元興寺(がんごうじ)は、奈良県奈良市中院町にある真言律宗の寺院。山号はなし。本尊は智光曼荼羅。元興寺の子院であった極楽坊の系譜を引くため、元興寺極楽坊と呼ばれる。「古都奈良の文化財」の一部として世界遺産に登録されている。
極楽坊本堂(国宝)
歴史
極楽院は明治以降は荒れ果て、現在国宝に指定されている本堂も1950年(昭和25年)ころまでは床は落ち、屋根は破れて「化け物が出る」と言われたほどの荒れ方であった。第二次世界大戦中の1943年(昭和18年)に極楽院の住職となった辻村泰圓は、戦後になって戦災孤児のための社会福祉事業に尽力するかたわら、境内の整備や建物の修理を進めた。1962年(昭和37年)には辻村により境内に財団法人元興寺仏教民俗資料研究所が設立され(1978年(昭和53年)に元興寺文化財研究所と改称)、1965年(昭和40年)には寺宝を収蔵展示する収蔵庫が完成するなど、徐々に整備が進んだ。元興寺仏教民俗資料研究所は、本堂解体修理中に屋根裏から発見された数万点の庶民信仰資料(板塔婆など)を研究することを当初の目的として設立された。極楽院は1955年(昭和30年)に「元興寺極楽坊」と改称、さらに1977年(昭和52年)に「元興寺」と改称されている。2010年(平成22年)8月、禅室の一部に使用されている木材が世界最古の現役木製建築部材であることが確認された。
禅室(国宝)
文化財
国宝
本堂(附:厨子及び仏壇、棟札(寛元2年))
禅室
五重小塔 - 収蔵庫に安置。奈良時代。高さ5.5メートルほどの小塔だが、内部構造まで省略せずに忠実に造られており、「工芸品」ではなく「建造物」として国宝に指定されている。同じく建造物として国宝に指定されている海龍王寺の五重小塔は、奈良時代の作であるものの内部構造は省略されているため、現存唯一の奈良時代の五重塔の建築構造を伝える資料として貴重である。かつては「小塔院」の建物小塔堂内に安置されていたと伝えられる。一貫して屋内にあったため傷みが少ない。
東門(重要文化財)
所在地 奈良県奈良市中院町11
位置 北緯34度40分40.09秒 東経135度49分52.88秒
山号 なし
宗派 真言律宗
本尊 智光曼荼羅
創建年 推古天皇元年(593年)
開基 蘇我馬子
正式名 元興寺
別称 元興寺極楽坊
札所等 西国薬師四十九霊場第5番
大和北部八十八ヶ所霊場第9番
南都七大寺第3番
大和地蔵十福霊場第2番
神仏霊場巡拝の道追加(奈良第30番、2018年から)
文化財 本堂、禅室、五重小塔(国宝)
東門、着色智光曼荼羅図、木造阿弥陀如来坐像ほか(重要文化財)
世界遺産
2024年03月21日
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