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血の流れはおぞましや

という訳で二本目はゼア・ウィル・ビー・ブラッド






監督は前のエントリーのマグノリアでも紹介した。ポール・トーマス・アンダーソン

今回はね。もう映像から監督の情念が伝わるくらいの意欲作品だったよ。

多分にもれず長かったけど(3時間近い)

今回のエントリはかなりネタバレ的になるから見る人は気をつけてください。

この作品はアメリカ開拓時代に置ける、石油を掘り当てた男の話。

その男はある場所で石油を掘り当てるんだ。そして、彼はいつの間にか大実業家になる。

舞台の中心はある田舎町。土地がやせていて、小麦が取れない場所だね。

そこにいる農家の息子から石油があることを教えられるんだ。

物語の中心人物は4人、主人公、主人公が石油を掘っている間に死んだ仲間の息子(子供をぬすんじゃったんだ)、そして田舎町のカルト宗教の教祖、主人公の弟だという者。

この物語は血がテーマになっている家族の血、どろどろとした血のイメージを持つ石油、血の繋がっていない二人の血、宗教に置ける神の血

そして、主人公が生涯を掛けて、この血の呪縛から解かれる話でもある。

彼はお金を中心に考えてしまう人間だ。だから、多くの者を利用するし、犠牲にもするでも血の呪縛から逃れられない。

人の子を盗んで育てたのも子供を利用して、油田を掘り出す際に必要な地域住民の同情を買う為だった。

でも、人間だから情が湧いてしまうんだ。油田の事故で彼の義理の息子(H・Wって名前ね)は耳が聞こえなくなってしまう。彼は2度息子を捨てるんだ。
一度は耳が完治しないと分かった時、2度目はその息子が成長して自分と同じ商売をした時。
どちらも彼にとっては苦しいことだった。でも、彼は石油という血が最大の絆だったんだ。
息子も彼のそういう部分も知りながらも情を持っていたけどね。
途中で彼の弟だという人間が現れる。そいつも血のつながりという呪縛から一緒に仕事をするようになるんだ(彼が相棒になったから、H・Wを捨てたんだ)
でも、そいつは偽者で主人公が殺す事になる。(だからH・Wを自分の下に戻した)
油田があると情報を教えた農家の息子の弟は自分を教祖としているカルト宗教の親分だ。
彼は事あるごとに主人公を宗教に入れようとする。初めは主人公は拒否していたし、逆に利用していた。
でも、中盤で息子を捨ててしまって、偽者の弟にもだまされた時に一旦心を許してしまうんだ。
そして、みんなの前で息子を捨ててしまった事を懺悔する代わりにその宗教に形だけ、入信してしまうんだ。
時はすぎて、その教祖は違う町に不況をしに行くと旅立つ。
主人公は長い間、神の血の呪縛からは逃れられなかった。

でも最後、息子と本当に縁を切った後に教祖はやってきた。時代はアメリカの大恐慌時代。その教祖は投資に失敗して、お金を得るために主人公をゆすろうとしたんだ。
もちろん主人公はお金に関しては目ざとい。教祖の考えなんて、とっくにつぶされているんだね。

怒りで我を忘れた主人公はそいつを殺してしまうんだ。(でも実は兄と弟は双子だって事が示唆されていたり)

その後呆然と主人公が死体の横で座っているところに秘書がきて「旦那様?」とたずねる。
そして、主人公の一言(内容は見てのお楽しみ)そこで映画は終わりだ。
この終わったにはいろいろな意味があって面白い。
彼は家族、血の繋がらない息子、神、そして、最後まで持っていた地位・金=石油までの繋がりを断ってしまうんだ。
彼が本当に解放されたからこそ言えてしまう一言は圧巻だよ。


クラッシックの音楽と圧倒的な映像美、監督の情念すら感じる演出、鬼気迫る役者の演技が絡みあった作品だ。是非見てほしい。

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