2023年07月18日
Excelパワークエリ データ収集・整形を自由自在にする本
★★★★★
本の概要
昨今の Microsoft Excel には、Power Query というツールが搭載されている。この本は、この PowerQuery の使い方や活かし方を、わりと手取り足取り教えてくれる。
対応教材の xlsx ファイルをダウンロードすることもできる。これらファイルとPowerQuery付バージョンのExcelがあれば、本に沿った実践練習がすぐにできる。それぞれには完成版のファイルも用意されており、本の通りにやってもしうまくいかなかったとしても、これら完成系を学習の参考とすることができる。
M言語やPowerQuery内の関数にも少しずつ触れられている。
感想など
Excel に PowerQuery というツールが付き始めた頃から、いったいどんなものかが気になっていた。といっても、初めは取っつきづらかった。PowerQuery の画面にたどり着くことすら難しかったし、なんとかそこにたどり着いたとしても、一体どうやって操作するのか、直感ではとうてい分からなかったから。クエリなんだから Access があればよいのでは?という疑いも少なからず持っていた。
しかしそれと同時に、MSがまた何か凄いものを作ったのでは?!という直感もあった。私にとって PowerShell や PowerToys がそうだったように、これまでの "Power" を冠するMSツールは「こんなものが欲しかった」感が凄かったので。多分 PowerPoint も出た当初はそんな存在だったのではないか。
この本をやってみて、PowerQuery を全体的には理解できたつもりだ。その結果、当初の期待はやはり全く裏切られなかった。むしろ、期待以上の代物である。
Excel の基本機能と Access との中間的なポジションでありながら、両者にはない優れた機能と操作性がある。
当初は本の途中の「結合」と「追加」くらいまでやってみたところで、自分は PowerQuery のほとんどを理解したつもりでいた。あとは自分で応用を聞かせるだけだろうと高を括った。
と言いながらも本の後半もやってみたところ、そこには自力ではとうていたどり着けなかったであろう機能や使い方にまで触れられていた。ちゃんと最後までやってよかったと思う。
仕事では早速役立っている。時間短縮できるだけではなく、データの不完全性への不安もかなり減った。
PowerQuery は、主にホワイトカラーの生産性を高められる強力なツールだと思う。Excel の歴史の中でもかなりインパクトの大きい追加機能と言えるだろう。
これを学んで一番得しそうな人として、以下のような人が思い浮かぶ。
- Access などのクエリツールが使えないからといって、VLOOKUPやINDEX,MATCH あたりの関数だけで全ての結合を済ませようとしてきた。
- VBAやマクロが使えないからといって、同じ整形やデータクレンジングのために手動操作やちょっとした関数を何度も繰り返してきた。
- マトリックス表や横に伸びる表やカード型や申請書類や半構造化データ的なデータを、いわゆるデータベース的な正規形的な表形式に手動で地道に変換してきた。
- シート上で大量データを操作している最中に誤ってセルを消したり誤入力していないか心配になりやすい。
PowerQuery を多くの日本人が使いこなすことができれば、生産性に関する課題の解決に大きく寄与することになるのかもしれない。
まずは自分が使いこなすことが大事だが、生産性を相乗効果的に加速させるには、なるべく多くの人がこういったツールを使える必要があるだろう。
この本の感想というよりPowerQueryの感想になってしまったが、そのPowerQueryをしっかりと教えてくれたこの本に感謝。
ただし、PowerQueryで使われるM言語やPowerQuery内関数をもっと深掘りするには、他の教材などをあたる必要がある。
タグ:Excel
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
posted by myreading at 22:37| 実用・教育 --- 学習参考書