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2019年01月13日

十把一絡げズ 第38回 「古事記」

038古事記.jpg

こんにちは、酒保です。
今回は古事記についてやっていきたいと思います。

古事記は日本最古の歴史書です。
これまで様々な出来事について紹介してきましたが、ここに至るまでに歴史書はなかった、あるいは存在が見つかっていない状況です。

そもそも、古事記は太安万侶という人が、稗田阿礼の誦習(しょうしゅう)していた天皇の系譜と古い伝承を編纂する形で作られました。命じたのは元明天皇です。
誦習というのは、「書物を繰り返し口に出して読むこと」。何度も音読することととらえてよいと思います。この当時、文字はすべて漢文で書かれ、識字率も高くないと思われるので、編纂にあたって昔の記録を読める人が必要だったのかもしれません。

そうして完成した古事記は、神話と代々の天皇の話が書かれています。
みなさんも、「天照大神(アマテラスオオミカミ)」や「須佐之男命(スサノオノミコト)」などの名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
これらは古事記に書かれている神話に登場する神々です。

また、その神話からつながる形で天皇がどのようにして日本の統治者になったか、ということも書かれています。
この古事記は日本統治の正統性を示すうえで、重要な書物ですので、戦前の日本ではしっかり教えていたところです。

日本、あるいは天皇家の歴史はとても古いものです。
それこそ日本に文字がなかった時代から続いています。そのため、天皇家がなぜ日本を治めることとなったのかは語り継がれた昔話の中から読み解くしかありません。
現在は様々な形で古事記の現代語訳を読むことができますが、学校ではほとんど触れないのが実情でしょう。

だからこそ、私は多くの人に日本の始まりの物語を読み、知ってもらいたいと考えています。


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2019年01月10日

十把一絡げズ 第37回 「聖武天皇」

037聖武天皇.jpg

こんにちは、酒保です。
今回は「聖武天皇」がテーマです。

漫画にもある通り、聖武天皇の時代には伝染病の流行や飢饉の発生で人々は苦しんでいました。
そして、そのようなときは天皇に原因がある、と考えられていました。
普通に考えれば、天災が起こった原因を天皇に求めることは筋違いなのですが、昔はそのように考えられていたのですね。

そのような考えから、多くの災害が起こる原因は自分にあると考えた聖武天皇は鎮護国家思想にはまっていきました。
要は仏教の力で国家を守ろう、という考え方です。
そして、その一環として、奈良の大仏を作ることとなりました。この奈良の大仏の開眼式(大仏に目を書くこと)では、目を描く筆に多くのひもを括り付け、みんながそのひもを握ることで、その場にいた人全員が大仏と縁を結ぶようにしたそうです。
そして、聖武天皇はそのひもを生涯大切にし続けたということで、どれだけ大仏が心の支えになっていたかが想像されます。

さて、ここで聖武天皇についてのポイントなのですが、テストで大仏を作った経緯を聞かれた場合、「仏教を広めるため」という回答が多く寄せられます。しかし、この回答では単なる布教と取られ、バツ1となる可能性があります。気を付けましょう。

このほか、聖武天皇の死後、その遺品が東大寺に作られた正倉院に納められました。その中にあるものの中には、シルクロードを通ってやってきたギリシアの水差しなどもあり、それらから天平文化の様子がうかがい知れます。そういったことから、天平文化は聖武天皇を中心に発展した文化だと、私は思います。



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十把一絡げズ 第36回 「天平文化」

036天平文化.jpg

こんにちは、酒保です。
今回は天平文化です。

唐の文化が伝わると、都の貴族を中心に、その影響を強く受けた文化が栄えました。
さらに、シルクロードを通って伝わった、インドや西アジアなどの文化の影響も見られます。
遣唐使が持ち帰った様々な文化により、そのような国際色豊かな文化になったのがこの天平文化です。

ちなみに天平という名は、聖武天皇のころの元号からつけられています。
以前の大化に加えて、これも元号をもとにした名づけということですね。今後も、元号をもとにした語句は何度も出てきます。
普段はあまり元号を気にすることはありませんが、今年で平成が終わる、と意識すると過去の元号も気にかかるものです。文化や戦い、改革、天災等、意外と多くの出来事に元号の名が使われていますので、興味があれば調べてみるのもよいと思います。

さて、天平文化では、「古事記」「日本書紀」「風土記」といった政府の作成した書物が多く残されています。このころは、ひらがなやカタカナがなかったので、すべて漢語で書かれていますが、日本の書物が刊行され始めた、と考えるとだいぶ日本の文化も成熟してきたと感じます。
奈良の大仏などの話は明日の聖武天皇の解説に譲りますが、国際的な文化であることだけでなく、日本で作られたものにも目を向けながら、天平文化を理解してもらえればと思います。





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2019年01月09日

十把一絡げズ 第35回 「鑑真・行基」

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こんにちは、酒保です。
第35回の今回は鑑真と行基です。

鑑真は何度も日本への渡航に失敗し、失明をしながらも日本へ最新式の仏教を伝えた僧です。
彼は遣唐使として唐に派遣された普照と栄叡が説得し、つれてきました。
もともと、当時の航海技術では日本への渡航は命がけです。彼の弟子は、鑑真が渡航しようとすると役人に密告することで、鑑真が日本へ行けないように妨害していました。
そのような艱難辛苦を乗り越えて日本にたどり着いた鑑真が伝えた仏教は、さらに厳しい戒律となりました。
しかし、そうやって日本の仏教は発展していき、のちの最澄・空海へとつながっていくのですね。



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2019年01月05日

十把一絡げズ 第34回 「遣唐使」 

034遣唐使.jpg

こんにちは、酒保です。
今回は遣唐使についてやっていきましょう。

遣唐使は聖徳太子が始めた遣隋使の流れをくむ取り組みです。
内容も同じように、中国の進んだ文化や制度を学ぶことを目的としています。
この時期の中国は日本よりはるかに高度な文化・制度を持っていたため、それを学ぶことで日本をよくしていこうという考えでした。

しかし、この取り組みは唐の衰退を以て終わりを告げることとなります。
平安時代に入り、菅原道真が遣唐使制度を廃止するのです。
理由はいろいろあるようですが、時代が平安になり、日本の文化・制度も成熟してくると危険を冒してまで唐に人材を派遣する必要がなくなった、というのが最も大きな理由のようです。

実際、この後の日本は、これまで学んできたものを日本流に改変させ、独自に発展させていきます。
遣唐使を廃止したことは、これまでずっと続いてきた中国の後追いをやめたことに大きく影響を与えているのです。



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2019年01月04日

十把一絡げズ 第33回 「平城京」

033平城京.jpg

こんにちは、酒保です。
今回は平城京について、のんべんだらりと語っていきましょう。

平城京は710年に遷都された都です。
なんと大きな平城京」「納豆まぜまぜ平城京」などの語呂合わせで年号を覚える人も多いのではないでしょうか。
しかし、年号はあくまで覚える補助程度で、ぜひ様々な語句のつながりで覚えてもらいたいものです。

例えば、平城京への遷都をもって、飛鳥時代は終わり、奈良時代に突入します。
そして、平城京では、「和同開珎」と呼ばれる̠貨幣が使われ、東西の市がにぎわいました。

平城京といえば、その道の通り方も特徴的です。
条坊制と呼ばれる道の通り方で、その最も目を引く特徴は、縦横直角に交わった道路です。
教科書などでは、「碁盤の目」と表現されています。
皆さんは「碁盤」とは何か、知っていますか?下の広告にあるように、囲碁をやるときに使う盤のことです。

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教科書で出てくる言葉ですが、ほとんどの生徒がぴんと来ない表現のようです。
囲碁自体、やっている生徒は少ないですから仕方がないですね。将棋盤やオセロ盤をだして説明したほうが通りがよいくらいですね。

教科書はとてもよくできていて、大人が読むとわかりやすい、あるいは社会の先生が読むとわかりやすい文章になっています。
しかし、中学生が読んでわかりやすいかは、実はまた別問題です。

教科書を読んでいて、よくわからない言葉や表現が出てきたら、ぜひその言葉について調べてみてください。
社会の勉強なるだけではなく、様々な新しい言葉を知る機会にもなると思います。
語彙が広いことは頭をよく見せる有力な手段です。かっこよく見えるので、頑張ってみてください。





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2019年01月03日

十把一絡げズ 第32回 「奈良時代」

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こんにちは、酒保です。
新年あけましておめでとうございます。第32回の今回は、「奈良時代」をテーマにやっていきたいと思います。

奈良時代直前に大宝律令制定によって国の形が定まり、この後の平安時代まで、天皇を中心とする貴族の政治がしばらく続きます。
また、それに加えて藤原氏が力を持っていく時代でもあり、租税制度が確立されていった時代でもあり、公地公民が崩れて私有地が認められた時代でもあり、さらに日本最古の歴史書「古事記」や日本最古の公式の歴史書「日本書紀」などがつくられた時代でもあります。

奈良時代は710年(平城京遷都)から794年(平安京遷都)の84年間を指します。
この短い間に、様々なことが起こっています。各時代、様々な出来事が起こっていますが、奈良時代はなかなか密度の高い時代だったと思います。

そのため、中学生の教科書を見ても、覚えることがたくさんある時代となっています。大変かと思いますが、頑張ってノートにまとめていきましょう。



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2018年12月18日

十把一絡げズ 第31回 「大宝律令2」

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こんにちは、酒保です。
今回は大宝律令の第2回です。
1Pに収まりきらなかったものは、今後も2本立てにしていくかもしれません。
さて、前回は大宝律令の重要性をテーマにしたので、今回は内容をテーマにしましょう。

大宝律令に書かれた政治制度では、中央に天皇のもとで政治の方針を決める太政大臣政治の様々な実務を分担する八省などの役所がおかれました。
地方は国・郡に分けられ、それぞれ国司・郡司と呼ばれる役人が納めました。
国司には中央の貴族を任命し、都から派遣されました郡司は地方の貴族が任命され、国司の監督のもとで民衆を支配しました。

大宝律令は唐の制度にならって作られています。
しかし、その内容は日本の実情に合うように変えられています。
例えば、祭りを行う神祇官をほかの役所から切り離して、独立させたこともその1つです。
日本では、飛鳥文化しかり、大宝律令しかり、のちの国風文化しかり、外国から良いものを取り入れて、そのよいものを日本の実情に合わせて変化させていくことが行われています。
古事記に載っている神話の時代より、よその文化や神話を受け入れ、実情に合わせて変化をさせることを日本人は行ってきました。八百万といわれるほど神様がいることも、そういったなごりなのではないでしょうか。

律令をつくったこと、律令国家として今後しばらくの日本が発展することを、中国のパクリと思う人もいます。
しかし、よいものをよいものとして取り入れていく姿勢は、いつの時代でも必要なのではないでしょうか。
経済発展を果たして、周りの国に文化や技術を伝える側に立った現代日本ですが、まだまだ、海外の良い文化・技術を学ぶという態度は持ち続けていたいものです。




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2018年12月17日

十把一絡げズ 第30回 「大宝律令1」

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こんにちは、酒保です。
第30回の今回は、大宝律令です。

大宝律令は日本で初めて律(刑罰の決まり)と令(政治の決まり)の両方を備えて作られた法です。
天武天皇は天智天皇の意思を継ぎ、天皇中心、中央集権の国家を目ざしていました。
そのあとを継いだ、天武天皇の孫である文武天皇の時代に完成しました。

初めて日本という国号が使われたのが大宝律令である、という説があり、「明神御宇日本天皇(あきつかみとあめのしたしらすやまとのすめらみこと)」と書かれているそうです。

しかし、残念なことに大宝律令の原本は存在していないようです。
現在おおむね大宝律令を継承している養老律令をもとにして、大宝律令の復元が行われているようです。
日本で古い令(政治の決まり)は近江令(おうみりょう)や飛鳥浄御原(あすかきよみはらりょう)がありますが、律と令がそろって成立した本格的な律令は大宝律令が最初です。
そのような重要な律令法なので、復元はぜひとも成功してほしいものですね。



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2018年12月16日

十把一絡げズ 第29回 「壬申の乱」

029壬申の乱.jpg

こんにちは、酒保です。
今回は壬申の乱です。

壬申の乱は、中大兄皇子こと「天智天皇」が崩御された後、皇位をめぐって起こった争いです。
日本書紀によれば、天智天皇はもともと弟の大海人皇子を次の天皇として皇太子に指名していたが、のちに息子の大友皇子を太政大臣に指名して、こちらを後継者にする動きもできてたそうです。
それにより、大海人皇子は一旦大友皇子を推薦し、出家しました。つまりはお坊さんになったというわけです。

しかし、天智天皇が崩御されると、大海人皇子は挙兵して、京へと向かいました。
細かい戦争記録は省きますが、その戦いにより、大友皇子は自害。
大海人皇子は天武天皇として、天皇の座につきました。

日本の歴史において、後継者争いは、教科書に載っているだけで2回あります。
この壬申の乱と室町時代の応仁の乱です。
どちらも、弟と息子が争ったものです。今回のテーマでもある壬申の乱は天皇の座を弟と息子が争って弟が勝ちました。応仁の乱では室町将軍の座を弟と息子が争って息子が勝ちます。

とはいえ、中学社会の領域では「皇位をかけた跡継ぎ争い」であることと「天武天皇が勝って皇位についた」ということ以外は覚える必要はありません。
それ以上は趣味で覚えればよいことなので、興味を持ったらぜひ詳しく調べてみてください。



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