2020年07月22日
【遺伝子の本体】核酸の性質と味とプリン体による症状
人の体は約37兆個の細胞で成り立っています。ひとつひとつの細胞には核があります。核の中には核酸があります。核酸にはデオキシリボ核酸(DNA) とリボ核酸(RNA)の2つがあり、DNAは性質を伝える遺伝子の本体として働き、RNAはDNAの情報に基づいてたんぱく質を合成する働きを担っています。たんぱく質は、筋肉や骨、臓器、皮膚、爪などのほか、ホルモンや酵素なども構成しており、人体になくてはならない成分です。細胞は日々、新しく生まれ変わります。適切なときに、適切な量のたんぱく質が合成されることが、人の健康にとても重要となり、これらのたんぱく質を合成する上で、大きな役割を果たしているのが、核酸であるDNAとRNAです。
DNAは、細胞から細胞にあるいは親から子に性質を伝える遺伝子の本体として機能し、細胞の核の中に、折りたたまれて存在しています。DNAはA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)という4種の塩基(プリン塩基はAとG・ピリミジン塩基はCとT)です。という生体分子と糖、リン酸で構成されるヌクレオチドが、30億個の対となって結合した2重らせん構造をしています。そのDNAの中で、たんぱく質を合成するもとになる情報を持つ領域を遺伝子といいます。遺伝子はDNA全体のわずか2%に過ぎません。
遺伝子には、たんぱく質を構成するアミノ酸の配列情報が記されております。その遺伝情報が、RNAに転写され、アミノ酸がいくつも結合したたんぱく質が合成されます。
核酸は、体内では2つの方法で合成されます。ひとつは肝臓でアミノ酸や糖などを原料に新たに核酸を合成する方法です。もうひとつは食品から摂取した核酸や体内で不要になった核酸を再利用して核酸を合成する方法です。核酸はほとんどの食品に含まれており、特に肉や魚、豆類、レバーやタラコなど細胞数の多い食品、アルコール飲料ではビールに多く含有されています。
食品に含まれる核酸の構成成分のひとつがプリン体です。核酸は腸管でヌクレオチドに分解され、さらにヌクレオチドは、リン酸、糖、プリン塩基へと分解されます。この分解の過程を経て、プリン塩基、いわゆるプリン体は体内へ吸収されます。
核酸はうま味物質としても知られています。しいたけなどのきのこ類に多く含まれるグアニル酸と煮干しやかつお節、魚、肉類に多く含まれるイノシン酸があります。イノシン酸は、プリンヌクレオチドであるアデノシン1リン酸とグアノシン1リン酸へ至る合成経路の中間体です。イノシン酸は、アデノシン1リン酸を分解して尿酸になる経路の中では、デアミナーゼという酵素が働きイノシン酸が生じます。
イノシン酸とグアニル酸にナトリウムが結合したイノシン酸ナトリウムとグアニル酸ナトリウムは、呈味性ヌクレオチドと呼ばれます。
アミノ酸のうま味成分と核酸のうま味成分が食品中に混在すると、相乗効果によりうま味が増します。うまみ調味料は、主成分のグルタミン酸ナトリウムにイノシン酸ナトリウムとグアニル酸ナトリウムを添加して、うま味の相乗効果を引き出しています。
食品に含まれる核酸の構成成分のひとつであるプリン体は、肝臓で代謝されて、最終的には尿酸となって体から排泄されますが、尿酸が多くなり過ぎると血液の中に尿酸がたまって高尿酸血症を起こします。高尿酸血症の状態が続くと、尿酸が結晶化した尿酸塩が関節に沈着し、急性関節炎を引き起こします。これが痛風です。
痛風に関わる通院患者数は約 100 万人、痛風の予備軍である 高尿酸血症患者数は 1,000 万人に達していると見積もられています。アメリカで行われた食事内容と 痛風発症との関連を解析した調査では、肉や魚、ビールなどのアルコール飲料を多く摂取する人ほど血 清尿酸値が高く、痛風発症のリスクが高まることが報告されています。これは、肉や魚、アルコール飲料に含まれるプリン体が体内で尿酸に変化し、血清尿酸値を上げるためです。
予防するには、プリン体を減らさなければなりません。プリン体は食品から摂取されるほかに肝臓でも合成されています。プリン体が多く含まれる肉や魚、アルコールも控える必要があります。基本的には食生活を見直し、日頃から健康状態を把握しておくことが肝要です。
人の体は約37兆個の細胞があり、ひとつひとつの細胞には核があります。核の中の核酸にはデオキシリボ核酸(DNA) とリボ核酸(RNA)の2つがあり、DNAは性質を伝える遺伝子の本体として働き、RNAはDNAの情報に基づいてたんぱく質を合成する働きを担っています。
核酸はほとんどの食品に含まれており、特に肉や魚、豆類、レバーやタラコなど細胞数の多い食品、アルコール飲料ではビールに多く含有されています。
核酸はうま味物質としても知られ、しいたけなどのきのこ類に多く含まれるグアニル酸と煮干しやかつお節、魚、肉類に多く含まれるイノシン酸があります。
食品に含まれる核酸の構成成分のひとつであるプリン体は、肝臓で代謝されて、最終的には尿酸となって体から排泄されますが、尿酸が多くなり過ぎると血液の中に尿酸がたまって高尿酸血症を起こします。高尿酸血症の状態が続くと、尿酸が結晶化した尿酸塩が関節に沈着し、急性関節炎、つまり痛風を引き起こします。
予防するには、ビールなどのプリン体が多く含まれる食品を控える必要があるほか、基本的には食生活全体を見直し、日頃から健康状態を把握しておくことが重要です。
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10053238
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。