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2021年02月04日

【栄養豊富な玄米の表面】米ぬか


 玄米の表面を削って精米するとできるのが米ぬかです。この中には玄米に含まれる栄養素の多くが含まれています。米ぬかは、胚芽、胚芽を保護する種皮、果皮で構成されています。胚芽にはビタミン、ミネラル、フィチン酸などの成分を有し、種皮や果皮には食物繊維などの成分が豊富に含まれています。





 新鮮な米ぬかは、ほんのり甘味があります。米ぬかは精米後、酸化しやすいことから、出来る限り新鮮なものを使用します。





 米ぬかに含まれるフィチン酸は、酸味を呈し、熱や酸に弱い性質があります。フィチン酸は、人の細胞を含め、あらゆる動物の細胞内にも存在しています。人では心筋や脳、骨格筋などに多く含まれており、細胞機能を制御する役割を担っています。フィチン酸は、リンの主な貯蔵形態となり、リンの供給源という役割を持っています。フィチン酸には非常に強い抗酸化作用があり、活性酸素を除去する働きがあります。また、フィチン酸は、血小板の凝集を抑制する働きがあるため、血液凝固を予防する効果が期待されます。さらにフィチン酸は、カルシウム結晶の生成を阻止し、尿中のカルシウムレベルを低下させる効果があります。





 米ぬかに含まれるイノシトールは、後引きのないすっきりした甘みを持っています。イノシトールは、食品添加物として認められています。イノシトールには、脂肪肝を防ぐ効果があります。また、イノシトールは、リン脂質の構成成分で、特に神経細胞の膜に多く存在しています。リン脂質は、脳細胞に栄養を供給することや神経の働きを正常に保つ働きを担っています。





 米ぬかに含まれるフェルラ酸は、ポリフェノールの1種で、酸化防止、紫外線吸収機能が認められ、医薬品や食品、化粧品などの原材料として使用されています。食品業界でフェルラ酸は、食品の酸化防止剤として、抹茶の退色防止、バナナの黒変防止、グリーンピースの色調保持、抹茶の退色防止などに用いられています。フェルラ酸は、食品添加物として認められています。また、フェルラ酸は、傷ついた脳細胞を修復し、細胞が死滅することを防いでくれる脳細胞保護作用があるため、学習記憶向上作用も期待されます。さらにフェルラ酸は、紫外線の吸収やメラニンの生成を抑制することから、美白の効果が報告されています。





 米ぬかに含まれるγ-オリザノールは、ポリフェノールの1種です。無味、無臭で、熱安定性が高いため、優れた抗酸化作用を発揮すると言われています。γ-オリザノールは、血管を広げて血行を良くする効果、善玉コレステロールを増加させ、悪玉コレステロールを減らす作用があります。また、γ-オリザノールは、脳の視床下部に直接働きか、自律神経失調症に効果を発揮します。





 米ぬかに含まれる食物繊維は、ビフィズス菌をはじめとした腸内細菌のエサとなるほか、整腸作用、老廃物排出効果があります。





 米ぬかを使用したぬか漬けは、野菜などに含まれている乳酸菌や酵母をぬか床で繁殖させ、 食材を発酵させたものです。ぬか漬けは、発酵により酸味やうま味などの呈味成分が生じます。野菜を一晩漬けておくだけでも、 美味しい漬物ができます。



米ぬか


 玄米の表面を削って精米するとできるのが米ぬかです。この中には玄米に含まれる栄養素の90%以上が含まれています。米ぬかは、胚芽、胚芽を保護する種皮、果皮で構成されています。胚芽にはビタミン、ミネラル、フィチン酸などの成分を有し、種皮や果皮には食物繊維などの成分が豊富に含まれています。お米の健康に寄与する部分を削りとったのが、米ぬかです。





 米ぬかは、便通改善、整腸作用、肌荒れ解消、花粉症改善、血液をサラサラにする働き、血糖値低下などにつながる栄養成分をたくさん含んでいます。



2147964_s.jpg


米ぬか.jpg



 米ぬかを1食あたり大さじ1杯程度摂取すれば、精白米を食べていても理論上は玄米を食べたのと同じだけの栄養が取れるということになります。新鮮な米ぬかは、ほんのり甘味があります。米ぬかは精米後、酸化しやすいことから、出来る限り新鮮なものを使用します。



米ぬかの機能性成分


 米ぬかは、多くの成分を含んでおり、優れた機能性を有しています。





・フィチン酸





 米ぬかに含まれるフィチン酸は、酸味を呈し、熱や酸に弱い性質があります。米ぬか以外にも小麦、豆類などに多く含まれています。小麦などの種子では、「ふすま」と呼ばれる外被に多く含まれていますが、通常精米やふすまを取り除く処理によってフィチン酸が失われてしまいます。また、ミネラルと強く結合し、複合体を形成する性質があります。特に、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、カルシウムに結合しやすいといわれています。





 フィチン酸は、米ぬかなどに含まれるだけでなく、人の細胞を含め、あらゆる動物の細胞内にも存在しています。人では心筋や脳、骨格筋などに多く含まれており、細胞機能を制御する役割を担っています。





 フィチン酸は、エネルギーの原材料となるリンの供給源であることが知られています。リンはあらゆる細胞でエネルギー源となるアデノシン3リン酸(ATP)の構成成分となる栄養素です。フィチン酸は、リンの主な貯蔵形態となり、リンの供給源という役割を持っています。





 フィチン酸には非常に強い抗酸化作用があります。人が体内でエネルギーをつくるときに活性酸素が発生します。フィチン酸は、活性酸素を除去する働きがあります。





 血液の成分である血小板が凝集すると血栓が形成され、動脈硬化や心筋梗塞などの心臓血管系の疾患を引き起こす可能性があります。フィチン酸は、血小板の凝集を抑制する働きがあるため、血液凝固を予防する効果が期待されます。イ





 尿中のカルシウム値が高いと体内に腎結石ができる可能性が高まります。腎結石の原因は、結晶性物質の過剰な蓄積といわれており、その80〜90%はシュウ酸カルシウムとリン酸カルシウムです。フィチン酸は、カルシウム結晶の生成を阻止し、尿中のカルシウムレベルを低下させる効果があります。フィチン酸を高含有する米ぬかは、高カルシウム尿症と腎結石の治療に用いられています。





・イノシトール





 米ぬかに含まれるイノシトールは、 糖アルコールの1種です。体内ではぶどう糖から合成され、細胞膜に多く含まれています。後引きのないすっきりした甘みを持っています。





 イノシトールは、食品添加物として認められています。人の初乳にも含まれ、乳児に欠かすことのできない栄養素であることから、粉ミルクにも添加されています。





 イノシトールには、脂肪肝を防ぐ効果があります。脂肪の流れを良くして、肝臓に余分な脂肪が蓄積しないようにコントロールする働きを担っています。血管や肝臓の脂肪やコレステロールの流れも改善させるため、脂肪分の多い食事やお酒を飲む量が多い場合は、イノシトールを十分に摂取することで、血管にコレステロールがたまって生じる動脈硬化の予防も期待されます。





 イノシトールは、リン脂質の構成成分です。リン脂質は細胞膜に含まれている成分で、特に神経細胞の膜に多く存在しています。リン脂質は、脳細胞に栄養を供給することや神経の働きを正常に保つ働きを担っています。そのため、リン脂質の構成要素のイノシトールは、神経の伝達や脳の活動を正常に保つ上で不可欠な成分です。





・フェルラ酸





 米ぬかに含まれるフェルラ酸は、ポリフェノールの1種で、酸化防止、紫外線吸収機能が認められ、医薬品や食品、化粧品などの原材料として使用されています。自然界では、植物の細胞壁やγ-オリザノールの構成成分として存在します。





 食品業界でフェルラ酸は、食品の酸化防止剤として、抹茶の退色防止、バナナの黒変防止、グリーンピースの色調保持、抹茶の退色防止などに用いられています。フェルラ酸は、食品添加物として認められており、フェルラ酸が含まれる米ぬか油抽出物も同様に酸化防止剤として使用されます。





​ フェルラ酸には、脳神経保護作用があることが動物実験を使った実験で明らかとなっています。脳神経細胞は、老化やアルツハイマー型認知症で減少します。フェルラ酸は、傷ついた脳細胞を修復し、細胞が死滅することを防いでくれる脳細胞保護作用があるため、学習記憶向上作用も期待されます。





 フェルラ酸は、紫外線の吸収やメラニンの生成を抑制することから、美白の効果が報告されています。肌のシミやくすみ、そばかすの原因となるメラニン色素を生み出すチロシナーゼという酵素に直接働きかけることで、メラニンの生成を抑制し、肌の色素沈着防止効果が期待されます。





・γ-オリザノール





 米ぬかに含まれるγ-オリザノールは、ポリフェノールの1種です。無味、無臭で、熱安定性が高いため、優れた抗酸化作用を発揮すると言われています。





 γ-オリザノールは、生活習慣病の予防や改善効果が期待されています。血管を広げて血行を良くする効果、善玉コレステロールを増加させ、悪玉コレステロールを減らす作用があります。コレステロールは、動脈硬化の原因になる一方、細胞膜を形成すること、神経伝達に関与することなど体を維持する上で大切な役割を持っています。コレステロールは大きく2種類に分けられます。悪玉コレステロールは、動脈硬化を招く原因となり、善玉コレステロールは体内で余剰のコレステロールを回収し、肝臓でホルモンなどとして再利用できるように働きかけます。重要なことは、この2種類のコレステロールのバランスが取れていることです。γ-オリザノールは、増えすぎた悪玉コレステロールを減らす作用でバランスを整え、生活習慣病のひとつである脂質異常症の予防効果があります。





 γ-オリザノールは、脳の視床下部に直接働きか、自律神経失調症に効果を発揮します。自律神経失調症は、ストレス、過労、睡眠不足、更年期障害が原因で引き起こされます。症状としては、めまい、動悸、倦怠感、頭痛などです。γ-オリザノールは自、律神経の働きをサポートし、症状の緩和に効果があります。また、認知症の治療薬としても用いられています。





・食物繊維





 米ぬかは、100gあたり水溶性食物繊維2.2g、不溶性食物繊維18.3gを含んでいます。食物繊維は、ビフィズス菌をはじめとした腸内細菌のエサとなるほか、整腸作用、老廃物排出効果があります。不足すると心疾患や糖尿病などの原因になります。



ぬか漬け


 米ぬかと言えばぬか漬けです。 ぬか漬けは、野菜などに含まれている乳酸菌や酵母をぬか床で繁殖させ、 食材を発酵させたものです。





 ぬか漬けは、発酵により酸味やうま味などの呈味成分が生じます。野菜を一晩漬けておくだけでも、 美味しい漬物ができます。





 また、ぬか漬けにみかんの皮、にんにく、昆布、山椒などを加えることで、違った風味を楽しむことができます。



まとめ


 玄米の表面を削って精米するとできるのが米ぬかです。この中には玄米に含まれる栄養素の多くが含まれています。米ぬかは、胚芽、胚芽を保護する種皮、果皮で構成されています。胚芽にはビタミン、ミネラル、フィチン酸などの成分を有し、種皮や果皮には食物繊維などの成分が豊富に含まれています。





 新鮮な米ぬかは、ほんのり甘味があります。米ぬかは精米後、酸化しやすいことから、出来る限り新鮮なものを使用します。





 米ぬかに含まれるフィチン酸は、酸味を呈し、熱や酸に弱い性質があります。フィチン酸は、人の細胞を含め、あらゆる動物の細胞内にも存在しています。人では心筋や脳、骨格筋などに多く含まれており、細胞機能を制御する役割を担っています。フィチン酸は、リンの主な貯蔵形態となり、リンの供給源という役割を持っています。フィチン酸には非常に強い抗酸化作用があり、活性酸素を除去する働きがあります。また、フィチン酸は、血小板の凝集を抑制する働きがあるため、血液凝固を予防する効果が期待されます。さらにフィチン酸は、カルシウム結晶の生成を阻止し、尿中のカルシウムレベルを低下させる効果があります。





 米ぬかに含まれるイノシトールは、後引きのないすっきりした甘みを持っています。イノシトールは、食品添加物として認められています。イノシトールには、脂肪肝を防ぐ効果があります。また、イノシトールは、リン脂質の構成成分で、特に神経細胞の膜に多く存在しています。リン脂質は、脳細胞に栄養を供給することや神経の働きを正常に保つ働きを担っています。





 米ぬかに含まれるフェルラ酸は、ポリフェノールの1種で、酸化防止、紫外線吸収機能が認められ、医薬品や食品、化粧品などの原材料として使用されています。食品業界でフェルラ酸は、食品の酸化防止剤として、抹茶の退色防止、バナナの黒変防止、グリーンピースの色調保持、抹茶の退色防止などに用いられています。フェルラ酸は、食品添加物として認められています。また、フェルラ酸は、傷ついた脳細胞を修復し、細胞が死滅することを防いでくれる脳細胞保護作用があるため、学習記憶向上作用も期待されます。さらにフェルラ酸は、紫外線の吸収やメラニンの生成を抑制することから、美白の効果が報告されています。





 米ぬかに含まれるγ-オリザノールは、ポリフェノールの1種です。無味、無臭で、熱安定性が高いため、優れた抗酸化作用を発揮すると言われています。γ-オリザノールは、血管を広げて血行を良くする効果、善玉コレステロールを増加させ、悪玉コレステロールを減らす作用があります。また、γ-オリザノールは、脳の視床下部に直接働きか、自律神経失調症に効果を発揮します。





 米ぬかに含まれる食物繊維は、ビフィズス菌をはじめとした腸内細菌のエサとなるほか、整腸作用、老廃物排出効果があります。





 米ぬかを使用したぬか漬けは、野菜などに含まれている乳酸菌や酵母をぬか床で繁殖させ、 食材を発酵させたものです。ぬか漬けは、発酵により酸味やうま味などの呈味成分が生じます。野菜を一晩漬けておくだけでも、 美味しい漬物ができます。



posted by Kaoru at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の成分
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