2020年04月22日
松茸山
今ならオッケーっぽいんで、長野県の人から聞いた話を書きます。
実話だとは思いますが、確かめたわけではありません。
前に書き込んでいたコテの人みたいな上手い文章は書けませんが、その点はご容赦ください。
4年前に、ある村のAさんが松茸山の権利を買いました。
権利を買うと、その山で松茸が採り放題になります。
採ったマツタケは、自分で食べても売っても良いわけですが、
他人に採られてしまっては元も子もないので、権利を買った人は大抵、周囲にロープを張り巡らせ看板や張り紙で警告します。
それでも高価な松茸のことですから、警告を無視して盗みにくる人もいるので、シーズン中は警備の人が巡回しています。
Aさんも荒っぽい男を数人雇って警備に当たらせていました。
しばらくして、Aさんのところへ荒くれ男たちが揃って顔を出し、
「仕事を辞めさせてくれ」と言い出しました。
Aさんは「条件を良くするから」と引き止めましたが、男たちは「もう辞めさせてくれ」の一点張りです。
なぜ急に辞めると言い出したのか?
Aさんが理由を問うと、最初は口ごもっていた男たちもやがて重い口を開いて、次のような事情を話しはじめました。夜中、男たちが懐中電灯を片手に二人一組で見回りをしていると、
林の中からカサカサ・・・という足音が聞こえてきました。
「盗人か!?」と慌てて音の聞こえる場所へ行くと、
真っ暗な木立の間を、人の足だけが数本歩き回っていました。
ふくらはぎから上は透けていて、膝のあたりで完全に消えているのに、
実体があるかのように、カサカサと足音は聞こえてくるのです。
さすがの荒くれ男たちも、待機所へ転げるように逃げ帰りました。
そんなことが何度かあり、すっかり怯えてしまった男たちは、
揃ってAさんのところへ「辞めさせてくれ」と頭を下げに来たそうです。
そんなこんなで、誰も夜の見回りをしなくなったので、Aさんは自分自身で見回りに行ったのですが、
話の通り、カサカサ・・・という足音が聞こえてきたので、
慌てて逃げ帰ってしまい、それ以来、夜は山に近づこうとしませんでした。
それでも、その年は松茸を盗まれるようなことはなかったそうです。
<感想>
無償警備員ゲットと喜ぶべきか。
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posted by kowaidouga at 09:05| 超怖い話(山・森・田舎編)