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2014年01月08日
書簡体小説
書簡体小説というジャンルがある。
登場人物の手紙のやりとりが小説の文面になっており、それでストーリーが進行してゆく小説なのである。詳しくないのではっきりは分からないが、おそらく二人称小説の一形態であろう。
二人称小説というのは、読み手に向かって語りかけられる、
読み手=あなた形式の小説であるから、読み手=私とである一人称小説とはまた別の効果をもっている。
小説家になりたいワナビとしては、一度くらい読んでおくのもいいだろう。
けれども、書簡体小説はけっこう珍しい形式の小説なのでそんなにない。
そして、その書簡体小説の貴重なサンプルのひとつが、今日紹介する、
『恋文の技術 (ポプラ文庫)』 森見 登美彦 (著) である。
この小説の内容は、京都から能登半島に引っ越して、さみしくなったひねくれ大学院生が、能登半島から京都の友人や家族あてに、素直じゃない手紙を書きまくるというものである。
饒舌のうえにも饒舌を尽くし、かといって簡潔で流麗な、これぞ文章のプロたる『小説家』というものであると感じさせる、いつもの森見節も健在である。
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