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2020年06月28日

ジョン・アダムズ 「シェイカー・ループス」

ジョン・アダムズは現代アメリカの作曲家。厳格なミニマル・ミュージックから出発して、最近ではオペラを当てたり、ピューリッツァー賞やグラミー賞を取ったりして、たぶん一番の売れっ子。

この曲は、アメリカのシェーカー教徒の震えるような踊りにインスピレーションを得て書かれた、アダムズの出世作になった曲です。

ライヒ、グラス、ライリーらの古典的なミニマル・ミュージックとちょっと違います。古典的なミニマルが、パルスの変化を曲の原動力にしているのに比べて、アダムズはもっとエモーションの部分を原動力にしている。パッと聴きは、えっ、これミニマル?と思っちゃうほどドラマチックだったりリリカルだったり。美しい音楽です。

最近のアダムズは、社会的題材を取り上げたりしてるので、そのへんは好みが出るかもしれませんが、まあ、聴いてみて損はないと思います。

エド・デ・ワールト指揮サンフランシスコ交響楽団のCDを最初に聴いたので、自分にはこの演奏のイメージが強い。当代きっての売れっ子作曲家なのでいろんな演奏が出てます。お好きなものをどうぞ。

ジョン・アダムズ:ヴァイオリン協奏曲/シェーカー・ループス [ ギドン・クレーメル ケント・ナガノ ]

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ベートーヴェン 「交響曲第9番」

泣く子も黙るベートーヴェン、というイメージですが、実際には売れっ子じゃなかったみたいですね。

今みたいな録音メディアがなかった時代、作曲家の収入といったら、曲を頼まれた時にもらう委嘱料と、自分の曲が取り上げられた演奏会の入場料からの分け前くらいのもの。なので、ロングランで回数を期待できるオペラが当たればウハウハ。同時代のウェーバーやロッシーニなんかは、数多くのオペラが上演されていたので儲けてたでしょうね。

で、ベートーヴェンもオペラを書きたいんですが、軽妙なオペラなんか誰もベートーヴェンに頼みやしない。というか、頼まれても書けない。というわけで、頼まれるのは英雄譚みたいな重い話ばっかり。一般大衆がドタバタコメディや色恋話を好むのはいつの時代でも一緒。結果、ベートーヴェンのオペラは売れない。かわいそうに。

しょうがないので、しかめっ面して小難しい交響曲とかを作曲してて、その中の傑作が第九。いやー、凄い曲です。当時は受け入れられなかったみたいだけど。かわいそうに。

第九はシラーの詩を第四楽章に使ってるわけですが、実はこっそりシラーの詩にないフレーズを入れちゃったりしてます。「喜びの音は我と共にある」みたいなやつを。オペラが当たらなかったのが悔しかったんでしょうね。なんか、いじめられっ子が家に帰ってからデスノート書いてるみたい。かわいそうに。

大体評価されるのは死んでからなんですよね。ほんとにかわいそうに。

Beethoven ベートーヴェン / 交響曲第9番『合唱』 カール・ベーム&ウィーン・フィル(1970) 【SHM-CD】

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フィンジ 「クラリネット協奏曲」

ちょっとマイナーな曲を。

フィンジはイギリスの作曲家で、ヴォーン・ウィリアムズやホルストと同時期に生きた人。お世辞にも活躍したとは言えないけど、まあ、作曲家なんてそんなもんですわね。

で、この曲。とにかく美しい。溜息が出るくらい。曲冒頭の弦楽のむせび泣くような緊張感に続いてクラリネットが出てきた時の天国感。モーツァルトのクラリネット協奏曲の二楽章と合わせて聴くと、天国で天使が演奏する楽器があるとしたらクラリネットだとさえ思ってしまうほど。

残念なのは、クラリネットを吹く人でさえ知らないマイナーな曲なので、演奏される機会がほとんど無いこと。一回実演を聴いてみたいなあ。

ディスクは、演奏者を選べるほど出てないので、見つけたら買ってます。とりあえず、ナクソスから出てるのが入手しやすいかな。

フィンジ:クラリネット協奏曲/5つのバガテル/3つのモノローグ/ロマンス

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ドビュッシー 「海」

「牧神の午後への前奏曲」「ピアノのための前奏曲集」「ペリアスとメリザンド」などで大作曲家に上り詰めたドビュッシー先生。

実はわりとダメな大人で、結婚してるのに他の人の奥さんと駆け落ち。しかも、捨てた奥さんがピストルで自殺未遂を起こしちゃう。で、ゴシップ好きのフランスマスコミに叩かれて逃げてるくせに、呑気にコルシカ島沖の綺麗な海を描いた曲を構想。それがこの曲。すげーわ、この人。

そんな経緯に関わらず、曲はまったくもって素晴らしい。ドビュッシー独特のハーモニーに全曲を統率するモチーフ操作。天才の技とはまさにこれですね。

この曲でドビュッシー先生、中央楽壇に返り咲きます。前の奥さんとは離婚して、一緒に逃げた人と結婚しちゃいます。呆れて物が言えません。

おすすめのディスクは、セル指揮クリーブランド管弦楽団。

ジョージ・セル(cond) / ドビュッシー:交響詩「海」 ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲 他 [CD]

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バルトーク 「管弦楽のための協奏曲」

祖国ハンガリーからアメリカに移住して、極度の躁鬱で入院していたバルトーク。世界大戦のせいで著作権料も入って来ず、ド貧乏だったバルトークを助けようと、友人でもあるボストン交響楽団の指揮者クーセヴィツキーが作曲を委嘱。その委嘱料で入院費を払う事ができたという、涙無しでは語れない話の末に生まれた曲。

ド真面目なバルトークが書いた、パロディあり歓喜のファンファーレありのはじけまくった名曲中の名曲。いろいろ大変だったんでしょうね。スコアは驚くほど単純で、まるで作曲のお手本のよう。

おすすめのディスクは、ライナー指揮シカゴ交響楽団。

フリッツ・ライナー(cond) / ベスト・クラシック100 26:: バルトーク:管弦楽のための協奏曲 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 5つのハンガリー・スケッチ(Blu-specCD2) [CD]

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ストラヴィンスキー 「春の祭典」

初演時にあまりにも衝撃的だったので、客席で暴動が起きそうになったのは有名な話。いわゆる現代音楽の範疇に入る曲だけど、今聴くとわりと普通。というか、カッコイイ。

編成が大きいわりに、マーラーの偏執狂みたいな部分が無くて、スコアを見てもすっきりしてる。バレエのために作曲されたこともあって展開もドラマチック。もちろん復調や多調が用いられてるので不協和音の嵐だけど、現代音楽の入門としては良いかも。

おすすめのディスクは、ブーレーズ指揮クリーブランド管弦楽団。

ピエール・ブーレーズ(cond) / ストラヴィンスキー:春の祭典/ペトルーシュカ(Blu-specCD2) [CD]

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なかなかやん
音楽大好き、読書大好き。いろいろ聴きます。DTMなんかもやります。作曲もします。小説も書いてみたいです。
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