2021年12月12日
達人に学ぶDB設計 徹底指南書 初級者で終わりたくないあなたへ
★★★★★
本の概要
リレーショナルデータベースの設計について、網羅的に解説されている。図が適宜用いられている。章ごとに演習問題もある。
物理設計のところから書かれているので、データのバックアップやRAID などの、DB以外でも使われる一般的な分野も少し含まれている。
ただし SQL については、説明のための事例としては登場するが、文法や単語の意味などが詳しく解説されているわけではない。
感想など
リレーショナルデータベース(以下、RDB)の作りこみに関して、これまでふと思ったことのある数々の疑問に対するほとんどの答えが網羅されていたように思う。
しかも、物理設計の冗長化の部分としてバックアップやRAIDについても解説されている。その辺りからちゃんと書いてくれているなんて、初心者にもとても親切丁寧だと感じた。
また、RDBのバッドノウハウなども書かれている。こういうことは普通の教本には書いてなさそうだし、本来なら経験を積んだ者だけが知りうることなのではないか。それも含め、全体的にとても価値ある本だと感じた。
やはり深めに知りたい領域があったら、それに関する良書は1冊は読んでおいた方がよいなと、今回改めて実感できた。
と色々と評したが、私はシステム開発畑の人間ではない。
私のRDB作りの経験といえば、MS Access での簡単なツール作成や、MS Excel をそれっぽく使ってみたり、あと最近流行り?のノンプログラミングWebデータベースでシステムもどきを作成する程度のものだった。SQL のコーディングについては、研修レベルで軽くやったのみ。
そんな非開発系かつ SQL 使いではない私でも、GUI上でRDBのことを考えれば考えるほど、RDBに関する疑問や仮説は次々と湧いてきたものだった。
でも、この本はそういう人にもぴったりなのかも。というのも、この本には SQL に関することはあまり書かれていない。説明されたことをSQLで表現するにはどうすればよいかのサンプルコードがあるくらい。なので、非 SQL 使いこそ、この本を使うことでRDBの考え方を一から効率的かつ網羅的に学べるかもしれない。
さらには、Excel でシンプルな表をよく作るだけという人も、「第3章 論理設計と正規化」あたりを読むとよいのかも。人間が認識するためだけの、紙にペンで書く場合と同じような単なる表ではなく、データとして効率的に扱えるテーブルとは何かということが、そのあたりを読むと分かると思う。そうすれば、入力したデータをより良く生かすことにつながるのではないか。
著者の語り口にも親しみが持てる。
読んでいて色々なことが納得できたため、より良いRDBを設計したいという意欲が湧いてきた。
タグ:RDB
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posted by myreading at 23:53| 実用・教育 --- 学習参考書