ストーリーの骨格であるデロイアは地球の植民星だったものの、力をつけつつあり独立の機運が高まっていた。デロイアは農業生産を中心に発展しており、環境汚染が深刻で資源が枯渇しつつある地球では、デロイアからの資源なくして生活できない状況であり、それゆえにデロイアから農産物を安く買い叩き、また地球側の資本は新興のデロイア資本が力をつけることを恐れ経済制裁も行っていたようである(劇中のちょっとしたセリフからの推測)。最もその地球の状況を描く部分はあまりなかったが、地球が舞台になるシーンはほとんどないし。
地球連邦みたいな組織が出てくるロボットアニメは数あれど、地球連邦の議長という立ち位置の人物に焦点を当てたものはなかなかない気がする、連邦というものがあってかつ細かい設定があったとしても、明確に表に出てこなかったりする。とにかく「寄せ集めの連邦」という組織が持つ弱点を描き出しているストーリー展開で、連邦の内部分裂がデロイアを利する展開になっている。しかし今度はラコックらの工作によりデロイア側の内部に亀裂が走り始めて・・・。
聞いた話だと一応デロイア以外にも植民地があらしいが・・・本編では語られてたっけ?(うろ覚え)
世界観的にはミノフスキー粒子的な立ち位置にXネブラというものがあり、惑星デロイアの近くにある星雲のようで、通信やレーダーを阻害している、そのせいで電話は固定電話。この手の話題を見るたびに、ミノフスキー粒子最大の成功はむしろ時代遅れになったギミックを時代遅れのままにできることだなと思う、人型兵器の現実性云々より。現在の社会が通信技術によって成り立っているのを成り立たせないようにする効果。
登場メカのコンバットアーマー(以下CA、ダグラムのロボット兵器の呼称)も、多脚型の存在や現地改修のパジャマソルティック、CA輸送ヘリ等の存在等、様々なギミックが施されている。また専用の輸送ヘリや専用のトレーラー等も存在し、また強引にCAを飛ばすためのハンググライダー、更に歩兵用の対CA装備等も存在するほか、Xネブラで通信が阻害されている状況で通信の中継を行う装置等、世界観を構成するギミックは多い。反面やたら大ジャンプする、妙にマヌケな展開が多いなど難点も多い。
姉妹作的な立ち位置のボトムズほどの知名度がないせいもありフォロアーも少なく(部分的に参考にしたようなものは結構ある)、それに反してガンダムという作品の解釈が極端なもので、それがある種の作品としての個性になっている。ロボットアニメ史の中でも非常に特異な立ち位置になっている。
敵コンビであるラコック、デスタン(通称寄生虫)の2名は人気があり(多分)、デスタンのリタ(元カノ)死亡後の発言はなかなか切ない、ストーリー進行もこの2人が深く関わっている。この2名の軌跡はダグラム名物と言える内容。
登場メカ
この世界のロボットの呼称として、コンバットアーマー(CA)という呼び方が使われている。サイズ的にそれほど大きくはなく10m前後、ゆえに歩兵の攻撃で破壊される時もある。
ダグラム
なかなか登場しない主役メカ。それまではクリンはソルティックに搭乗している。無駄に硬いことで有名。耐久力が高すぎてよくネタにされる。またよくジャンプする。
ヤクトダグラム
ターボザックを装備した姿、リニアカノンが追加されており高火力になっていく。最終的にはミサイルランチャーも装備された。
アイアンフット(ヘイスティ)
アイアンフット社製のヘイスティというコンバットアーマー、本編での呼称はアイアンフットで統一されている。アイアンフット社はダグラムの開発にも関わっており、要はジムポジ。ただし敵対した段階では非常に強く、何よりダグラムの量産機的な立ち位置なのでソルティックなんぞより強く、本気を出したジムが見れる、なお味方になってからはソルティックと同レベル状態、やっぱりジムだ。
ダグラム量産型は計画だけはされている、がボナールが抑えられた段階で頓挫している。どうもデザインだけはあるそうで。
クラブガンナー
旧型のCA、多脚型戦車、一応ゲリラ側も使用しているが、紛らわしいためか片方が使用しているときはもう片方は使用してないという展開で誤魔化している。
テキーラガンナー
ガルシア隊(傭兵部隊)の使用するクラブガンナー、名前はプラモ用に作られたものでクラブガンナーの色違い位の感覚。
デザートガンナー
ガンダムだとアッザム枠、試作機しか作られなかった旧型だが、6脚のため砂地に強くダグラムを圧倒。出番はごくわずか。
ソルティック(ラウンドフェイサー)
ソルティック社製のH-8(型式番号)のラウンドフェイサーと言うコンバットアーマー。名前はラウンドフェイサーなのだが劇中では製造会社であるソルティックでほぼ統一、所謂ザクポジ。序盤は主人公が登場しており、ダグラム登場までの主人公メカポジも兼ねている。後半改良型(コチーマSP)が登場しネームドやエースが少ないダグラム界において貴重なエース、24部隊が搭乗しいる。
ロボットアニメで兵器メーカーの名前が登場したのはこれが始めてらしい。いろんな意味でダグラムの顔とも言っていいメカである。(ガンダムのジオニックは後付け、因みに公式入りしたのは意外と最近)
パジャマソルティック
ソルティックの走行をはがして布をつけた軽量化バージョン、ザルチェフ少佐がダグラムに対抗するためにあえて装甲を捨てて機動力を取ったもの。あくまでザルチェフ少佐の部隊が行った改造なので、登場は1話のみだが、あるいみダグラムを象徴する存在。当たらなければどうということはないというやつ。
ブッシュマン
こいつもソルティック社製、なのでソルティックの名前で呼ばれることも多々あるのが特徴、ただしラウンドフェイサーが完全にソルティック扱いなのに対してこっちはそれほどソルティック扱いではなくブッシュマンとも呼ばれる。
ちなみにブッシュマンは南アフリカに住む狩猟民族の名前なのだが、最近は差別用語とされサン族と呼ばれるように、ちなみに映画ミラクル・ワールド ブッシュマンはコイサンマンというタイトルになっている。
ブロックヘッド
ドムに相当すると思われるCA。何かにつけてよく登場しており、ソルティックと同じくらいしょっちゅう出てくるCA。
後半になって通常の赤いブロックヘッドからXネブラ対応型のベージュのブロックヘッドになり、赤はフェードアウトした。
話によるとミサイルランチャー搭載型もあったらしいが、本編には登場せず。
マッケレル
水陸両用型CA、見た目ゴッグっぽいが別にゴッグのようになんともない装甲なんて持ち合わせておらず、火力も大したことはないため結局やられてしまった。
そもそも水中マップがほとんどないダグラムにおいてロクに出番があるはずもなく、数話程度の出番にとどまっている。
ビッグフット
寒冷地用のCA、これもソルティック社製なのでソルティっく扱い。寒いので通常の機体の上にさらに布で覆っている機体もあり。このビッグフットは北極ポート周辺での戦闘でしか出番がなく、そのため他のCAとはセットで登場しない。北極ポート以降も僅かに話があるが、その時はまた普通の緑のソルティックに戻っていた。
アイアンフットと紛らわしい。
ブリザードガンナー
同じく寒冷地用の多脚型CA、出番は非常に少なく、デザートガンナーのように活躍もしない。デザートガンナーと違い4脚。
ニコラエフ
旧式のCA、出番は少なく活躍もしない、足はあるが腕がなく円盤状の頭がある、あえていえば弱いビグザム。
デューイ攻撃ヘリ
よく出てくる攻撃ヘリ、最大のヤラレメカであり本当に出番が多い。
マベリック輸送ヘリ
CA専用の輸送ヘリ。ダグラムのもう一つの顔とも言っていいヘリ。
インステッド装甲車
装甲車、リニアカノンを装備している。代表的なヤラレメカ。
劇場版
よくある総集編劇場版があり、タイトルは「ドキュメント太陽の牙ダグラム」、ドキュメンタリー風に本編を再編集したものなのですが、如何せん劇場版は「太陽の牙の軌跡」なのか「デロイア動乱の軌跡」なのかよくわからない内容で、非常に半端だった。尺が足りないのはわかるのですが、もう単なる総集編と割り切るか、しっかりと架空のドキュメンタリーとして作られているかどっちかがよかった気はします、まあ完全に架空ドキュメンタリーにするとダグラムの劇場版としてはアレなことにはなりそうな気が。
むしろネタに走ったチョロQダグラムのほうが、ただし内輪ネタに走りすぎて本編どころかほかのアニメまで補完しないと何がなんだかわからないかと、途中に登場する大量のCAの中にはスコープドッグやガンダム等が混じっている、更に監督までゲスト出演しているというアレっぷり、声もギャグ声だが本編と同じ人。しかも地球代表が本編では大して出番のないハンク曹長とアーロン、大出世である。
コミカライズ版
ガンダムのコミカライズで有名な漫画家岡崎優+連載冒険王と言う形でコミカライズ版が存在。内容は完全にダイジェスト、ただしクラブガンナーの呼称がアビデート(企業名、ソルティックと同じ)で呼ばれる、ジョルジュがチェスタ(初期名)になっている、ダイジェストのため思いっきり話が飛ぶ、チェスタの加入が唐突、リタが未登場等かなりカット有り。
感想
因みにダグラムは菌類をロボットアニメ好きからニワカロボオタにクラスチェンジさせた原因でもあったり。これがひとつのきっかけでロボットアニメにハマっていきました・・・。
ダグラムを見たのが結構前なんであってるかなこれで・・・実は結構うろおぼえなのです。
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