厚生労働省の対応がバカすぎるからだ。
もはや加藤厚労相の会見なんてバカがしゃべってると誰も聞かなくなった。
本当に無視するとアホみたいな自粛もなくなるのだ。
だが、時既に遅し。
もはや誰も政府の言うことは信用しない。
仮のCDCでも立ち上げて、権限を与えて仕切り直すしかない。
そんな判断をできる人間は霞が関には皆無だ。
アゴラより、
自粛パニックで「新型コロナ不況」がやってくる
2020年02月22日 18:30
池田 信夫
アゴラ研究所所長(学術博士)
http://agora-web.jp/archives/2044440.html
新型コロナウイルスの感染者はきのう100人を超えたが、クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」を除くと、国内で陽性になった人数は1日10〜20人で、激増しているわけではない。激増しているのは、集会やイベントなどの自粛による2次災害である。
コンサートや会議が中止になり、レストランやホテルがキャンセルされ、就活の面接まで中止された。加藤厚労相は「政府として一律の自粛要請はしない」といいながら「主催者に開催の必要性を改めて検討していただきたい」と実質的に自粛を求めた。
日本経済新聞の報じたKDDIの調査によると、2月の休祝日に街を訪れた人数は前年より大阪・梅田が15%減、京都が14%減、東京が6%減、横浜が10%減となった。特に中国人観光客の多い関西で被害が大きい。
日本経済新聞より
新型コロナは最大の感染症リスクではない。国立感染症研究所によると、今週発生したインフルエンザ患者は24万3000人。累計100人の新型コロナのリスクはその数万分の一だが、マスコミは被害を1人1人報道するので、人々は最大のリスクだと錯覚する。「みんな中止しているのにウチだけやるわけにはいかない」という横並びでイベントが中止され、それが連鎖反応を生む。
これは原発事故や金融危機などのブラックスワンに共通のパターンである。その原因は、こういう未知のテールリスク(確率がきわめて小さく被害の大きいリスク)については客観的なリスク評価ができないためだ。
インフルエンザのような日常的なリスクは、
リスク=ハザード(1回の被害の大きさ)×確率
という期待値で管理できるが、未知の現象に直面すると、人々は確率を無視してハザードを見て行動する。その典型が原発事故である。「原発事故は万が一起こったら大変だ」というハザードだけを見て、大事故が歴史上3回しか起こったことがないという確率分布は無視する。
金融危機も同じだ。2008年の「リーマンショック」のきっかけは、アメリカのサブプライムローンの不良債権というローカルな問題だったが、アメリカ財務省がリーマンブラザーズを破綻させるという予想外の事件で、世界中の仕組み債にデフォルトの疑いが発生した。
実際にはほとんどの債券は安全だったが、投資銀行は「万が一デフォルトになると巨額の損失が発生する」と考えて不動産債券を一挙に売却し、その売りが売りを呼んで債券価格が暴落した。
これを金融感染(financial contagion)と呼ぶが、今回の騒動に似ている。集会やイベントで新型コロナ患者と出会う確率はゼロに近いが、企業は「万が一感染したら大変だ」と考えて自粛し、それが他の企業の自粛を呼んでパニックに発展した。
こういうとき騒ぎを大きくする原因は、未知の現象だという恐怖である。今回の騒動で驚いたのは「インフルエンザには特効薬があるが新型コロナは未知だから恐い」という反応が多いことだ。ウイルス性の感染症に特効薬なんかない。インフルエンザも毎年ちがうので、薬がきくとは限らない。だから昨シーズンは3000人以上死んだのだ。
この意味で新型肺炎は特に凶悪な感染症ではないが、人々は確率のわからない現象については最悪の事態を想定して「ゼロリスク」を求め、その防護コストを考えない。こうしたパニックは指数関数的に拡大するので、あっという間に経済は崩壊する。
これはリーマン危機で誰もが経験したことだ。今回のサービス業の自粛は金融ほど壊滅的にはならないだろうが、横並び意識の強い日本人には、自粛が自粛を呼ぶ「乗数効果」が大きいので、予想以上に破壊的な結果をもたらすだろう。
多くのブラックスワンでも、コアの危機は大した問題ではない。サブプライムローンも福島第一原発事故も、実際の被害はそれほど大きくなかったが、危機が拡大するかどうかはそれとは関係なく、人々がリスクの確率分布を知らないことが致命的だった。
新型肺炎も感染症としては大した問題ではないが、この自粛パニックは大きな経済危機に発展するおそれが強い。昨年の第4四半期のGDP速報値では、成長率はマイナス1.6%(年率マイナス6.3%)と大幅なマイナスになったが、この調子では今年の第1四半期はさらに大幅なマイナスになるだろう。
こういうとき大事なのは、政府が新型肺炎の状況を詳細にわかりやすく公開し、客観的リスクを明らかにして過剰反応を止めることだ。「安全」を無視して「安心」を求める情報弱者に迎合してはいけない。それが金融危機と原発事故と感染症に共通の教訓である。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image