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2018年05月06日

地震の巻 第4帖

同気同類の霊人は、同一の情態で、同じ所に和し、弥栄え、然らざるものは、その内蔵するものの度合いに正比例して遠ざかる。同類は相寄り、相集まり、睦び栄ゆ。生前の世界は、地上人の世界の原因であり、主体であるが、また死後の世界に通ずる。同気同一線上にいる霊人たちは、かって一度も会せず語らざるも、百年の友であり、兄弟姉妹であるごとくに、お互いに、そのすべてを知ることができる。生前の世界における、かかる霊人が肉体人として生まれ出でた場合の多くは、同一の思想系を持つ。ただし、地上人としては、時間と空間に制限されるが故に相会し、相語られざる場合も生じてくる。また、生前の生活と同様のことを繰り返すこともある。霊人の同一線上にある場合は、その根本的要貌(容貌)は非常に似ているが、部分的には相違し、同一のものは一としてない。そこに、存在の意義があり、真実の道が弥栄え、愛を生じ、真が湧き出てくるのである。生前の霊人の場合は、自分自身の持つ内の情動はそのままに、その霊体の中心をなす顔面に集約され、単的に現われていて、いささかも反する顔面を持つことは許されない。一時的に満たすことはできても、長くは続かない。この情態の原理は、地上人にも、反影している。生前の世界は、以上のごとくであるから、同一状態にある霊人が多ければ、その団体の大きく、少なければ、その集団は小さい。数百万霊人の集団もあれば、数百、数十名で一つの社会をつくる団体もある。各々の団体の中には、またとくに相似た情動の霊人の数人によって、一つの家族的小集団が自らにして出来上がっている。そしてまた、各々の集団の中心には、その集団の中にて最も神に近い霊人が座を占め、その周囲に幾重(いくえ)にも、内分の神に近い霊人の順に座を取り囲み運営されている。もしそこに、一人の場所、位置、順序の間違いがあっても、その集団は呼吸しない。而して、それは一定の戒律によって定められたものではなく、惟神(かんながら)の流れ、すなわち歓喜によって自ら定まっているのである。またこれら集団と集団との交流は、地上人のごとく自由ではない。すべてはΘの✓を中心としてΘの姿を形成しているのである。✓とΘとを、生前の世界において分離することは極めて至難ではあるが、ある段階に進む時は一時的に分離が生ずる。しかし、この場合も✓は✓でありΘはΘである。これが地上世界の行為に移りたる場合は、不自由不透明な物質の約束があるため、その分離、乱用の度がさらに加わって、真偽混乱に及ぶものである。悪人が善を語り、善をなし、真を説くことが可能となるがごとく写し出されるのである。生前界では、悪を意志して悪を行なうことは、御用の悪として自ら許されている。許されているから存在し行為し現われているのである。この場合の悪は、悪にあらずしてΘのΘであることを知らねばならない。即ち、道を乱すが故である。地上人の悪人にも善人にも、それは強く移写される。愛は真により、真は愛より向上し、弥栄する。その根底力をなすは歓喜である。故に、歓喜なき所に真実の愛はない。歓喜の愛は、これを愛の善という。歓喜なき愛を、愛の悪というのである。その歓喜の中に、また歓喜があり、真があり、真の真と顕われ、Θとなり、✓と集約され、その集約の✓の中にΘを生じ、さらになお✓と弥栄ゆる。生前の世界、死後の世界を通じて、一貫せる大神の大歓喜の流れ行く姿がそれである。大神は常に流れ行きて、一定不変ではない。千変万化、常に弥栄する姿であり、大歓喜である。完成より大完成へ向かい進む大歓喜の呼吸である。されど、地上人においては、地上的物質に制限され、物質の約束に従わねばならぬ。そこに時間を生じ、距離を生じ、これを破ることはできない。故に同時に、善と悪との両面に通じ、両面に生活することとなるのである。そこに、地上人としての尊きかなしさが生じてくる。霊人においては、善悪の両面に住することは、原則として許されない。一時的には仮面をかむり得るが、それは長く続かず、自分自身絶え得ぬこととなる。地上人といえども、本質的には善悪両面に呼吸することは許されていない。しかし、悪を抱き参らせて、悪を御用の悪として育て給わんがために課せられたる地上人の光栄ある大使命なることを自覚しなければならない。悪と偽に、同時に入ることは、一応の必要悪、必要偽として許される。何故ならば、それがあるために弥栄し、進展するからである。悪を殺すことは、善をも殺し、神を殺し、歓喜を殺し、すべてを殺す結果となるからである。霊物のみにて神は歓喜せず、物質あり、物質と霊物との調和ありて、初めて力し、歓喜し、弥栄するからである。霊は絶えず物を求め、物は絶えず霊を求めて止まぬ。生長、呼吸、弥栄は、そこに歓喜となり、神と現われ給うのである。霊人も子を生むが、その子は歓喜である。歓喜を生むのである。


posted by mydears at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 地震の巻
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