2014年10月08日
映画『アラビアのロレンス』
久々の更新になってしまいました。正社員の仕事だの副業だのが忙しすぎてバタバタな日々。そんなときに一体なんでこんな長い映画(227分!)を見たのかというと、世間のイスラムやアラブへの関心が9.11以来、けっこう高くなっているからそろそろ見ようと感じたからです。
特にISIS(イスラム国)!飛行機でビルに突っ込んだりはしないけど、Twitterで首切り画像を流したり、時代に応じた活動してる印象。(私は親ISISではないので悪しからず…)
たとえば9.11やISISをきっかけに中東・アラブ・イスラムについての書籍を読むとします。
すると、必ずといって登場するのが、この『アラビアのロレンス』という作品なんです。
一体なぜ?
それは、『アラビアのロレンス』が、アラブの部族社会をわかりやすく描いているから。
映画の舞台となった1920年頃、まだ中東・アラブ世界に明確な国境はなく、血縁的な部族がオアシスを管理したり、その地域をまとめてオスマン帝国と戦ったりしていたんです。
オスマン帝国と戦うために、その砂漠の部族に取り入りたいのが英国。
英国から派遣されたロレンスは、部族社会に意外と馴染んで英雄扱いされるまでになったけど、英国が最終的にアラブを切り捨てようとしていることを知っている。
これ、ロレンスが女だったら民族や国を障害にした悲恋ストーリーだったでしょうね(笑)
でも男同士なので、民族や宗教を超えた熱い友情のほうが強く感じられます。
部族社会はあくまでその舞台設定に過ぎません。
確かに部族社会の大変さや伝統はよくわかるけど、基本的にはロレンスの葛藤や成長(?)にスポットがあてられた作品。
なので個人的にはロレンスはただの主人公以上でも以下でもなかったです。
それよりも注目すべきは、オマル・シャリーフ演じるアリ
部族の誇りをもち、ときに残酷で、最後は「国家」の魅力に魅せられ、「政治を勉強したい」というのが見ていて痛々しくもあり…。
今、このご時世に『アラビアのロレンス』を見たからこそ、アリに「痛々しい」なんて感情を抱いたのだと思います。アリが目指した「領域国民国家」は、奇しくも、今、ISISはじめとするアラブ、イスラームの志士たちが打倒せんと奮起している対象にほかなりません。
イスラムと領域国民国家の関係性については、中田ハサン孝先生、内田樹先生の対談本『一神教と国家』が詳しいのでここでは触れません。
ちなみに、このアリ役で一躍有名になったオマル・シャリーフは、この間感想を書いた『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』に出てくるトルコ人の老人役です。
この流れもなかなか考えさせられるものがありました。
それからもう一つの見所はやはりその音楽!(名場面×サントラDVDがあります)
私、フィギュアスケートも好きなのですが、『アラビアのロレンス』を演じるスケーターはたくさんいて、日本の選手なら安藤美姫ちゃんなんかも演じていたことがあります。
私のようにフィギュアスケートの演目で音楽だけ聞いたことあるけど、作品は見たことない、という人も一度見てみるといいんじゃないかと思います。
フィギュアスケートの演技を観ると、さぞ華麗・豪華な話なのだろうと思いかねませんが、実際に映画を見ると、ひたすら過酷な砂漠、砂漠、砂漠。壮麗さはいったいどこに…?
ちょっと考えてみましたが、壮麗ではないけど息を飲むほど美しい砂漠の先に突然開ける地中海だったり、夜の砂漠の星々をイメージしているのかもしれません。
特にISIS(イスラム国)!飛行機でビルに突っ込んだりはしないけど、Twitterで首切り画像を流したり、時代に応じた活動してる印象。(私は親ISISではないので悪しからず…)
たとえば9.11やISISをきっかけに中東・アラブ・イスラムについての書籍を読むとします。
すると、必ずといって登場するのが、この『アラビアのロレンス』という作品なんです。
一体なぜ?
それは、『アラビアのロレンス』が、アラブの部族社会をわかりやすく描いているから。
映画の舞台となった1920年頃、まだ中東・アラブ世界に明確な国境はなく、血縁的な部族がオアシスを管理したり、その地域をまとめてオスマン帝国と戦ったりしていたんです。
オスマン帝国と戦うために、その砂漠の部族に取り入りたいのが英国。
英国から派遣されたロレンスは、部族社会に意外と馴染んで英雄扱いされるまでになったけど、英国が最終的にアラブを切り捨てようとしていることを知っている。
これ、ロレンスが女だったら民族や国を障害にした悲恋ストーリーだったでしょうね(笑)
でも男同士なので、民族や宗教を超えた熱い友情のほうが強く感じられます。
部族社会はあくまでその舞台設定に過ぎません。
確かに部族社会の大変さや伝統はよくわかるけど、基本的にはロレンスの葛藤や成長(?)にスポットがあてられた作品。
なので個人的にはロレンスはただの主人公以上でも以下でもなかったです。
それよりも注目すべきは、オマル・シャリーフ演じるアリ
部族の誇りをもち、ときに残酷で、最後は「国家」の魅力に魅せられ、「政治を勉強したい」というのが見ていて痛々しくもあり…。
今、このご時世に『アラビアのロレンス』を見たからこそ、アリに「痛々しい」なんて感情を抱いたのだと思います。アリが目指した「領域国民国家」は、奇しくも、今、ISISはじめとするアラブ、イスラームの志士たちが打倒せんと奮起している対象にほかなりません。
イスラムと領域国民国家の関係性については、中田ハサン孝先生、内田樹先生の対談本『一神教と国家』が詳しいのでここでは触れません。
ちなみに、このアリ役で一躍有名になったオマル・シャリーフは、この間感想を書いた『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』に出てくるトルコ人の老人役です。
この流れもなかなか考えさせられるものがありました。
それからもう一つの見所はやはりその音楽!(名場面×サントラDVDがあります)
私、フィギュアスケートも好きなのですが、『アラビアのロレンス』を演じるスケーターはたくさんいて、日本の選手なら安藤美姫ちゃんなんかも演じていたことがあります。
私のようにフィギュアスケートの演目で音楽だけ聞いたことあるけど、作品は見たことない、という人も一度見てみるといいんじゃないかと思います。
フィギュアスケートの演技を観ると、さぞ華麗・豪華な話なのだろうと思いかねませんが、実際に映画を見ると、ひたすら過酷な砂漠、砂漠、砂漠。壮麗さはいったいどこに…?
ちょっと考えてみましたが、壮麗ではないけど息を飲むほど美しい砂漠の先に突然開ける地中海だったり、夜の砂漠の星々をイメージしているのかもしれません。
この記事へのコメント
アラビアのロレンスを昨夜観ました。今の中東の動きをわかりやすく理解できる映画でした。風の谷のナウシカやスターウォーズにも影響を与えている映画ですね。CGなどない時代に素晴らしい映像でした。
Posted by euaiai at 2015年05月05日 23:53
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