2020年04月25日
ウチの所有する山の祠
先日婆ちゃんが体調を崩して入院したんだ。
親は共働きなので付き添いのため急遽自分が帰省したんだが、
ボケが急激に進行して幼児のようになった姿はショックで見てられんかった。
久々に帰った実家は家中ほこりだらけ…
掃除や仏壇・神棚に手を合わすのはもっぱら婆ちゃんだけだったので、足腰弱ってからは放りっぱなしになっていたようだ。
自分が居れるうちにと思い立ち、家中拭いたり掃いたり、数年ぶりだろう御供え物をして手を合わせたある日。
その晩、おかんが突然寝ている俺のところにやってきて世間話を始めたかと思うと、
「そういえばおばあちゃん、ボケる前に山の祠をおまつりせんと言うてしきりに気にしとったわー」
…この家で生まれ育ったが、そんな祠があることは初耳。
詳しく聞くと、なんでもウチの所有する山の奥に小さな祠?のようなものがあって、15年以上前に死んだ祖父の代で祭祀はしてないとのこと。
俺の掃除に気付いてもおらず神仏に全く興味の無いおかんが、なぜ突然そんな話をしたのか訝しみつつ就寝。
が、それだけでは終わらなかった。
明け方。
寝静まって誰もいるはずもない階下の仏間から、
チーンンン…チーンンン…と言う音ともに、掃除の際どこを探しても無かった線香の匂い。
空耳…?と思ってたら突如腰に衝撃、今まで感じたことの無い激痛。まじかよ!
そのとき脳裏を掠めたのは、そういやうちの人間いつから墓参りしてねーのかということ。
朝になって場所のわからん山の祠のあるとおぼしき方角(勝手にきめた)に米と水と酒を置いて手を合わせ、
老人のような格好で棒を杖がわりに痛む腰を引きずって墓参りをしたところ、
その場でいきなりおさまる腰痛。ありえねえ。
さらにありえないことに、次の日病院の婆ちゃんの意識レベルが嘘のようにはっきり。なんだこれ。
…とにかくその後婆ちゃんはスピード退院し、お役御免になった俺は実家から急いで逃げ帰ってきた。
祟りにしろご加護にしろ、しばらく実家には近づきたくない俺ガイル。
<感想>
逃げても最終的にはあとを継ぐことになりそう。
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posted by kowaidouga at 09:05| 超怖い話(山・森・田舎編)