2014年06月18日
アマゾンのスマートフォン、AT&Tが独占販売か
新たな報道によると、2014年に最も期待されているスマートフォンの発売にAT&Tが関与するという。
The Wall Street Journal(WSJ)は米国時間6月17日、AT&Tが、間もなく登場すると予想されるAmazon.comのスマートフォンに対応する独占的キャリアになると、この計画をよく知ると主張する人々の話として報じた。このスマートフォンが他のキャリアでも使えるようになる可能性や、その時期については、今のところ不明だ。
AT&Tはこの件についてコメントを避けた。
AT&TとAmazonには、すでにハードウェアに関する提携の実績がある。AT&Tは、Amazonの一連のタブレットと電子書籍リーダー向けの無線接続サービスを提供している。WSJによると、新スマートフォンについての契約は、両社がタブレットに関して交わした既存の契約を拡張するものだという。
Eコマース大手で「Kindle」のメーカーでもあるAmazonは6月18日、ワシントン州シアトルで報道機関向けイベントを予定しており、長くうわさされていたスマートフォンを発表すると予想されている。このデバイスは3D機能を搭載すると考えられており、2014年9月下旬には消費者に届くと見込まれている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
開発中とされるAmazonのスマートフォンには、世界最高峰のデバイス群と同等のオプション機能がすべて搭載されるかもしれない。しかし、大半のAmazon製品と同様に、価格をセールスポイントにせざるを得ないだろう。
Amazonがスマートフォンの世界に大きな影響を与えたいのなら(報道によれば、2014年秋に発売する準備ができているという)、過去にうまく成し遂げたことに賭けるべきだ。つまり、競合他社よりも安い価格で製品を提供する必要がある。確かに、3D機能や複数の前面カメラは魅力的な機能に思える。しかし、Appleの「iPhone」とサムスンの「GALAXY S」シリーズが支配する世界において、本当の意味で注目を集めるには、可能な限り価格を抑えたデバイスを出すしかない。
その理由について、Kantar WorldpanelのアナリストCarolina Milanesi氏は、消費者はAmazonブランドのスマートフォンをハイエンド機種とは見なさないからだと述べる。
「これが正しいやり方に違いない。価格を下げなければ、通信キャリアに依存する羽目になる」(Milanesi氏)
VerizonやAT&Tなどの通信キャリアは、顧客が2年契約を結んだ際に、販売奨励金による値引きを行ってスマートフォンを低価格で提供することが多いが、キャリアと連携することは、スマートフォンメーカーにとって数ある障害の1つにすぎない。Amazonの自社開発スマートフォンのうわさが最初に流れたときに米CNETが指摘したように、スマートフォン市場の競争は残酷なほど熾烈で、テクノロジ分野で成功を収めたAmazonのような大企業でも苦戦を強いられる。この点を指摘したのは約2年前のことだが、今も状況はそれほど変わっていない。
Gartnerによると、サムスンはスマートフォン市場で3分の1近くのシェアを占めており、Appleは15%のシェアを獲得しているという。ほかにも多くの企業がシェアをめぐって争っているが、実際に利益を上げている企業はほとんどない。BlackBerryは存続の危機に瀕しており、NokiaはMicrosoftによる買収がなければ生き残れない状況だ。以前は堅調だったHTCのようなスマートフォンメーカーまでもが失速している。
とはいえ、高品質で低価格なスマートフォンに関心が寄せられていることは間違いない。Motorolaの「Moto G」は、アンロックされた179ドルのデバイスに多数のハードウェアと機能が詰め込まれているとして高く評価された。Amazonはそれよりも優れた製品を開発できるだろうか。
Amazonは、デバイスからユーザーに自社サービスを利用してもらい、より多くの商品を購入してもらうためなら、ハードウェアで損失を出しても構わない、という姿勢を示してきた。デバイスを利用して、自社の動画ストリーミングサービスやアプリストア、ショッピングオプションを宣伝すれば、リピート顧客が増えるという考えだ。
Current AnalysisのアナリストであるAvi Greengart氏は、「Amazonは喜んで自動販売機を売っている。たとえ損失を出しても自動販売機を売るだろう」と述べ、Appleやサムスンと異なり、Amazonは実際のデバイスから利益を得ることに関心がない、と付け加えた。
しかし、競争力を得るためには、相当価格を下げなければならない。Amazonは「Kindle Fire」タブレットで消費者の忠誠心を勝ち取ることに成功したが、スマートフォンでも同じことを成し遂げられる可能性は低い。この点では、おそらく、先ごろ発売された「Fire TV」にも及ばないだろう。Amazonは数字を公表していないが、Kindle Fireの200ドルという価格設定は大きな注目を集め、同社はFire TVデバイスが既に完売したと述べている。スマートフォン分野では、それよりもはるかに激しい競争が繰り広げられている。タブレットもモバイルデバイスではあるが、スマートフォンと同じように扱われるわけではなく、外出先でスマートフォンを使ってデータを消費したければ、通信キャリアとの契約が必要になる。キャリアが関わってくると、事態はより複雑になり、消費者が下さなければならない決断も多くなる。
「タブレットが新しいカテゴリだったとき、ほとんどの人はWi-Fiのみのバージョンを購入していたため、キャリアが関わることはなかった。そのため、消費者が決断を下すのは極めて容易だった。『今契約している家族プランにどのように組み込まれるのか』ということを話し合う必要がなかったからだ」(Greengart氏)
さらに、ほとんどの消費者はスマートフォンの実際の価格を今でも正確に把握しておらず、多くの場合、コストをあまりにも安く見積もりすぎている。長期サービス契約と引き換えに提供される通信キャリアの販売奨励金のおかげで、本来なら650ドルの「iPhone 5s」や「GALAXY S5」が200ドルで販売されている。そうした販売奨励金により、AT&Tは契約を結んだ顧客に対し、「GALAXY S4」のようなかなり高性能のスマートフォンも無料で提供している。
したがって、Kindle Fireタブレットは、初代モデルが低価格で登場したときは人々を驚かせたかもしれないが、スマートフォンに関しては、この手法はそれほど効果を発揮しない可能性がある。スマートフォンは必ずと言っていいほど本来の価格よりも安く売られるからだ。
Amazonのスマートフォンには3D画像処理技術が搭載されるとのうわさだが、この手法はスマートフォン業界が過去に試みたことがあり、大きな変化を起こす可能性は低い。Amazonのサイトに掲載されている商品をアピールする優れた手段という点では理にかなっているのだろうが、より強力なカメラ、より高速なプロセッサといったスペックの向上やデザインに消費者の関心が向けられている今、3Dのような機能は簡単に忘れ去られてしまうかもしれない。
「HTC EVO 3D」とLGの「Thrill」は、3Dのディスプレイやカメラをスマートフォンに搭載しようとして失敗した2つの例である。現時点では、Amazonのテクノロジがそれらのスマートフォンより優れていることはほぼ間違いないが、それでも人々は懐疑的な反応を示すかもしれない。
Amazonが本当に感銘を与えたいのなら、突飛なスマートフォン機能や誇大広告に頼るべきではない。Amazonの最高のお買い得品と呼ぶにふさわしいバーゲン品を手に入れようとしているのだと消費者を納得させなければならない。
それがうまくいけば、スマートフォンユーザーはiPhoneシリーズを見送って、商品を2日以内に配送する「Prime」サービス付きのスマートフォンを選ぶかもしれない。
http://japan.cnet.com/news/commentary/35046597/?ref=yj
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140618-35049544-cnetj-sci
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