来ると自分の荷物をスジから取り返し、会社に行けというお母さん。スジは当然お母さんをバスターミナルまで送るつもりなのに自分は地下鉄で行くから早く出勤しろというお母さんと車の前で言い合うと。
「私がお送りいたします」と颯爽と出てきたマ代表!お母さんに「おはようございます。私、ウ・スジさんとお付き合いをしているマ・サングと申します」と正式に挨拶した!!スジは呆然としている。そりゃそうだ、隠してたんだもんね、私生活を。
「お付き合いしてる?知らなかったわ」と言うお母さん。「この子が寡黙なもので。私が先にお母様にご挨拶を差し上げなくてはならないかと思い、こうやってお訪ねいたしました」マ代表はスジの意向もきかずに強行突破しちゃったんだね!お母さんは背が高いマ代表をとりあえず気に入った様子。マ代表がスジの代わりにお送りしますと車に案内しようとすると冷たく言い放つスジ。「結構です。私が送ります」ちょっと当惑、というか怒ってる感じだよね、やっぱり。
でもお母さんはマ代表の車の方へ歩き出した。どうしようもできないスジ。
車の中でお母さんはマ代表を品定めするような目つき。マ代表がお母さんとスジが似ていると言ったり美人だと言ったり和気藹々な車内。そしてお母さんの質問が始まる!娘に合う男かどうかはやはり外せない。「何の仕事をしているんです?」
マ代表が自分の会社を説明するんだけど、お母さん世代にはやはり難しいようで、「ジホさんの旦那さんをご存知でしょう?その会社の代表です。一番親しい友達で」と言うとやっとピンと来たお母さん。「じゃ、80年生まれ?思ったよりいってるわね」と急に顔が険しくなるが「私より若ければいいか!」と明るく言ってくれてマ代表もホッと一息。「もしかして、お母さん私よりお若くないですよね?」なんて見え透いたおべっかが営業経験からか、板についてます!(笑)
ジホは自分のイビキに気づいて目が覚めたのかな?すでにベッドにセヒはいず、その場所には代わりに猫が。そこで思い出した昨晩の続き。キスをしてからセヒが「ちょっと待ってて」と言ってキッチンに行った後に、ひとりでに出る微笑み。「なんて美しい夜」
セヒもそれなりに緊張してるんだよね。冷蔵庫の前でビールを一口飲んで一息ついて、ジホの分も部屋に運んであげる。と、すでに寝入って大イビキをかいてるジホ!!(笑)でも、その寝姿を見てセヒは笑ってる。朝まで部屋にいた訳だし、ジホのどんなことも受け入れてるんだと思いまーす。
前日は夜明けにバスで帰ってきて、いっぱい働いてその後デートで動き回ったんだもん、眠かったよね〜〜
しかし、そんなことを知らないジホは絶望感でいっぱい(笑)「私、そのまま寝ただけ?これ実話?このまたとない機会に・・・どうして自殺点を入れたのよ〜〜」と嘆く。
起きてキッチンに行くとテーブルの上にお皿を見つけた。付箋のメッセージは「先に出勤します。朝食…召し上がってください」
カバー代わりのお皿を取ると、卵にケチャップでニッコリマークが描いてあるセヒお手製のオムライス!幸せだね〜。一口食べてみると「ガリッ」卵をめくると具の野菜は大きいし、玉ねぎは生焼け。そう言えばセヒはリンゴもろくに剥けない男だったっけ〜
それでもバスを待つ間、記念に撮ったオムライスの写真を見て微笑むジホ。小さな幸せ。ふと辺りを見回すと、バス停の壁に大きく出ている広告が目に入った。それは新しく始まるドラマ「ご飯しましょう」だった。スタッフをチェックするジホ。脚本はファン作家(なんとファン作家の名前もセヒだった!)、監督はあのsome男、ケ・ヨンソク。その名前を目にして一気に表情が固まるジホ。
バスに乗り込んだ後、ジホは着席している人が見ているスマホの画面に目が留まる。それはさっきのドラマの制作発表会の写真。この前まで自分がいた世界があった。
カフェに着いたジホはボンナムから一枚の名刺を渡された。名前は「コ・ジョンミン」。ジホが退勤した後に預かったと言う。見せてくれれば分かると。
「男?女?」とジホが訊くと男だったと言うボンナム。心当たりは無いながら、裏を返すと会社名は「マイ・エンターテイメント」。だいたいの見当はついたみたいだけど、表情は固いジホ。
ホランはレストランで仕事中。いつも通りに接客をしているがホランが下がった後に不審な顔をする客。後輩たちに指示を出し休憩室に行くホラン。後輩たちはホランが風邪でも引いてるのかと心配している。鼻水は出てるわ、目も赤いと。
休憩室では涙にくれるホランがいた。ウォンソクにメッセージを送っても一向に返ってこない。最初は威勢がいい文言だったのがだんだん懇願に変わっている。既読になっている画面を見て泣き崩れるホラン。
ウォンソクは会社で一人の男性会員を見ていた。ハンドル名?は「結婚したいです」。
観劇して別れ話をしたあの日。ホランが化粧室に行った後、座席に置いてあったホランの携帯にメッセが届いた。思わず手に取って確認するウォンソク。「結婚したいです」からのメッセだった。
履歴を見るとホランといくつかやり取りをしていたことが分かった。お互い印象を褒め合っている大したことのない内容だけど、これは見られちゃいけないやつだ〜。相手の男性のプロフィールを見ると立派な雰囲気に「軽い恋愛でなく、今は結婚できる女性と付き合いたいです」との一言。それで唐突な別れの言葉が出たのか?
その時、ホランから新しいメッセージが入った。「分かったから、話を少しして。終わる時、終わると言っても顔を見て終わらせて」
「それなら退勤して毎日会ってた所で会う」と返信したウォンソク。
お店のボードを書き換えていたジホ。ポケットにさっきの名刺の感触があり、取り出して見つめると作家をやめるきっかけになったあの夜、助監督に襲われそうになった夜を思い出すジホ。作家の仕事とこの記憶が繋がっているんだね。そして和解の席を強制的に持たされたこと、ここでドラマをもうしないと宣言したことも。ジホの心に引っかかっていたんだよね。
嫌なことを思い出しながら名刺を丸めてゴミ箱に捨てたジホ。そこに後ろから女性の客が入ってきてその名刺を拾った。その女性は昨日ジホのピアスをしてくれた人、コ・ジョンミン。ジホに会いにきたのだった。
コーヒーを出して向かい側に座ったジホ。昨日の偶然の出会いをお互い驚く。「縁なのかな」と言うジョンミン。名前とボンナムの情報から名刺の人物が男性だと思っていたジホに、昨日来たのは会社の理事だとジョンミンは言った。理事がジホにメールを何度も送ったのに返事がなくてとちょっと恨めしい顔をする。
ここに来た訳を尋ねたジホに、理事がカフェに電話したところボンナムが出て、今ここで仕事していると教えてくれたと。ジホがボンナムを振り返るとボンナムは無邪気にファイティンポーズ!←いい子だ〜〜
ジョンミンは新たに名刺を出し、ジホに正式に挨拶をする。パク監督(some男の上司)と仕事をした時、偶然にジホの処女作「亀の考試院」を見てやって来たのだった。「どんな方か、一度お会いしてみたかったんです。いえ、もう少し正確に言えば一緒に仕事がしたいんです、ユン作家と」とストレートに話をするジョンミン。
しかしジホは「もうドラマはしないんです」とあっさりと断る。「補助作家を辞めたんですか?文を書くことを辞めたんですか?私はあなたの文が必要で来ました」とまっすぐな眼差しのジョンミンの顔を見返せないジホ。
マ代表が歩いていると停車中の車の中にスジがいた。何かを言いたい顔つきを察して車に乗り込むマ代表。「アンニョン、スジ」「ベルトして」車は走り出した。
断られても諦めずにもう文を書かないのかとジホに尋ねるジョンミン。「すみません。文ももう書きません」とジホは言った。理由を訊いたジョンミンに「結婚したんです。結婚して仕事も整理して、ここのアルバイトは家だけにいると退屈なのでしてるんです」と明るい表情を作って言うジホ。「あ、結婚されたんですね」さすがに少し気落ちしたようなジョンミンにもう一度謝り、ジホは「では、召し上がって行ってください」と席を立った。
「ですが、ユン作家。どうして私の耳には悲しい言い訳のように聞こえるんでしょう?」思わず顔を背けるジホ。ジョンミンは何か言い出せないことがあると見抜いたっぽい。「もし言い訳でなく本心を言いたくなったらいつでも連絡をください。一緒に仕事をしなくてもお酒を一緒に飲むこともできるじゃないですか」と言って店を出て行ったジョンミン。←こっちもいい人だ〜〜
漢江の遊歩道にスジの車が停まった。何も言わず降りるスジ。川を眺めている姿を見て後から降りたマ代表。今朝のことについて話さなければならない。スジの手を握りながら「どうしてそんなに怒ってるんだ」と言うマ代表。手を振りほどいてどういうつもりかと問うスジにマ代表は忙しい彼女の代わりにお母さんを送って差し上げたんじゃないかと落ち着いて言った。
「マ代表が話してた恋愛がこれ?見せたくない他人の私生活にずかずか入ってくること?それで人を惨めにすること?」「惨め?愛するもの同士、家族をお互い会わせてお互いの事情を知って、そういう平凡な過程がどうして惨めなんだ。ん?」
「私は惨めなの!」スジは叫んだ。「平凡?それが私にどれだけむごいって知ってる?」両親の仕事、両親の消息、そんな平凡な質問がスジには一番惨めなんだと。捻くれていると言われるかもしれない、でもそういうことを訊いてくる人は大勢いる。そんな世界に生きるのがどんなだか分かるのか、と。
「だから一緒に生きようって。その世界に俺が横にいてやるって!」マ代表が真剣な眼差しで言う。
「横に?どうやって?結婚だって言ったらうちの母さんと一緒に住める?」一瞬言葉に詰まるマ代表。「答えてよ!(母さんに)仕えて暮らせるのかって」
「すればいいじゃないか、どうしてできないんだ?」「そう、ご両親には何て言うの?“父親は誰かも分からない、体が不自由な母親を助けて暮らさなければならない女と結婚するんです”こうやって私を紹介するの?」言葉を失ったマ代表。理想と現実の差異、家族を切り離して結婚はできない。親を失望させるかもしれない、という考えに一瞬捕らわれてしまったんだね。
スジはお母さんがあの体で食堂をしながら一人で育ててくれたと言った。幸い頭が良く、月給が良い大企業に入り、今やっと助けられると。
マ代表の家のように平凡な幸せを知らないスジ。お母さんにはスジしかいない。それがスジの生きる世界だ。
「だから私に虚しい望みを抱かせないで。あなたがそうやってあたたかく振舞えば私が他の世界を望んでしまうじゃない」涙を見せまいとマ代表に背を向けるスジ。マ代表はその後ろから肩に手を置こうとするが・・・手をそのまま下ろした。
“『19号室へ行く』という小説のヒロインは、結局内緒で得た部屋を夫に見つかった。そして女性は夫に嘘をついた。不倫をしていたと”
本の表紙を見てため息をつきながらバスを待つジホ。二十歳の頃の、スジとの会話を思い出す。
“当時二十歳だった私はヒロインに理解ができなかった。不倫という大きな嘘をする程、その部屋を見つけられないことがもっと大事なのか?と”
「私は理解できるけど」と二十歳のスジは言った。「その部屋は他人が知った瞬間、何の意味もなくなる部屋だから」
「だからって浮気してるって嘘ついたって?」幼いジホは理解できない。スジは本を取り上げて一節を朗読し始めた。
『この1年間、私は非常に雑然としたホテルの部屋で昼間の全てを過ごしました。そこにいると幸せでした。私は実際、そこ無しでは存在しないのです。自身がそんな風に言う時に、夫がどれだけ恐ろしがるか彼女は覚った』
「分からない?理解できないことを説明することより、おかしい女になるのが簡単だから。実際、世間はそうすればもっと気楽になる時が多いの。窮屈な女よりおかしい女のほうがましだもの」それを聞いて分かったような、分からないようなジホ。
“私はさっきあの代表に、どうして、あんな風に答えたのか?もう文を書かないのかという問いに、どうして結婚したからと答えたのだろうか”
そこまで考えた時、バスはやって来た。いつもの席からジホを探すセヒ。ジホもセヒを見上げる。お互いを見つけてにっこりする2人。
つづきます〜
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〜ep.12-2のつづきから〜
ジホが部屋に入ってドアが閉まる直前に、セヒが部屋に入ってきた。
「今日、一緒に寝ますか?」ジホは呟くように答える。「・・・はい」
ホランはウォンソクに「別れよう」と言われても意外に冷静だった。こうなる予感がありながら実際に聞くと現実味がなかったのかも。「俺たち別れよう。別れようって言ったんだ」と言われて「どうして」と尋ねる。
「お前を幸せにしてやる自信がないんだ」とウォンソクがホランの方を見ずに淡々と言う。ホランは呆れた様子になるが、ウォンソクは真面目な顔でホランの方に向き直り「本心だ」と言った。「もう終わらせたくなった。だから、真面目に考えて連絡をくれ。当分の間、サング兄さんのところに行くから」
一人で出て行こうとするウォンソクにホランは大きな声を出す。「7年恋愛して足りずに5年待てって言いながら!それで今になって自信が無い?」
「だから待つな!!」ウォンソクはホランのお母さんからもらったネクタイを床に叩きつけた。「お前だけ7年恋愛したのか?俺もお前と同じ7年間恋愛したんだ!なんでいつも被害者みたいに、いつもお前だけが待ってるみたいに言うんだよ!俺もこんな結婚なんかのせいで自分がしたいことを引っ込めて、夢を全部あきらめて!毎日息が詰まって死にそうなんだよ!シャツとネクタイが息苦しいんだ、分かるか?」とうとうお互い胸につっかえてたことを正直に全部言ったね。でもそれは取り返しがつかない言葉。
マ代表は自分の疑心が拭えずスジの後を追い、非常階段を登った。そこで見たのはスジとお母さんの姿だった。罪悪感と安堵が同時に押し寄せる。
セヒはジホの部屋に通されて落ち着かない。そこにジホがミカンを持って入ってきた。並んで座ってもぎこちなくて、見てるこっちが息詰まります(笑)
結婚してからジホの部屋に初めて入ったと言うセヒに来るのが分かっていたら片付けていたのにと言うジホ。「いえ、ジホさんらしくてジホさんの匂いがして」とセヒの顔が優しい感じだよ!でもジホはセヒが言った「匂い」が気になっちゃう。好きな人に「匂いがする」と言われたらそりゃー気になるよね!なんか気まずくなっちゃった2人(笑)
話題転換のためか、セヒは机にあった本を手に取る。それは『19号室へ行く』という小説。ジホが大学生の時に好きだった小説で、最近また思い出して読んでいると言う。セヒが本の内容を聞く。「ある夫婦がいるんです。完璧な夫婦」
誰の目から見ても不足なところがなく、自分たちも生活に満足していて幸せで睦まじい夫婦。妻がある時自分の場所が欲しいと言い、夫は2階に妻の部屋を作ってやった。「お母さんの部屋」と名をつけて。だがいつの間にか子供や家族が出入りして第2の居間となってしまった。妻は家から遠く離れた安ホテルを探して家族に内緒で時々過ごすようになった。何もせず、ただ部屋にいて幸せを感じながら。
「その部屋は完璧に一人で自分だけの空間だから」とセヒが言った。結婚は自分の時間と空間がなくなるということだから他人がいないということだけでも幸せになり得る、十分に理解できる、と。
いい話だと言うセヒにジホは「悲しい話でもあるでしょう」と言った。この本を読みながらセヒを思ったと言うジホ。人生で責任を負うことができるのはこの家と猫、そして自分自身だけ。それで結婚しないと前に言ったこと。「あの時、あの言葉が胸にきました。私もこの部屋ひとつをやっと責任を負ってる状態で」
「だけど、そうやって生きるのは寂しくないんですか?そういう風に思ったことはないんですか?」とジホは訊いた。
「どうかな。寂しいということさえ考えずに暮らしていたみたいです。他人と暮らしてぶつかられるよりは一人の方がましだと、そうやって考えながら暮らしていたから」とセヒは答える。
“訊きたかった。その一度の愛はすでに過ぎたことなのかと。そして過ぎたのなら、あなたにもう愛が再び始まりうることはないのかと”
「これくらいで寝ますか?遅くなったので」とセヒが言い、枕を自室に取りに行く。うーん、緊張感がものすごい!
セヒが一旦去った後、ジホはさっきの「匂い」の言葉が気になり、自分を嗅いだり部屋にスプレーを撒いたり(笑)可愛いジホ!
意を決したジホはベッドに入って半分を空けてセヒを待つ。「そうよ、私だってそうやって考えてた」急に酒の力を借りたくなったジホ。「大人らしく、正々堂々と、成熟したように」カタツムリに自分の決意を一生懸命述べてるよーー
セヒが部屋をノックするとカタツムリを放り投げて寝た振りしている(笑)
枕を抱えてきたセヒ。ジホが寝た振りしてるのは一目瞭然。電気を消してそっと空いてる片側に入る。「ジホさん、寝ましたか?」「はい・・・」寝た振りしながら答えるジホ。目を閉じながらも、ものすごい緊張している顔。
ジホが目を開けると目の前にセヒの顔。セヒがジホの顔をじっと見てたんだね!「ジホさん、僕が抱きしめてもいいですか?」と注意深く訊くセヒ。「はい・・」ジホが言うとすぐに手を伸ばして胸にぎゅっと抱きしめた。
「ジホさんの匂いがしますね」←また言う(笑)「私、匂いがしますか?」と気にするジホ。セヒは笑って「正確には体臭ですかね、あるいは香りというか」ジホの匂いが好きだから何回も言ってるんだよね〜。ジホも一旦ホッとしたよう。
「ジホさん、作家をやめてよかったです」と突然言い出すセヒ。ジホが向き直ると「冗談だけど」ジホが言葉を汲めないのをセヒなりにからかったのかな?
“まだ愛してないかもしれない。愛でなくてもいい”
ジホが黙ってしまって、自分には冗談の素質がないと言い訳しながら「怒ったんですか?」と優しく訊くセヒ。ジホはそれに答えず、「キスしてもいいですか?」と言って自分からセヒにキスしたよーー
“今日はこの人が私の部屋に来た初めての日。それで十分だ”
朝、枕を抱えてそっとジホの部屋から出たセヒ。ジホは・・・イビキをかいて熟睡中(笑)セヒはドアの外でそれを聞きながら何事か頷く。
そして食卓でパソコンに何かを打ち込んでいるがそれは・・・ジホの行動記録日記!なぜ!?(笑)「11/12 イビキをかく」
そして次に「オムライスの作り方」を検索!真剣に読み、冷蔵庫の中をスキャンし材料を取り出す。目にも鮮やかな包丁さばき(?)で野菜を刻み、卵を割り、フライパンに火をつけて。そして完成したジホのためのオムライス。メッセージを書いた付箋も一緒につけて、会社に出勤して行ったよ〜。セヒがずいぶん変わりました!それともこれが素のセヒなのかな?
スジは昨晩泊まったお母さんと一緒に家の外に出てきた。お母さんをひとつひとつ気遣い、もっと泊まっていけばいいのにと言う。でもお母さんはさっぱりしてる。「私も仕事してるの」それを聞いたスジはお母さんに家を買ったから、来年ソウルに来て一緒に暮らそうと提案する。おお、スジ!すごいね!!
お母さんは一緒に暮らしたいなら南海に来いと冗談半分で言う。いつまでソウルと南海を行ったり来たりするんだとお母さんを心配するスジにお母さんは歩いてくるんじゃあるまいしバスで来るんだからと意に介さない。
車まで来ると自分の荷物をスジから取り返し、会社に行けというお母さん。スジは当然お母さんをバスターミナルまで送るつもりなのに自分は地下鉄で行くから早く出勤しろというお母さんと車の前で言い合うと。
「私がお送りいたします」と颯爽と出てきたマ代表!お母さんに「おはようございます。私、ウ・スジさんとお付き合いをしているマ・サングと申します」と正式に挨拶した!!スジは呆然としている。そりゃそうだ、隠してたんだもんね、私生活を。
「お付き合いしてる?知らなかったわ」と言うお母さん。「この子が寡黙なもので。私が先にお母様にご挨拶を差し上げなくてはならないかと思い、こうやってお訪ねいたしました」マ代表はスジの意向もきかずに強行突破しちゃったんだね!お母さんは背が高いマ代表をとりあえず気に入った様子。マ代表がスジの代わりにお送りしますと車に案内しようとすると冷たく言い放つスジ。「結構です。私が送ります」ちょっと当惑、というか怒ってる感じだよね、やっぱり。
でもお母さんはマ代表の車の方へ歩き出した。どうしようもできないスジ。
車の中でお母さんはマ代表を品定めするような目つき。マ代表がお母さんとスジが似ていると言ったり美人だと言ったり和気藹々な車内。そしてお母さんの質問が始まる!娘に合う男かどうかはやはり外せない。「何の仕事をしているんです?」
マ代表が自分の会社を説明するんだけど、お母さん世代にはやはり難しいようで、「ジホさんの旦那さんをご存知でしょう?その会社の代表です。一番親しい友達で」と言うとやっとピンと来たお母さん。「じゃ、80年生まれ?思ったよりいってるわね」と急に顔が険しくなるが「私より若ければいいか!」と明るく言ってくれてマ代表もホッと一息。「もしかして、お母さん私よりお若くないですよね?」なんて見え透いたおべっかが営業経験からか、板についてます!(笑)
ジホは自分のイビキに気づいて目が覚めたのかな?すでにベッドにセヒはいず、その場所には代わりに猫が。そこで思い出した昨晩の続き。キスをしてからセヒが「ちょっと待ってて」と言ってキッチンに行った後に、ひとりでに出る微笑み。「なんて美しい夜」
セヒもそれなりに緊張してるんだよね。冷蔵庫の前でビールを一口飲んで一息ついて、ジホの分も部屋に運んであげる。と、すでに寝入って大イビキをかいてるジホ!!(笑)でも、その寝姿を見てセヒは笑ってる。朝まで部屋にいた訳だし、ジホのどんなことも受け入れてるんだと思いまーす。
前日は夜明けにバスで帰ってきて、いっぱい働いてその後デートで動き回ったんだもん、眠かったよね〜〜
しかし、そんなことを知らないジホは絶望感でいっぱい(笑)「私、そのまま寝ただけ?これ実話?このまたとない機会に・・・どうして自殺点を入れたのよ〜〜」と嘆く。
起きてキッチンに行くとテーブルの上にお皿を見つけた。付箋のメッセージは「先に出勤します。朝食…召し上がってください」
カバー代わりのお皿を取ると、卵にケチャップでニッコリマークが描いてあるセヒお手製のオムライス!幸せだね〜。一口食べてみると「ガリッ」卵をめくると具の野菜は大きいし、玉ねぎは生焼け。そう言えばセヒはリンゴもろくに剥けない男だったっけ〜
それでもバスを待つ間、記念に撮ったオムライスの写真を見て微笑むジホ。小さな幸せ。ふと辺りを見回すと、バス停の壁に大きく出ている広告が目に入った。それは新しく始まるドラマ「ご飯しましょう」だった。スタッフをチェックするジホ。脚本はファン作家(なんとファン作家の名前もセヒだった!)、監督はあのsome男、ケ・ヨンソク。その名前を目にして一気に表情が固まるジホ。
バスに乗り込んだ後、ジホは着席している人が見ているスマホの画面に目が留まる。それはさっきのドラマの制作発表会の写真。この前まで自分がいた世界があった。
カフェに着いたジホはボンナムから一枚の名刺を渡された。名前は「コ・ジョンミン」。ジホが退勤した後に預かったと言う。見せてくれれば分かると。
「男?女?」とジホが訊くと男だったと言うボンナム。心当たりは無いながら、裏を返すと会社名は「マイ・エンターテイメント」。だいたいの見当はついたみたいだけど、表情は固いジホ。
ホランはレストランで仕事中。いつも通りに接客をしているがホランが下がった後に不審な顔をする客。後輩たちに指示を出し休憩室に行くホラン。後輩たちはホランが風邪でも引いてるのかと心配している。鼻水は出てるわ、目も赤いと。
休憩室では涙にくれるホランがいた。ウォンソクにメッセージを送っても一向に返ってこない。最初は威勢がいい文言だったのがだんだん懇願に変わっている。既読になっている画面を見て泣き崩れるホラン。
ウォンソクは会社で一人の男性会員を見ていた。ハンドル名?は「結婚したいです」。
観劇して別れ話をしたあの日。ホランが化粧室に行った後、座席に置いてあったホランの携帯にメッセが届いた。思わず手に取って確認するウォンソク。「結婚したいです」からのメッセだった。
履歴を見るとホランといくつかやり取りをしていたことが分かった。お互い印象を褒め合っている大したことのない内容だけど、これは見られちゃいけないやつだ〜。相手の男性のプロフィールを見ると立派な雰囲気に「軽い恋愛でなく、今は結婚できる女性と付き合いたいです」との一言。それで唐突な別れの言葉が出たのか?
その時、ホランから新しいメッセージが入った。「分かったから、話を少しして。終わる時、終わると言っても顔を見て終わらせて」
「それなら退勤して毎日会ってた所で会う」と返信したウォンソク。
お店のボードを書き換えていたジホ。ポケットにさっきの名刺の感触があり、取り出して見つめると作家をやめるきっかけになったあの夜、助監督に襲われそうになった夜を思い出すジホ。作家の仕事とこの記憶が繋がっているんだね。そして和解の席を強制的に持たされたこと、ここでドラマをもうしないと宣言したことも。ジホの心に引っかかっていたんだよね。
嫌なことを思い出しながら名刺を丸めてゴミ箱に捨てたジホ。そこに後ろから女性の客が入ってきてその名刺を拾った。その女性は昨日ジホのピアスをしてくれた人、コ・ジョンミン。ジホに会いにきたのだった。
コーヒーを出して向かい側に座ったジホ。昨日の偶然の出会いをお互い驚く。「縁なのかな」と言うジョンミン。名前とボンナムの情報から名刺の人物が男性だと思っていたジホに、昨日来たのは会社の理事だとジョンミンは言った。理事がジホにメールを何度も送ったのに返事がなくてとちょっと恨めしい顔をする。
ここに来た訳を尋ねたジホに、理事がカフェに電話したところボンナムが出て、今ここで仕事していると教えてくれたと。ジホがボンナムを振り返るとボンナムは無邪気にファイティンポーズ!←いい子だ〜〜
ジョンミンは新たに名刺を出し、ジホに正式に挨拶をする。パク監督(some男の上司)と仕事をした時、偶然にジホの処女作「亀の考試院」を見てやって来たのだった。「どんな方か、一度お会いしてみたかったんです。いえ、もう少し正確に言えば一緒に仕事がしたいんです、ユン作家と」とストレートに話をするジョンミン。
しかしジホは「もうドラマはしないんです」とあっさりと断る。「補助作家を辞めたんですか?文を書くことを辞めたんですか?私はあなたの文が必要で来ました」とまっすぐな眼差しのジョンミンの顔を見返せないジホ。
マ代表が歩いていると停車中の車の中にスジがいた。何かを言いたい顔つきを察して車に乗り込むマ代表。「アンニョン、スジ」「ベルトして」車は走り出した。
断られても諦めずにもう文を書かないのかとジホに尋ねるジョンミン。「すみません。文ももう書きません」とジホは言った。理由を訊いたジョンミンに「結婚したんです。結婚して仕事も整理して、ここのアルバイトは家だけにいると退屈なのでしてるんです」と明るい表情を作って言うジホ。「あ、結婚されたんですね」さすがに少し気落ちしたようなジョンミンにもう一度謝り、ジホは「では、召し上がって行ってください」と席を立った。
「ですが、ユン作家。どうして私の耳には悲しい言い訳のように聞こえるんでしょう?」思わず顔を背けるジホ。ジョンミンは何か言い出せないことがあると見抜いたっぽい。「もし言い訳でなく本心を言いたくなったらいつでも連絡をください。一緒に仕事をしなくてもお酒を一緒に飲むこともできるじゃないですか」と言って店を出て行ったジョンミン。←こっちもいい人だ〜〜
漢江の遊歩道にスジの車が停まった。何も言わず降りるスジ。川を眺めている姿を見て後から降りたマ代表。今朝のことについて話さなければならない。スジの手を握りながら「どうしてそんなに怒ってるんだ」と言うマ代表。手を振りほどいてどういうつもりかと問うスジにマ代表は忙しい彼女の代わりにお母さんを送って差し上げたんじゃないかと落ち着いて言った。
「マ代表が話してた恋愛がこれ?見せたくない他人の私生活にずかずか入ってくること?それで人を惨めにすること?」「惨め?愛するもの同士、家族をお互い会わせてお互いの事情を知って、そういう平凡な過程がどうして惨めなんだ。ん?」
「私は惨めなの!」スジは叫んだ。「平凡?それが私にどれだけむごいって知ってる?」両親の仕事、両親の消息、そんな平凡な質問がスジには一番惨めなんだと。捻くれていると言われるかもしれない、でもそういうことを訊いてくる人は大勢いる。そんな世界に生きるのがどんなだか分かるのか、と。
「だから一緒に生きようって。その世界に俺が横にいてやるって!」マ代表が真剣な眼差しで言う。
「横に?どうやって?結婚だって言ったらうちの母さんと一緒に住める?」一瞬言葉に詰まるマ代表。「答えてよ!(母さんに)仕えて暮らせるのかって」
「すればいいじゃないか、どうしてできないんだ?」「そう、ご両親には何て言うの?“父親は誰かも分からない、体が不自由な母親を助けて暮らさなければならない女と結婚するんです”こうやって私を紹介するの?」言葉を失ったマ代表。理想と現実の差異、家族を切り離して結婚はできない。親を失望させるかもしれない、という考えに一瞬捕らわれてしまったんだね。
スジはお母さんがあの体で食堂をしながら一人で育ててくれたと言った。幸い頭が良く、月給が良い大企業に入り、今やっと助けられると。
マ代表の家のように平凡な幸せを知らないスジ。お母さんにはスジしかいない。それがスジの生きる世界だ。
「だから私に虚しい望みを抱かせないで。あなたがそうやってあたたかく振舞えば私が他の世界を望んでしまうじゃない」涙を見せまいとマ代表に背を向けるスジ。マ代表はその後ろから肩に手を置こうとするが・・・手をそのまま下ろした。
“『19号室へ行く』という小説のヒロインは、結局内緒で得た部屋を夫に見つかった。そして女性は夫に嘘をついた。不倫をしていたと”
本の表紙を見てため息をつきながらバスを待つジホ。二十歳の頃の、スジとの会話を思い出す。
“当時二十歳だった私はヒロインに理解ができなかった。不倫という大きな嘘をする程、その部屋を見つけられないことがもっと大事なのか?と”
「私は理解できるけど」と二十歳のスジは言った。「その部屋は他人が知った瞬間、何の意味もなくなる部屋だから」
「だからって浮気してるって嘘ついたって?」幼いジホは理解できない。スジは本を取り上げて一節を朗読し始めた。
『この1年間、私は非常に雑然としたホテルの部屋で昼間の全てを過ごしました。そこにいると幸せでした。私は実際、そこ無しでは存在しないのです。自身がそんな風に言う時に、夫がどれだけ恐ろしがるか彼女は覚った』
「分からない?理解できないことを説明することより、おかしい女になるのが簡単だから。実際、世間はそうすればもっと気楽になる時が多いの。窮屈な女よりおかしい女のほうがましだもの」それを聞いて分かったような、分からないようなジホ。
“私はさっきあの代表に、どうして、あんな風に答えたのか?もう文を書かないのかという問いに、どうして結婚したからと答えたのだろうか”
そこまで考えた時、バスはやって来た。いつもの席からジホを探すセヒ。ジホもセヒを見上げる。お互いを見つけてにっこりする2人。
つづきます〜
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こちらこそ、コメントをいただけると本当にやる気がでます!!嬉しいです♪
もちろん、読んでいただけてるだけでもありがたいんですけどね!
実際、途中でゆーこさんから頂いてなかったら途中で投げ出してたかも・・・(笑)
私にとっては、コメントいただけるほうが100万倍親切だと思ってます!
ドラマの方ですが、終盤になってやたらシリアスになってきて、どうなっちゃうの〜!?って感じになってますよね。
とにかくハッピーエンドを海の向こうから祈るのみなんですけどね!
今のところ、明るいのがスジのところだけですもんね〜
あと2話で終われるのかな〜って思っちゃいます。
ああ、とにかく次が始まるまでに14話を終わらせなくては!
ゆーこさん、私にまでコメントをしてくださりありがとうございました♡
ゆーこさんの仰る通り、本当にこのブログ、めちゃくちゃ良いです!親切のかたまりです♡
今回もお忙しい中、早々とアップしてくださりありがとうございました!!
ほんと、この時までは良かったですよね~~~!
ジホのお部屋でふたりで寝るときの、あのドキドキったらもぅ~~~見てるこっちがハラハラしちゃいましたね♡セヒの料理人風な姿もカッコよかったです!
なんで急に料理してあげる気になったのかナゾですが、あんな生野菜たっぷりのオムライス作ってくれる可愛さも持ち合わせててステキでしたね!
スジのところは、マ代表がカッコよすぎます(笑)
おとぼけ社長ですが、なんだかんだやっぱり頼りになりますね!スジのお母さんもマ代表のこと気に入ってくれたみたいですし、このまま上手くいけばいいです。
ホランのところは、どっちの気持ちもわかるので、切なくなっちゃいますが、7年付き合ってもお互い求めてるものが違うとわかってしまったんだから、別れて良かったと思うんですが、どうなるんでしょうかね??
ホランのあのアプリの相手も悪い人ではないんでしょうが、なんだかな〜って感じだし、ウォンソクも14話でクラブで踊りまくってましたしね…ポールガールのボミニンと(笑)ボミニン、ウォンソクに気があるんだかないんだか、なんか面白いキャラですよね!
って、このブログのおかげて、細部まで内容を理解出来て、ほんまにありがたいです!こんなに長い訳を書くだけでも大変なのに、コメントにまで返信くださってありがとうございました!
来週で終わってしまうドラマだなんて、寂し過ぎますね(><)
お忙しいでしょうが、また続きの訳も楽しみにしてます♡よろしくお願いします(≧∇≦)
ほんと、ここまではまだ楽しいシーンもあったりして良かったんですよね〜。後半と14回が・・・スジんとこぐらいですかね、明るいのは。でも、あそこもお互いの気持ちを全部言って理解したからであって。
ジホんとこはまだそうなってないからなぁ〜って思います。
ホランとこはどうなるんでしょね!ホランの相手がイマイチ気に入らないんですけど・・・(笑)
ボミもウォンソクには手に余りそうだしな―、なんて思ってます。
実際はああなったら100パー別れるんでしょうけどね。
ではでは〜ヽ(^o^)丿後半もう少しお待ちくださいね〜。
早速のUPありがとうございます
この前半は楽しんでみてたんですよね
後半、視聴者はみんなショック受けましたよね…
前回のノンノンさんのコメント、なるほど!さすが!って思いました
ペンカフェにも製作関係者なんじゃないかと思うくらいスルドイ解説をする人がいて、その人もノンノンさんと同じ事を言ってましたよ
契約結婚を解消し、本当の結婚をして、セヒは愛の言葉をたくさん語る男に変身するみたいだと
愛の言葉を多く語るセヒさん早く見てみた〜い(*^艸^*)
ホラン・ウォンソクのところは別々のパートナーを見つけるのかな、そうなったらウォンソクの相手は昼間はピンクラブリー、夜は黒のボディコン(←何分にも年寄りなもんで)を着たクラブクイーンのボミニムですねw
ボミニムは結婚式でウォンソクの事を『キノピ』って呼んだ時から気になってたのかな?
プロフィール聞いた時にも『彼女はいますか?』って聞いてたしw
後半戦、翻訳頑張って下さいね
ではではまた〜