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2019年10月01日

ジャンク級のオシアカルカッタ200HGをDIY分解メンテナンス【画像大量】

カヤックフィッシングでのショットガン釣法や泳がせ釣りといった自分の釣りに最適なリールとして愛用しているオシアカルカッタ200HG

既に2機保有しているのだけれど、子供との釣りに行く際、もう一つ欲しいので、探していたところ、格安の中古品を発見。

000オシアカルカッタ200HG分解1.jpg


001オシアカルカッタ200HG分解.jpg


商品説明では部品取りか、自分でメンテナンスできる人用となっていて、ほぼジャンク品の扱い。

そのお陰でオシアカルカッタ200HGの中古相場は1万5000円程度〜、だけれど10000円ほどというお手頃設定。

幸い、自分が今までメンテナンスせず放置した結果経験したことのあるクラッチ固着、使用不可なほどの回転困難状態よりはましな状況のようだし、分解すれば何とかなるかもしれないし・・・考え様によっては、うまくいけば、自分の分解メンテナンスが5000円相当の価値を持つことになる。

ダメでも部品取りとして使えばいいや、ということでポチっとオーダー。

002オシアカルカッタ200HG分解.jpg


届いたオシアカルカッタ200HG、全体的には思ったより綺麗だけれど、ハンドル側のネジ廻りやレベルワインダー付近に塩の結晶が付着してケースに小さな腐食が発生している。

内部まで塩が入り込んでベアリングが腐蝕、固着していたりしたら面倒だなぁ・・・とちょっと心配になる。

そんなこともあろうかと、前日にシマノのホームページからパーツリストをダウンロードした上で、交換用のベアリングをネット注文しておいたので、仮にそうなっても大丈夫だとは思うものの、錆びて固着、崩壊したベアリングの取り外しは結構大変なので、そうなってないことを願いつつ作業開始。

オシアカルカッタ200HGに使用されているベアリングのサイズ。(リンク先は代替品として当方が使用しているもの)

・スプールドラグ部分 3×10×4(2個)
・スプールドラグ部分 5×9×3(1個)
・ピニオンギア部分 8×12×3.5(1個)


003オシアカルカッタ200HG分解.jpg


オシアカルカッタ200HGパーツリスト.png



リールの分解メンテナンスに必要な道具は以下のとおり。

精密ドライバーセット
・小分けできるケース(SIKIRI42
パーツクリーナー(プラスチックセーフ)
・ピンセット
・ラジオペンチ
・普通サイズのドライバー(+と―)
・自在スパナ
歯間ブラシ
・手袋
・ふき取り用のペーパータオルなど
この中でとても重要なのが小分けできるケース。

写真に写っているものは固定式パーテーションで42区画に区分されているSIKIRI42というもの。

19-09-25-07-40-26-086_deco.jpg


取り外したパーツを外した順番に入れていくことができるので、組み立ての際、順番に悩むことが無くて超便利。

さらに、可動式ではないパーテーションでしっかり区切られているものにすることで、そのままパーツクリーナーでのドブ付け清掃が可能になる。

これはリールの分解メンテナンスをする人には作業効率化のために絶対オススメ。

004オシアカルカッタ200HG分解.jpg


まずはハンドルを固定しているボルトを外す。
005オシアカルカッタ200HG分解.jpg


続いてハンドルを固定しているボルトを外す。

006オシアカルカッタ200HG分解.jpg


これでリテーナーという金具が外れてハンドルは外れる。

007オシアカルカッタ200HG分解.jpg


008オシアカルカッタ200HG分解.jpg


ハンドルの下にあるスタードラグ(レバー)を外す。

009オシアカルカッタ200HG分解.jpg


010オシアカルカッタ200HG分解.jpg


その下にあるスタードラグバネを外す。

011オシアカルカッタ200HG分解.jpg


その下にあるスタードラグ固定ナットを外す。

012オシアカルカッタ200HG分解.jpg


外したものは順番に小分けケースに格納していく。

四角いボルトの下に上の写真にあるスタードラグスペーサーが入っていた。

013オシアカルカッタ200HG分解.jpg


その下にさらにステンレスのメインギヤ座金。このあたりから汚れが本格化してくる。

塩が固着している感じで、回転が重くなる要因と思われる。

014オシアカルカッタ200HG分解.jpg


さらにその下にもステンレスのメインギヤ座金。塩はついてないけれど、グリースが硬化した感じになっている。

015オシアカルカッタ200HG分解.jpg


スプールドラグツマミを外しておく。

016オシアカルカッタ200HG分解.jpg


本体を固定している固定ボルトを外す。

017オシアカルカッタ200HG分解.jpg


もひとつ固定ボルトを外す。

018オシアカルカッタ200HG分解.jpg


外側のマイナスの固定ボルトも2つ外す。

019オシアカルカッタ200HG分解.jpg


このボルト周辺は塩が固着して、本体ケースが若干腐蝕している。

020オシアカルカッタ200HG分解.jpg


021オシアカルカッタ200HG分解.jpg


022オシアカルカッタ200HG分解.jpg


これで本体を分解する準備完了。

023オシアカルカッタ200HG分解.jpg


緊張の瞬間。

本体をカパッと御開帳。

拍子抜けする綺麗さだ!

これはいけるぞ、と喜びの瞬間。

024オシアカルカッタ200HG分解.jpg


とはいえ本体のハンドル側ケース内側は海水によると思われる汚れ腐食が少し目立つ。

025オシアカルカッタ200HG分解.jpg


続いてドライブギアの分解を開始。

まずはスタードラグ板を外す。

026オシアカルカッタ200HG分解.jpg


スタードラグ座金を外す。

027オシアカルカッタ200HG分解.jpg


さらにスタードラグ座金を外す。

028オシアカルカッタ200HG分解.jpg


またまたスタードラグ座金を外す。

029オシアカルカッタ200HG分解.jpg


最後のスタードラグ座金を外す。

030オシアカルカッタ200HG分解.jpg

ここでクラッチヨークバネを外す。

031オシアカルカッタ200HG分解.jpg


もう一つのクラッチヨークバネも外す。

032オシアカルカッタ200HG分解.jpg

本体固定板をスプールと一緒に外す。

033オシアカルカッタ200HG分解.jpg


034オシアカルカッタ200HG分解.jpg

スプールもそのベアリングも至って綺麗な状態。

035オシアカルカッタ200HG分解.jpg

続いてドライブギア軸を本体固定板から外していく。

036オシアカルカッタ200HG分解.jpg


037オシアカルカッタ200HG分解.jpg

Eリングを外す。精密ドライバーのマイナスで外せるけれど、外した拍子に飛んでいかないよう指で押さえておく事が大切。

038オシアカルカッタ200HG分解.jpg

座金を外す。

039オシアカルカッタ200HG分解.jpg

白いドライブギア軸ブッシュを外す。

040オシアカルカッタ200HG分解.jpg

これでメインギア軸が外れる。

041オシアカルカッタ200HG分解.jpg

メインギア軸からストッパーギア、スタートラグ座金、ドライブギアを外す。

042オシアカルカッタ200HG分解.jpg

本体固定板からストッパーツメ組を外す。

043オシアカルカッタ200HG分解.jpg

ピニオンギヤとクラッチヨークを外す。

044オシアカルカッタ200HG分解.jpg

クラッチツメバネを外す。これも飛んでいかないよう注意が必要。

045オシアカルカッタ200HG分解.jpg


046オシアカルカッタ200HG分解.jpg

クラッチカム押さえ板を固定しているボルト2つを外す。

047オシアカルカッタ200HG分解.jpg

クラッチカム押さえ板を外す。

048オシアカルカッタ200HG分解.jpg

クラッチカムを外す。

049オシアカルカッタ200HG分解.jpg

クラッチツメを外す。

050オシアカルカッタ200HG分解.jpg

クラッチプレートを外す。

051オシアカルカッタ200HG分解.jpg

ベアリング(ARB)を外す。

052オシアカルカッタ200HG分解.jpg

本体固定板の分解完了。

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次はこちらも塩による汚れが激しいレベルワインドを分解していく。

054オシアカルカッタ200HG分解.jpg

ウォームシャフト抜け止めを固定しているボルトを外す。

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ものすごい塩で、本体も一部腐食している状態。これは回転にも悪影響があるはず。

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レベルワインド受けをマイナスドライバーで外す。

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この受けの内側にクロスギヤピンがはいっていて、ウォームシャフトに噛んでいる。

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ウォームシャフトをずらす。

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ウォームシャフトの先端にあるEリングを外す。

061オシアカルカッタ200HG分解.jpg

クロスギヤピンを外す。もっと前に外すことも可能。

062オシアカルカッタ200HG分解.jpg

ウォームシャフトが外れた。

063オシアカルカッタ200HG分解.jpg


064オシアカルカッタ200HG分解.jpg


065オシアカルカッタ200HG分解.jpg

レベルワインドガイドを外す。ここもかなりの塩が噛んでいて、少し外しにくかったけれど、ただ引き抜くだけ。

066オシアカルカッタ200HG分解.jpg

これで分解完了。(なお、今回はスプールのベアリング、スタードラグなど、分解しなかった部分もある。)

067オシアカルカッタ200HG分解.jpg

外した部品は外した順にケースに収納。

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あとはパーツクリーナー(プラスチックを痛めないプラスチックセーフ)を使って汚れを落とす。

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ピカピカになった。気持ち良い!

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あとは純正B-100オイルとグリース(シマノのプレミアムグリース)を付けながら組み上げる。

組み上げる際、ピニオンギヤやストッパーの辺りは分解の際と順序が変わる事があるので、写真とパーツリストを参考にしながら元に戻していく。

071オシアカルカッタ200HG分解.jpg

こういう腐食部分はとりあえずグリースを盛っておいた。

072オシアカルカッタ200HG分解.jpg

最後にハンドルニギリ部分も分解。ベアリングはないので、掃除してグリスアップするだけ。

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074オシアカルカッタ200HG分解.jpg

これでジャンク級オシアカルカッタ200HGの分解メンテナンス完了。

ワクワクしながらハンドルを回してみると、シャー音は残っているものの、回転はかなり滑らかに改善。

クラッチレバーの動きは正常になった。

この状態なら15000円だったとして、10000円で購入したので、3時間のメンテナンスが5000円相当の価値を生んだ格好だから、まずまずかな。
この記事へのコメント
アウトバックKENZOさん
普段からのメンテナンス、それが重要ですよね。どうしても水洗いしてほったらかしてしまうので、気がついたらゴリッゴリになって、分解、これの繰り返しです。メーカーでなく専門業者という選択肢も確かにあるんですよね。なぜかそこに気が付かず、分解してました・・・
Posted by 管理人 at 2019年10月08日 10:44
paraisotakaさん
そーですよね、SUP やカヤックフィッシングの過酷な条件ではメンテナンスできると助かりますよね。
今でこそお気軽にやってますが、元々は、メンテナンスを怠り続けて、メーカーに出しても1.5万円とかの法外な修理見積もりが出てしまい、捨てるか分解してみるか、という状況で已む無く始めた感じです。
Posted by 管理人 at 2019年10月08日 10:40
リールメンテできてしまうなんて素晴らしいです!!
特にシーカヤックやSUPフィッシャーにこのスキルがあれば向かうところ敵なしですよね。
Posted by paraisotaka at 2019年10月08日 10:18
すごい!俺のベイトリール、ちょっとゴリ感出てきたのでやってもらおうかな?
以前自分でメンテした時、パーツが余ってたけど差し支えなかった?そのパーツはもう無いけど?。
スピニングはラインローラーとメインベアリングぐらいは自分で交換してるよ。
お高いリールは8年で3回ぐらい専門業者にメンテ出して使ってるけど巻き感も新品状態。
普段から使用後に簡単なメンテしてやれば長く使えるよね。
Posted by アウトバックKENZO at 2019年10月03日 17:24
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昭和40年代生まれ。幼少期から釣りを始め、オカッパリでの海のエサ釣り⇒ブラックバス、シーバスのルアーフィッシング⇒海のレンタルボート(シースタイル)釣り⇒を経てカヤックフィッシングにたどり着いたのが2011年。自己流で危ない目にも遭ったりしたけど、オカッパリ時代とは比べ物にならない釣果にもう逆戻りは不可。カヤックフィッシング最高! ちなみに鎌倉カヤックフィッシングクラブ会長(会員2名、うち1名は愛媛に長期出張中)
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