2020年09月17日
【自由自在】食品に使用する増粘剤やゲル化剤、安定剤
食品に粘度を付与するため、食品を固めるため、そしてその状態を安定化させるために使用される食品添加物は、増粘剤やゲル化剤、安定剤と呼ばれ、微生物由来と植物由来のものがあります。増粘剤でありゲル化剤でもあるキサンタンガムは、微生物キサントモナス キャンペストリス(Xanthomonas campestris)が、でんぷんなどの原材料を発酵することで生産されます。植物由来のものとしては、海藻から抽出されるカラギーナン、マメ科の植物の種から抽出されるグァーガムなどがあります。
そのほとんどは、ぶどう糖などの糖がたくさんつながった多糖類です。食品の粘度を調節することでほどよく絡むようになるほか、具材の分散や食感の向上にも使用されます。
粘性のある食品としては、ドレッシングやタレのような液状タイプ、流動性のある食品、クリームといったペースト状の食品などがあります。このような粘性のある食品を製造するために増粘剤が用いられます。増粘を目的として使用する場合は、増粘剤(キサンタンガム)あるいは、増粘多糖類と表示されます。
食品のゲル化を目的とする食品添加物がゲル化剤です。流動性のあるゾルの状態のものが弾性を持って固まり、ゼリー状になった状態がゲルです。ゾルの状態からゲルの状態に移ることをゲル化といいます。ゲル状食品としては、ゼリーやジャムなどがあります。ゲル化剤(ペクチン)などのように用途名と物質名を併記して表示されます。 増粘剤やゲル化剤などを使用した食品で、その状態を安定化させる目的で使用する食品添加物が安定剤です。安定化が求められる理由は、食品のもろさや硬さなどの食感の保持、食品の保水、食品の結着、乳化液の安定化などのためです。食品の形態の安定化を目的として使用した場合、安定剤(カラギーナン)などと用途名に物質名を併記して表示されます。
微生物キサントモナス キャンペストリスの発酵によって生産される増粘多糖類です。主にキサンタンガム単体でドレッシングやソースなどの粘性の付与に使用されます。ゲル化剤として使用する場合は、ローカストビーンガムやグァーガムと併用することでゲルを形成する性質を利用します。キサンタンガムは単体の使用だけでなく、他のゲル化剤と組み合わせることで、冷凍食品やカスタードクリームなどにも用いられます。キサンタンガムは、温水はもちろん、冷水でも溶解し、耐熱性や耐塩性、耐酸性、冷凍解凍耐性があり、少ない添加量で高い粘度をもつことが特徴です。
また、キサンタンガムの溶液は、擬塑性流動という流動性を持ちます。擬塑性流動とは、力を加えると粘度が低くなり、力を加えないで置いておいた状態では粘度が高くなる性質のことをいいます。ドレッシングやソースなどで使用する際は粘度が低くなるため、流れやすいので使いやすくなります。一方、静置しておくと保形性、安定性が得られます。
パキスタンやインドで栽培されている1年生植物のグァーの種子から得られる多糖類です。冷水でも溶解しますが、加熱することで溶解が加速します。天然ガム類の中では最も粘度が高く、粘度は塩類の存在下でも安定しています。ドレッシングやソース、アイスクリーム、即席めんのスープなどに用いられます。
グァーガムの溶液の粘度は、温度によって可逆的に変化します。 ただし、溶液を高温で長時間放置すると粘度の低下をまねきます。
地中海沿岸のような乾燥した土地で栽培、自生している豆科の多年生常緑樹カロブ樹の種子から得られる多糖類です。80〜85℃の加熱により完全に溶解し、粘稠な水溶液となります。 ソースやアイスクリーム、ゼリー、プリンなどに使用されています。
キサンタンガムなどと併用することで、弾力のあるゲルを形成します。
カラギーナンは、紅藻類から抽出される多糖類です。構造の違いによりカッパ、 イオタ、ラムダの3タイプに分けられ、それぞれ溶解性やゲル化性、ゲルの性質が異なります。ゼリーやプリン、ドレッシング、ジャム、畜肉製品、タレ、ソースなどに増粘剤やゲル化剤、安定剤として使用されます。
カラギーナンのゲルは、熱可逆性です、カルシウムイオンなどの濃度が高くなるほどゲル化温度やゲルの溶解温度が高くなります。
リンゴや柑橘類の果皮などから抽出された多糖類です。ペクチンは常温の水に可溶で、構造や性質の異なるLM ペクチンとHM ペクチンの2タイプがあります。ジャムやフルーツソース、マーマレード、飲料、ゼリー、アイスクリームなどに使用されます。
食品に粘度を付与するため、食品を固めるため、そしてその状態を安定化させるために使用される食品添加物は、増粘剤やゲル化剤、安定剤と呼ばれます。
そのほとんどは、糖がたくさんつながった多糖類です。食品の粘度を調節することでほどよく絡むようになるほか、具材の分散や食感の向上にも使用されます。
ドレッシングやタレ、流動性のある食品、クリームなどのような粘性のある食品を製造するためには、増粘剤が用いられます。増粘を目的として使用する場合は、増粘剤(キサンタンガム)あるいは、増粘多糖類と表示されます。ゲル状食品のゼリーやジャムなどを製造する場合には。ゲル化剤を使用します。ゲル化剤(ペクチン)などのように用途名と物質名を併記して表示されます。増粘剤やゲル化剤などを使用した食品で、その状態を安定化させる目的で使用する食品添加物が安定剤です。食品の形態の安定化を目的として使用した場合、安定剤(カラギーナン)などと用途名に物質名を併記して表示されます。
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