金峯山寺(きんぷせんじ)は、奈良県吉野郡吉野町吉野山にある金峯山修験本宗(修験道)の総本山の寺院。山号は国軸山。開基(創立者)は役小角と伝える。かつては「山下(さんげ)の蔵王堂」と呼ばれていた。本尊は蔵王堂に安置される蔵王権現立像3躯。本尊は巨像として著名で中尊は約7mもあり、普段は非公開(秘仏)であることから「日本最大の秘仏」とも称される。現存の蔵王堂は、天正18年(1590年)に豊臣秀吉の寄進によって再建されたもので、蔵王権現立像3躯の造仏は、秀吉の発願した方広寺大仏(京の大仏)の造仏にも携わった、南都仏師の宗貞・宗印兄弟が手掛けたことが、胎内の銘から知られる。
金峯山寺の所在する吉野山は、古来より桜の名所として知られ、南北朝時代には南朝の中心地でもあった。「金峯山」とは単独の峰の呼称ではなく、吉野山(奈良県吉野郡吉野町)と、その南方二十数キロメートルの大峯山系に位置する山上ヶ岳(奈良県吉野郡天川村)を含む山岳霊場を包括した名称である。
吉野・大峯は古代から山岳信仰の聖地であり、平安時代以降は霊場として多くの参詣人を集めてきた。吉野・大峯の霊場は、和歌山県の高野山と熊野三山、およびこれら霊場同士を結ぶ巡礼路とともに世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素となっている。
境内
吉野ロープウェイの吉野山駅を出てしばらく歩くと金峯山寺の総門である黒門があり、そこから旅館、飲食店、みやげ物店などの並ぶ上り坂の参道を行くと、途中に銅鳥居(かねのとりい)がある。吉野山駅から徒歩10分ほどのところに仁王門、その先の小高くなった敷地に本堂(蔵王堂)が建つ。
本堂(蔵王堂、国宝) - 山上ヶ岳の大峯山寺本堂(「山上の蔵王堂」)に対し、山下(さんげ)の蔵王堂と呼ばれる。屋根は入母屋造檜皮葺き。2階建てのように見えるが構造的には「一重裳階(もこし)付き」である。豊臣秀吉の寄進で再興されたもので、扉金具の銘に天正19年(1591年)とある(本尊の胎内銘には天正18年とあるので、工事自体はそれ以前からなされていた)。高さ34メートル、奥行、幅ともに36メートル。木造の仏堂としては全国屈指の規模(特に高さ)の建物である。
文化財
国宝
本堂(蔵王堂)
二王門(仁王門)
大和国金峯山経塚出土品 1括
金銀鍍双鳥宝相華文経箱 1合
金銅経箱 台付 2合
附:紺紙金字法華経残闕 7紙、紺紙金字観普賢経残闕 2紙、経軸 2本
交通
吉野ロープウェイ吉野山駅から黒門、銅鳥居を経て蔵王堂まで徒歩10分
所在地 奈良県吉野郡吉野町吉野山2498
位置 北緯34度22分5.7秒 東経135度51分29.4秒
山号 国軸山
宗派 金峯山修験本宗
寺格 総本山
本尊 蔵王権現 3躯(秘仏、重要文化財)
創建年 7世紀後半
開基 伝・役小角
札所等 神仏霊場巡拝の道第39番(奈良第26番)
役行者霊蹟札所
文化財 本堂(蔵王堂)、仁王門、大和国金峯山経塚出土品1括(国宝)
銅鳥居、木造蔵王権現立像3躯、木造金剛力士立像2躯ほか(重要文化財)
世界遺産
2024年06月22日
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