2014年02月01日
映画『御手洗薫の愛と死』
有楽町スバル座にて、映画『御手洗薫の愛と死』を鑑賞してきました。
水曜日のレディースデー、仕事を終えてからの鑑賞。
世の中は佐村河内守さんやらで大騒ぎ。少し前に観た舞台『うさぎレストラン』も、ゴーストライターをにおわせるような場面設定があったので、なんだか私は最近ゴーストライターづいているようです。
結論から言えば、号泣してしまいました。
どんな形にせよ誰かを愛したことのある人には心を抉られる作品だと思います。
だって愛なんて滅多に成就しないものです。
失恋や裏切りもそうですが、世の中「親の心子知らず」だし、愛猫だって私の愛情なんてなくても立派に猫としてやっていくんだろうし、愛なんて全然報われません。
しかも、報われたいと思った時点でそれは「自己愛」かもしれない、と自己嫌悪にまで陥いらなければならないので、愛とかもういいです。
そんな荒んだ心にささやかな希望をあたえてくれたのが、ベテラン作家であり主人公のゴーストライターでもある御手洗薫(吉行和子さん)の「愛」。
御手洗薫は、作家の後輩、息子、あるいは若い愛人として(?!)神崎龍平(松岡充さん)のことを深く愛していたがゆえに神崎を苦難の道を進ませます。
ふつうこういうオバサンの体育会系老婆心は嫌気がさすものですが、作家としての実力・名声・権力を兼ね備えた御手洗薫が彼女の人生で築いてきたものすべてを懸けて、神崎を名作家に仕立てあげようとする気迫に心奪われました。
御手洗薫はただのおせっかいババァではないのです。
その愛が報われたとき、御手洗薫はもうこの世にいないのですが、自分もこんな風に誰かを愛せたらどんなに幸せだろう!と思わずにはいられない…。
それは中2病的な「オレは誰のことも愛することができない」ではなくて、私の場合は、「愛」に込められる才能や名声や権力が自分には全然ないな、と気づかされる悔しさと妬ましさでした。
結局、私は、御手洗薫が羨ましくて悔し泣きしてしまったのです。
でもその悔しさをバネに、もっと自分の実力を磨こうと思わせてくれる、私にとってはそんな作品でした。
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