Flying Trip Vol.16
『あいまいばかりの世界』
無事、全公演が終了しました。
ご覧頂けなかった皆様!
円盤化、ブルーレイにもされます!
僕の演技、音楽を半永久的にご覧頂けますので、どうぞお買い求めください!!
http://flying-trip.com公演を行ったスペースゼロは以前ドクターストップで本番の舞台に立てなかった場所。
忘れ物をとりに行く事が出来ました。
下記、感想です。
・演技について
今回の役どころは新興ヤ◯ザのトップ、依田。
役作りで参考になったのは田舎でずっと見てきたテキヤの皆さん。あの異様な感じが出たらなぁと取り組みました。
手下役のタナカツくんがずっと僕の事をBOSSと呼んでくれて、持ち上げてくれてとても有り難かったです。
若い皆さんがやる動く芝居がとても勉強になり、どこでどう勉強したら、そんな芝居になるんだろうと稽古場ではずっと考えながら見ていました。
『2.5次元』が新しい演劇ジャンルになっている今、僕がやってこなかった吸収するべき演技が沢山ありました。
最近映画館で観られるイギリスの演劇は自然体な演技が主体のようで影響を受けていますが、日本の演劇は能、狂言、歌舞伎があり見世物の側面もあり、誇張した表現も時として必要。
必要に応じて引き出しからすぐに取り出せるようにしないといけないと痛感しました。
そして皆さん本番中も浮き沈みのしない演技。
2日目に芝居が落ちるとよく言われますが、そんな事はありませんでした。
芸歴の長さ、経験の多さからくるのではないでしょうか。こんなに安心して舞台に立てた事はありませんでした。
主役の結也くんのリーダーシップも素晴らしかったです。
目の前の芝居をもらって返す、そのキャッチボールが本番中も刺激的で楽しかったです。
変な緊張をしていないせいか終演後、疲れが全くありませんでした。
共演した皆様は礼儀正しくて、僕を先輩のように接して下さって素晴らしい人間性を持った皆さんでした。
「この状況下で短期間で仕上げるぞ」というプロ意識、緊張感が稽古場を包んでいて、「呑みニケーション」が一度もなくても板の上でどうやるかというのを瞬時に一緒に考え、アクションが久々の僕に若い皆さんからもたくさんご指導頂きました。(20年前はクラスで一番出来たんですけどねぇ…。)
作・演出の春間さんの適切なお話を受けて、無事最後までやる事が出来ました。
(ダメ出しと仰らない素晴らしい現場でした。)
・音楽について
今回有難くお話を頂き、やらせて頂く事になりました。始まりは僕のYouTubeチャンネルにあるオリジナル曲を使用するという事でしたが、オンラインで音楽打ち合わせをするとその時点での必要箇所は30以上。
長いのもあれば、ワンショットの短いのもある。
音響さんからは「負担になるから明確なメロディーが必要なものだけでいいのでは」というお話でしたが、「音楽 梶野稔」と表記されるし、打ち合わせ中に浮かんだメロディーもあるし、出来る限りやらせてくださいとお願いしました。
その時点で本番まで2週間。だけど僕で大丈夫か判断するには最初の2,3日、1週間でどのくらい出来るかが重要だろうと考え、その夜から眠れぬ作曲作業が始まりました。
「寝ないでがんばった」というより「メロディーが頭をまわって、やる気いっぱいで寝られなかった」感じが強く、制作初日に眠れずに迎えた朝には興奮していたのか鼻血が出ました(笑)
6日後にはなんとか全箇所の音楽を作成。
そこから音響さんが採用箇所、他で採用する曲などを考えて下さり、足りない箇所を相談しながら作るというのを繰り返しました。
稽古最終日にカーテンコールMも完成して、計24曲、約40ヶ所で流れる音楽作業が終了となりました。
(試作を含めて他に32曲制作しました。)
最初はホントに自分に出来るのか不安でいっぱいで、メロディーが枯れるんじゃないか、浮かばなかったらどうしようと思っていましたが、台本を読んだらメロディーは浮かび、一度も枯れる事はありませんでした。
(ちなみに僕は思いついたメロディーを鼻歌で歌いながら作ります。そこからコード、リズムを重ねていきます。)
音響さんとやりとりしながら、「演劇に於ける音楽の在り方」を沢山学ばせて頂きました。音響が高塩さんじゃないと今回の僕の音楽は成立しませんでした。
結果、効果音(雨風などの環境音)以外のほぼ全て僕が作曲したもの、その素材を加工して頂いたもの(リバース、ディレイ、リバーブなど)や選んだループ素材となりました。
こんな経験、なかなか出来ません。
しかもこの状況下。
芝居が出来るだけでも有り難いのに音楽でも携われる幸せ。
体力的には勿論しんどく、産みの苦しみもありましたが、これ以上ないくらいのやり甲斐を感じた日々で、嫌な思いは少しもありませんでした。
劇団時代に音楽をやらせてもらえるよう試作して何度もプレゼンテーションしてきましたが不発に終わりました。
ギターや歌などをやっている事自体、批判的な風潮でした。
その理由は様々だったのでしょうが、その過去があったからこそ深夜の孤独な作業も耐えられました。
共演者が音楽に合わせて袖で踊ってくれたり、遊んでくれたり、口ずさんでくれたのがとっても嬉しかったです。
Twitterでも好評のようで、ある程度の成果を出す事が出来たのではないかと思っています。
今回、残念だったのは配信公演を多くの知人に観て頂けなかった事。
当日は無理でもアーカイブで観られる期間が数日あったので劇場に行くのは難しくても、田舎の青森の方や全国でお世話になった皆様に配信はご覧頂けるのではないかと思っていました。
普段「遠いから観に行けない」と言われていた皆様にご覧頂ける良い機会だと思っていました。
しかし新型コロナウィルスは様々なところにソーシャルディスタンスを作ったようです。
良いアンサンブルでお芝居が出来て、たくさん音楽を作ってこれまでにない公演でも観て頂けない現実。
この問題の解決が役者人生第二章の大きな風を掴む事になりそうです。
濃密で幸せな2020年6月でした。
改めて公演に携わった皆様に御礼申し上げます。
大変お世話になりました。
本当にありがとうございました。
また劇場で、
今度こそ劇場で、
皆様とお会い出来る日を夢見て。
梶野稔
浜ちゃんと。(間隔を開けて撮影しております。)
結也くんと。(間隔を開けて撮影しております。)
美女の女性陣と。(間隔を開けて撮影しております。)
イケメン男性陣と。(間隔を開けて撮影しております。)
衣装はなんと二番でした!
<告知>
【ライヴステージ情報】
7月8日(水)
永山健康ランド 竹取の湯
13時〜(60分)
http://www.taketorinoyu.com