2009年02月15日
カウラの突撃ラッパ
「カウラの突撃ラッパ―零戦パイロットはなぜ死んだか―」(中野不二男著)、久々に面白い本を読みました。
太平洋戦争中、オーストラリアのカウラ捕虜収容所で起きた日本兵の暴動事件を取材したものです。
この事件はテレビドラマにもなったそうなので、ご覧になった方もいるでしょう。
筆者はふとしたきっかけでカウラ事件のことを知りますが、暴動のリーダー格とされた零戦パイロットは本当は死ぬ気がなかったのではないか?という疑問を持ちます。
その理由は、零戦が被弾した後自爆せず、不時着して捕虜になったこと、収容所内での生活態度などからです。
筆者はそこで零戦が被弾した場所から不時着した場所まで実際に飛行したり、捕虜だった人や、収容所側の人間にインタービューを行いながら証拠を集めていきます。
この事件は「”生きて虜囚の辱めを受けず(戦陣訓)”」という思想に従った、大勢の日本兵の暴動だと考えられていましたが、実はごく一部の人間の突発的な扇動がきっかけであり、穏健派と呼ばれる大多数の人間は暴動を望んでいなかったのが真相であると筆者は述べています。(後日リーダー格の零戦パイロットには婚約者がいたことがわかる)
私は扇動した人、イヤだったけどそれについていかざるを得なかった人についてどうこういう気はありませんし、その時の雰囲気では私もそうしていただろうなあと思います。
むしろ、筆者は捕虜の人たちを、映画やドラマで見るような愛国心むき出しの日本兵ではなく、どこにでもいる普通の日本人として捉えています。そこに何か共感がもてました。
太平洋戦争中、オーストラリアのカウラ捕虜収容所で起きた日本兵の暴動事件を取材したものです。
この事件はテレビドラマにもなったそうなので、ご覧になった方もいるでしょう。
筆者はふとしたきっかけでカウラ事件のことを知りますが、暴動のリーダー格とされた零戦パイロットは本当は死ぬ気がなかったのではないか?という疑問を持ちます。
その理由は、零戦が被弾した後自爆せず、不時着して捕虜になったこと、収容所内での生活態度などからです。
筆者はそこで零戦が被弾した場所から不時着した場所まで実際に飛行したり、捕虜だった人や、収容所側の人間にインタービューを行いながら証拠を集めていきます。
この事件は「”生きて虜囚の辱めを受けず(戦陣訓)”」という思想に従った、大勢の日本兵の暴動だと考えられていましたが、実はごく一部の人間の突発的な扇動がきっかけであり、穏健派と呼ばれる大多数の人間は暴動を望んでいなかったのが真相であると筆者は述べています。(後日リーダー格の零戦パイロットには婚約者がいたことがわかる)
私は扇動した人、イヤだったけどそれについていかざるを得なかった人についてどうこういう気はありませんし、その時の雰囲気では私もそうしていただろうなあと思います。
むしろ、筆者は捕虜の人たちを、映画やドラマで見るような愛国心むき出しの日本兵ではなく、どこにでもいる普通の日本人として捉えています。そこに何か共感がもてました。
この事件だけが特殊な例ではないと思います。連合赤軍による集団リンチ殺人事件も、オウム真理教による無差別テロも、おそらくこれと似たような状況だったかもしれません。この本を読んだ後、カウラの捕虜だけでなく、今の日本人にも同じ心情はあるのではないか、そんな印象を持ちました。
私も以前縁あって戦争中長崎の造船所で働いていた方の話を伺ったことがあります。
(その時の話)
事実は小説よりも奇なりといいますか、こういう貴重な話を聞く機会があったことはすごく勉強になりました。
中野不二男氏は本書以外にも「レーザーメス ―神の指先―」など優れたノンフィクションを書いています。(レーザーメスの話はプロジェクトXにも取り上げられました)
ここであげた2冊は書店で手に入りにくいようですすが、図書館などにありましたらご一読をおすすめします。
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