2020年07月15日
【仮説】ドルチェ&ガッバーナの香水の香りと食品の開発
テレビから「横にいられると思い出す 君のドルチェ&ガッパーナのその香水のせいだよ」という歌詞を耳にして、ドルチェアンドガッバーナの香水をインターネットで検索すると「ドルチェ&ガッバーナ ライトブルー」という製品がヒットしました。
この製品であろうと仮定し、特徴は「清潔感あふれるフローラルフルーティ」のみずみずしい香り。シチリア島のシトオン(ミカン科)とグラニースアップルの爽やかな香りから、白い花々やバンブーの青々しさが加わった香りです。」とあります。
この香水の全成分は、変性アルコール、香料、水、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、BHTです。
この香水の全成分は、変性アルコール、香料、水、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、BHTとなり、基本的にこの中の香料にシチリア島のシトオン(ミカン科)とグラニースアップルの爽やかな香りと白い花々やバンブーの青々しさが加わった香りをもたらしていると考えられます。それぞれの使用目的は以下のとおりです。
・変性アルコール
飲用に転用されることを防止するために変性剤を入れたエタノール。変性剤には、ローズ様芳香を有する香料成分であるゲラニオールやフェネチルアルコール、ベルガモット様芳香を有する酢酸リナリル、強い苦味を有する成分であるオクタアセチルスクロースなどが使用されており、飲用となりません。香りの保持や保存性のために使用、あるいは変性アルコールと水で水溶性香気成分抽出した可能性も否定できません。
・香料
シチリア島のシトオン(ミカン科)と表記されていますが、シトロンのことではないでしょうか。シトロンと仮定すると酸味が強く生食できないことから、果実は砂糖煮、果汁は飲料、果皮や葉は香料にしています。柑橘系の香り成分の 9 割は、リモネンという物質です。リモネンは、オレンジ様の穏やかな香りを持ち、石鹸や洗剤、化粧品などに使用され、リモネンは多くの柑橘における香りの主成分ですが、微量ながら品種特有の香りを決める特香成分というものが別にあります。柑橘では、多くの特香成分が明らかにされています。ネーブルやオレンジなどは、バレンセンやヌートカン、シネンオールなどが含まれ、特にヌートカンは非常に強いフルーティ感を醸し出します。温州みかんのリナロールやテルピネオールなども、爽やかでフレッシュなシトラスの香りに用いられています。柑橘の香りはシトラスノートといわれ、花の香りのフローラルノートとともに、香料のトップノートに使われています。トップノートとは、最初に揮発してくる香りで、香水の第一印象を決める重要な香り成分をいいます。
次にグラニースアップルとは、グラニースミス というリンゴの品種ではないでしょうか。1868年にオーストラリアで、名前の由来ともなったマリア・アン・スミスにより、偶発実生で開発されたようです。リンゴの香気成分の中心は、新鮮な青さと甘さを演出するヘキサノールやヘキサナールなどの香気成分です。ヘキサノールはややオイリーな葉的フルーティ香もしくは芝を刈ったばかりの時の香り、ヘキサナールはダイズや草などの青臭さの香りです。エチルブチレートやブチルアセテート、ブチルブチレートなどのエステル類は甘さと完熟感を与えます。
白い花の香気成分は、リナロール と考えられます。スズランやラベンダー、ベルガモット様の芳香をもつため、大量に香料として使用されています。
バンブーの香りは、ヘキサナールとボルネオールです。ボルネオ―ルは防虫剤や防腐剤としておなじみの樟脳と似た香りがします。竹の香りは総じて青臭い香りになります。
・水
水と変性アルコールで水溶性香料成分を抽出したかもしれません。水溶性香気成分は香り立ちが良く、フレッシュ感を付与することができます。
・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
中波長(280-320nm)紫外線防御作用や製品の変色防止の目的で、香水や日焼け止め製品、メイクアップ化粧品、ネイル製品などに使用されています。
・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
長波長(320-400nm)紫外線防御作用や製品の変色防止の目的で、フレグランスや日焼け止め製品、メイクアップ化粧品、ネイル製品などに使用されています。
・BHT
BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)は、熱及び光に安定しており、フリーラジカルと反応し、製品が酸化されるのを遅らせることによって、色やにおいが変化するのを防ぐ酸化防止剤です。この目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、日焼け止め製品、メイクアップ化粧品、洗顔料&洗顔石鹸、ネイル製品などに使用されています。とくにメトキシケイヒ酸エチルヘキシルの酸化防止剤として有名であり、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルと併用されます。
「ドルチェ&ガッバーナ ライトブルー」という香水の特徴は、清潔感あふれるフローラルフルーティのみずみずしい香りです。
仮説の上、この香水を分析すると柑橘系の爽やかでフレッシュな香りと花の香りがトップノートに使われて印象を強く与え、後に続くアップルやバンブー由来の香気成分が新鮮な青さと甘さを演出し持続することで、「横にいられると思い出す 君のドルチェ&ガッパーナのその香水のせいだよ」の歌詞にあるように忘れられない香りとなり、香りのリラックス効果やリフレッシュ効果、気分を高揚させる効果もあいまって脳裏に焼き付いていると考えられます。
食品メーカーでも同じように香気成分を有する香料を使用します。歌詞にあるように忘れられずに思い出してしまう香りのある製品を開発したいものです。
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