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2022年11月14日

小村神社(おむらじんじゃ)は、高知県高岡郡日高村下分にある神社

小村神社(おむらじんじゃ)は、高知県高岡郡日高村下分にある神社。国史見在社、土佐国二宮で、旧社格は県社。

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小村神社 拝殿

祭神
祭神は次の1柱。

国常立命(くにとこたちのみこと)
国宝の金銅荘環頭大刀を神体とし、『南路志』にも「神体剣」と見える。中世における本地仏は大日如来であった。

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鳥居

境内
現在の社殿は、江戸時代中期の宝永2年(1705年)の造営。本殿・幣殿・拝殿から成る複合社殿である。本殿は流造銅板葺で、この本殿前に接続する幣殿・拝殿は平面に「十」字形を成し、屋根は同じく銅板葺である。これらは拝殿を頭としたトンボ(蜻蛉)が飛び出す形を表すとされ、「出蜻蛉(でとんぼ)」形式と称される。これらの社殿は日高村指定有形文化財に指定されている[1]。このような出蜻蛉式社殿の類例としては、他に若宮八幡宮(高知市長浜)社殿が知られる。

本殿背後には、「燈明杉」と称されるボタンスギ(牡丹杉)が生育する。伝承では樹齢1,000年といわれ、樹高25メートル、胸高直径270センチメートルを測る巨木である。下枝部の葉は一般的な杉型であるが、上枝部の葉は牡丹杉型を示す珍しい特徴を有している。当地の伝説では、宝永2年(1705年)の仁淀川洪水や、安政元年(1854年)の安政南海地震、日露戦争などの異変に際して梢に霊火が点灯したといい、「燈明杉」の名はこれに由来する。このボタンスギは日高村指定天然記念物に指定されている。

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本殿と燈明杉

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社殿全景

文化財
国宝
金銅荘環頭大刀拵・大刀身(工芸品)
「こんどうそうかんとうたちごしらえ・たちのみ」。古墳時代末期(飛鳥時代)の7世紀前半に作られた、直刀(反りのない片刃の刀)とその外装である(装飾付大刀)。柄(つか)と鞘は金銅(銅に鍍金)の板で包み(金銅荘)、柄の先端部に「環頭」と称される金銅製透彫の装飾を付す。各所の寸法は次の通り。
総長118.8cm、柄頭長7.4cm、柄長19.4cm、鞘長92.1cm、刀身の刃長68.3cm、茎(なかご)長さ11.2cm[注 1]
柄頭(つかがしら)は、金銅板金で形成した環の内側に、同じく金銅板金に透彫で双竜文を表す。柄と鞘は木地に金銅張り。柄は責金(せめがね)で2区に分け、片方にはX字状文、もう片方には連続山形文をそれぞれ点線打込みで表す。鞘は足金物と責金で4区に分け、鞘口と鞘尻は無文、これらに挟まれた中央部は、佩表(はきおもて)に並列連珠文を打出し、佩裏は柄と同様の山形文とする。
刀身は正倉院の大刀に見られるような切刃造の直刀である。この種の上古刀の現存品はほとんどが古墳等からの出土品であるが、本品は伝世品である点で貴重であり、日本刀剣史上重要な作品とされる。
なお、平安時代以降に製作された反りのある日本刀を「太刀」と称するのに対し、それ以前の直刀は「大刀」(読みはどちらも「たち」)と表記して区別することが慣例となっている。
この大刀が小村神社で祀られるようになった確かな由来は不明であるが、『南路志』に「神体剣」と見えるように古来神体として本殿奥深くに祀られていた。1955年(昭和30年)の国の調査で詳細が判明し、1956年(昭和31年)6月28日に国の重要文化財に、1958年(昭和33年)2月8日に国宝に指定された。
現在、実物は他の宝物とともに11月15日の秋季大祭時にのみ公開される。2014年(平成26年)には大刀の複製品が作製され、日高村役場内に展示されている。

小村神社_金銅荘環頭大刀拵・大刀身_(複製).JPG.jpg
金銅荘環頭大刀拵・大刀身(複製)原品は国宝。村の駅ひだか展示。

重要文化財(国指定)
木造菩薩面 2面(彫刻)
小村神社に古くから伝わる、平安時代後期作の2面の菩薩面。1面の大きさは縦36.0センチメートル・横21.0センチメートル、もう1面は縦36.0センチメートル・横21.2センチメートル。いずれもクスノキ材の一木造で、表面に彩色が施されている。頬の豊かさや優しげな相好など、平安後期の特色を備えた行道面の優品とされる。1957年(昭和32年)2月19日指定。

高知県指定文化財
保護有形文化財
小村神社の蓬莱鏡 2面(工芸品)
南北朝時代の康安2年(1362年)作の2面の銅鏡。2面とも日本で作られた和鏡で、1面は縦15.7センチメートル・横10.2センチメートルの長方形の方鏡、もう1面は直径19センチメートルの円鏡。いずれも蓬莱模様が描かれ、特に方鏡は康安2年8月17日藤原重利奉納の旨の銘を有する。この2面を合わせて神鏡としたと見られる。1991年(平成3年)3月26日指定。
小村神社の仁治・貞和の棟札(歴史資料)
鎌倉時代の仁治元年(1240年)、並びに南北朝時代の貞和3年(1347年)の造替時の棟札。それぞれ木材の調達地や願主・番匠の名など、造替の経緯が記されている。2000年(平成12年)3月28日指定。

現地情報
所在地
高知県高岡郡日高村下分1794
交通アクセス
鉄道:四国旅客鉄道(JR四国)土讃線 小村神社前駅 - 北へ約200メートル。
posted by Kazu at 08:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 高知県
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