2016年01月21日
介護現場でのインフルエンザ対策〜後編〜
インフルエンザ対策の後編となります。
まだ読まれていない方はこちらを先にどうぞ。
介護現場でのインフルエンザ対策〜前編〜
前回、風邪やインフルエンザの対策には、手洗いやうがい、マスクのほかにも加湿、清掃、消毒を徹底するのが効果的であるとお伝えしました。
基本的な対策としてはそれで充分だと私は考えています。日ごろからそういった標準予防策をしっかりと行うことが、感染症予防においては重要だからです。
感染症における標準予防策の中身については、どこの職場にも置いてある感染症マニュアルに記載されていると思うので、これを機会にもう一度目を通してみるといいでしょう。
今回はインフルエンザ対策において、もうひとつ重要なことをお伝えします。
これは介護士さんにとって感染症全般においても役に立つ知識となるので、ぜひ知っておいていただきたいと思います。
「免疫力」は誰でも聞いたことのある言葉だと思います。
免疫力は人間の体に元々備わっているものです。多かれ少なかれ、誰でも持っています。
そしてこの免疫力を高めておくことが、感染症対策における重要なカギとなります。
たとえば、
インフルエンザのウィルスがあなたの身体に侵入したとします。
その侵入に気づいた免疫細胞は、侵入して細胞内で爆発的に増えようとするウィルスを早めに撃退しようとします。
このとき、元々の免疫力が高ければ早めに撃退することができます。結果、ウィルスを退治してインフルエンザの発症を阻止することができます。めでたしめでたしです。
しかし寝不足などで体調が悪かったりすると、当然免疫力も低下しているため、今度はウィルスを撃退するまでに時間がかかってしまいます。
爆発的に増えるウィルスの数が、撃退しようとする免疫細胞たちの数を完全に上回ると、ウィルスの勝ちです。結果、インフルエンザが発症します。
簡単に言うと、このようなイメージです。
ですから、日頃からいかにこの免疫力を高めておけるかが重要なんです。
免疫力を高めるためには、
・質の良い睡眠を取る
・食生活の改善をする
★ストレスを溜めない
・適度に運動をする
・保温と水分補給に配慮する
・薬の乱用を避ける(抗生物質など)
★よく笑う
などがあります。無理のない範囲で心がけていくようにしましょう(★が特にポイントです)
「笑う」という行為は、体の免疫機能であるナチュラルキラー細胞を増やす効果があります。笑顔を作るだけでも効果があるそうです。笑うだけで効果があるなんてすばらしいですね。
身体に侵入したウィルスの撃退にはスピードが命です。いかに素早くウィルスを撃退することができるかにかかっています。
しかし、普段から免疫力の高い健康な私たちですら、ときには感染・発症してしまうインフルエンザですから、免疫機能自体が低下している高齢者や、免疫力の低い子どもは、やはりインフルエンザにかかりやすいと言えます。
インフルエンザにかかりにくくするためには、インフルエンザワクチンの予防接種が効果的です。
このワクチンですが、3種混合(A型2種類、B型1種類)のワクチンと4種混合(A型2種類、B型2種類)のワクチンが一般的です。
最近では3種混合よりも、4種混合のワクチンを使う医療機関が多いようです。
なぜかというと、インフルエンザにかかる恐れのある型が増えたためです。こわい世の中になりましたね。
さらに、「予防接種もしたし、これで大丈夫!」
というと、実はそうでもありません。
あくまでもインフルエンザワクチンの予防接種は、かかる恐れのあるインフルエンザウィルスに対して、抗体を作ることで効果を発揮するだけで、完全に防げるわけではないのです。
毎年、流行しそうなインフルエンザの型を予想して、そのワクチンを接種することでインフルエンザウィルスにかかりにくくするだけ、と考えたほうがいいかもしれません。
とはいえ、防げるものは防ぐのが感染症対策の基本的な考え方ですから、やはり予防接種のできる方はなるべくワクチン接種をしたほうがいいでしょう。
実はインフルエンザウィルスの中にも変異するウィルスが確認されています。
数年前にニュースでも取り上げられていたので知っている方も多いと思いますが、「新型インフルエンザ」が有名ですね。
このウィルスは、動物から動物へ感染していくうちに、突然変異を起こしたウィルスが生まれ、人にも感染するウィルスとなってしまったものです。
そして、この突然変異を起こすと言われているA型のインフルエンザウィルスは、人から人へ感染していくうちに、新たな型のインフルエンザウィルスに突然変異する恐れがあるんです。
つまり今のワクチンじゃ効かないウィルスが誕生してしまうということです。
ウィルスとワクチンの関係は、そうやって抜きつ抜かれつの関係を、現在まで続けてきました。
さきほど予防接種をしたからといって、大丈夫じゃないとお伝えした根拠には、そのような理由もあります。
第1に基本的な標準予防策を徹底すること。
【標準予防策】
・こまめな手洗い後の消毒
・こまめなうがい
・マスクの着用
・こまめな換気
・湿度調節
・清掃後の消毒
第2に免疫力を高めること。
免疫力を高めるためには、
・質の良い睡眠を取る
・食生活の改善をする
★ストレスを溜めない
・適度に運動をする
・保温と水分補給に配慮する
・薬の乱用を避ける(抗生物質など)
★よく笑う
第3に予防接種を受けること
医療機関の推奨するワクチン接種を行う(3種混合・4種混合など)
発症してしまうと、どうしても重症化してしまうケースの多いインフルエンザ。
高齢者がインフルエンザにかからないようにするためにも、上記のことを理解した上で介護を行っていくことが、介護士として高齢者の健康を守ることにつながるのだと思います。
関連:「もしインフルエンザが発症してしまったら?」
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介護現場でのインフルエンザ対策〜前編〜
前回、風邪やインフルエンザの対策には、手洗いやうがい、マスクのほかにも加湿、清掃、消毒を徹底するのが効果的であるとお伝えしました。
基本的な対策としてはそれで充分だと私は考えています。日ごろからそういった標準予防策をしっかりと行うことが、感染症予防においては重要だからです。
感染症における標準予防策の中身については、どこの職場にも置いてある感染症マニュアルに記載されていると思うので、これを機会にもう一度目を通してみるといいでしょう。
今回はインフルエンザ対策において、もうひとつ重要なことをお伝えします。
これは介護士さんにとって感染症全般においても役に立つ知識となるので、ぜひ知っておいていただきたいと思います。
インフルエンザにかかりにくくするためには「免疫力」を高めよう!
「免疫力」は誰でも聞いたことのある言葉だと思います。
免疫力は人間の体に元々備わっているものです。多かれ少なかれ、誰でも持っています。
そしてこの免疫力を高めておくことが、感染症対策における重要なカギとなります。
たとえば、
インフルエンザのウィルスがあなたの身体に侵入したとします。
その侵入に気づいた免疫細胞は、侵入して細胞内で爆発的に増えようとするウィルスを早めに撃退しようとします。
このとき、元々の免疫力が高ければ早めに撃退することができます。結果、ウィルスを退治してインフルエンザの発症を阻止することができます。めでたしめでたしです。
しかし寝不足などで体調が悪かったりすると、当然免疫力も低下しているため、今度はウィルスを撃退するまでに時間がかかってしまいます。
爆発的に増えるウィルスの数が、撃退しようとする免疫細胞たちの数を完全に上回ると、ウィルスの勝ちです。結果、インフルエンザが発症します。
簡単に言うと、このようなイメージです。
ですから、日頃からいかにこの免疫力を高めておけるかが重要なんです。
免疫力を高めるには
免疫力を高めるためには、
・質の良い睡眠を取る
・食生活の改善をする
★ストレスを溜めない
・適度に運動をする
・保温と水分補給に配慮する
・薬の乱用を避ける(抗生物質など)
★よく笑う
などがあります。無理のない範囲で心がけていくようにしましょう(★が特にポイントです)
「笑う」という行為は、体の免疫機能であるナチュラルキラー細胞を増やす効果があります。笑顔を作るだけでも効果があるそうです。笑うだけで効果があるなんてすばらしいですね。
インフルエンザの予防接種を受けよう
身体に侵入したウィルスの撃退にはスピードが命です。いかに素早くウィルスを撃退することができるかにかかっています。
しかし、普段から免疫力の高い健康な私たちですら、ときには感染・発症してしまうインフルエンザですから、免疫機能自体が低下している高齢者や、免疫力の低い子どもは、やはりインフルエンザにかかりやすいと言えます。
インフルエンザにかかりにくくするためには、インフルエンザワクチンの予防接種が効果的です。
このワクチンですが、3種混合(A型2種類、B型1種類)のワクチンと4種混合(A型2種類、B型2種類)のワクチンが一般的です。
最近では3種混合よりも、4種混合のワクチンを使う医療機関が多いようです。
なぜかというと、インフルエンザにかかる恐れのある型が増えたためです。こわい世の中になりましたね。
さらに、「予防接種もしたし、これで大丈夫!」
というと、実はそうでもありません。
あくまでもインフルエンザワクチンの予防接種は、かかる恐れのあるインフルエンザウィルスに対して、抗体を作ることで効果を発揮するだけで、完全に防げるわけではないのです。
毎年、流行しそうなインフルエンザの型を予想して、そのワクチンを接種することでインフルエンザウィルスにかかりにくくするだけ、と考えたほうがいいかもしれません。
とはいえ、防げるものは防ぐのが感染症対策の基本的な考え方ですから、やはり予防接種のできる方はなるべくワクチン接種をしたほうがいいでしょう。
ウィルスは変異していく!?
実はインフルエンザウィルスの中にも変異するウィルスが確認されています。
数年前にニュースでも取り上げられていたので知っている方も多いと思いますが、「新型インフルエンザ」が有名ですね。
このウィルスは、動物から動物へ感染していくうちに、突然変異を起こしたウィルスが生まれ、人にも感染するウィルスとなってしまったものです。
そして、この突然変異を起こすと言われているA型のインフルエンザウィルスは、人から人へ感染していくうちに、新たな型のインフルエンザウィルスに突然変異する恐れがあるんです。
つまり今のワクチンじゃ効かないウィルスが誕生してしまうということです。
ウィルスとワクチンの関係は、そうやって抜きつ抜かれつの関係を、現在まで続けてきました。
さきほど予防接種をしたからといって、大丈夫じゃないとお伝えした根拠には、そのような理由もあります。
まとめ
第1に基本的な標準予防策を徹底すること。
【標準予防策】
・こまめな手洗い後の消毒
・こまめなうがい
・マスクの着用
・こまめな換気
・湿度調節
・清掃後の消毒
第2に免疫力を高めること。
免疫力を高めるためには、
・質の良い睡眠を取る
・食生活の改善をする
★ストレスを溜めない
・適度に運動をする
・保温と水分補給に配慮する
・薬の乱用を避ける(抗生物質など)
★よく笑う
第3に予防接種を受けること
医療機関の推奨するワクチン接種を行う(3種混合・4種混合など)
発症してしまうと、どうしても重症化してしまうケースの多いインフルエンザ。
高齢者がインフルエンザにかからないようにするためにも、上記のことを理解した上で介護を行っていくことが、介護士として高齢者の健康を守ることにつながるのだと思います。
関連:「もしインフルエンザが発症してしまったら?」
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