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☆「市民の力」を力に

 新しい十日町市長には、「市民の力」を市政の大きな力と位置づけていただくことをお願いします。

 市長や市議、市役所職員は市政運営のプロであり、それらの方から見ると、市政運営という観点では、頼りなさを市民に対して感じることもあると思います。
 しかし、引っ越しをしない限り、市民はずっと市民であり、多くのキャリアを積んでいます。
 「市民のプロ」の意見を取り入れながら、また、長期的視点に立って、市民を育てていくということが、市長には必要だと思います。

 市民と市政運営者(市長、議員、市役所職員)が、良好な関係を維持しながら、お互いを高めて行くには、かなりきめ細かな配慮が必要です。
 「十日町市民で良かった」と市民が感じたり、「やっぱり運営者は専門だけあってすばらしい」と感心したり、運営者も市民の観点を積極的に取り入れていくことが必要です。
 これらを行っていくことで、両者の絆は強まり、また、お互いを高めていくことになります。

 現時点では、残念なことが2つあります。
 これは、2つ以外はOKということではなく、象徴的に2つをあげます。

 1つは、パブリックコメントです。
 これについて、2つ挙げます。

 まず、標準では、パブリックコメントの回答者の住所や氏名を公開することが基本となっていて、非公開を希望する場合はその旨を記入するということになっていると思います。
 本当に番地も含めた住所まで、公開する必要があるのでしょうか?
 もちろん、不明な点を確認することなどを考えれば、回答者の住所や氏名を市が把握する必要はあるかも知れません。
 しかし、パブリックコメントやそれに対する回答を公開するに当たっては、コメントした方の個人情報を記載することが、どのような有益な意味を持つのか疑問です。
 「非公開を希望するのであればその旨を記載すれば良い」と運営者はいうかも知れませんが、それならば、「コメントを提出する様式に、住所氏名の公開を希望するか否かを記入する欄を設けるべき」と思います。
 組織の方が思う以上に、個人には弱い面があります。できるだけの配慮をお願いします。

 次に、コメントについての回答です。
 ある内容についてパブリックコメントを実施する場合、運営者は良く練り上げたものを提案しているだろうことはよく分かります。
 しかし、パブリックコメントを実施するのは、様々な意見を取り入れるためのはずです。
 これまでのパブリックコメントの実施状況を見ると、意見が取り入れられたものが極めて少ないように感じられます。
 本当に市民の観点を生かそうとしているのかという気もします。

 パブリックコメントは、「市民の意見が生かされている」と感じられれば、より活発に意見が寄せられると思いますし、「運営者にはかなわない」と市民が感じられればますます低調になると思います。

 2つは、市民との直接の対話についてです。
 市長に対して意見を言いたいのであれば、手紙という方法があります。
 しかし、市長と意見交換をするには、手紙では不十分です。

 現在、サタデー市長室という制度があり、団体については、市長と意見交換する場が設定されています。
http://www.city.tokamachi.niigata.jp/machi/00102.html
 以前は、個人も対象とし、月1回・最大3組となっており、現在よりも充実していました。
 それなりの立場にある方や、大きな影響力を持っている方は、様々な機会を通じて市政への働きかけができると思いますが、それ以外の市民にはなかなか難しいと思います。

 市長が多忙であることは分かりますが、より多くの機会をつくっていただくことを希望します。

☆平等、公平、民主主義

 新しい市長には、「平等、公平、民主主義」について、自らの考えをハッキリと打ち出していただくことをお願いします。

 今回の選挙は14日が投・開票日です。
 投票時間は、朝7時から、夕方4時〜夜7時と、投票所によって異なっています。
 比較的人口が多い地区ほど遅い時間まで、投票できるようです。
 不在者投票や期日前投票も、中心部では夜8時まで、それ以外は夜7時までです。

 この差は何なのでしょうか?
 選挙は、地域住民が意思表示を行う貴重な機会です。
 「中心部にはいろいろなワークスタイルの方がいるから時間を長くしておかないと投票できない人が多いから」「周辺部は午前中に投票を済ませる人が多いから」などという声が聞こえそうです。
 住んでいる地域によって「多様性が認められる度合い」が異なるのは、納得できません。

 地域によって投票時間に差を設けるのは、効率重視の運営という面では、現実的な対応かも知れません。

 しかし、「差を設ける理由をきちんと説明すること」「その差が合理的であると納得が得られるものであること」は、必要であると思います。

 投票時間は、選挙管理委員会が定めたもので、市長が決めたものではないと思います。

 今回のタイトルである「平等、公平、民主主義」を考えるうえで、身近な例としてあげてみたものです。

 十日町市内には、中心部も周辺部も、交通が便利なところも不便なところも、人口密度の高い地域も低い地域も、農業も商業も観光産業も、平野部も山間部も、雪のやや多いところも豪雪地も、いろんな条件があります。
 条件は違えど、みんな生活を営んでいるということは共通しています。
 それを十分踏まえたうえで、平等、公平、民主主義について、お考えをうかがいたいと思います。

選挙の年

 十日町市は今年、選挙の年です。
 良いのか悪いのかはさておき、市長選挙と市議会議員選挙が同じ日程で行われます。
 今月14日に告示され、21日が投票日です。

 「新しい十日町市長へのお願い」では、市民としてこのようなことを重視してほしいということを述べたいと思います。
 これは、特定の候補を支援するとかいうことではありません。
 そもそも「公約」は、一部を除き、抽象的なものが多いです。
 加えて、公約が必ずしも守られるのか、公約にないことは行わないのかなど、いくつか疑問もあります。

 本来、市長選挙では、公約はできるだけ多くの分野について、基本的な考え方を示すべきだと思います。
 立候補者それぞれが、公約を出し合うことで、有権者の関心も高まります。
 市民の関心の盛り上がりの中で、当選した候補が、相手候補の公約についても政策に取り入れていくこともあると思います。

 実りある議論が行われ、住みやすい十日町市に近づく機会となることを願っています。

景気は良くなるのか?

 株価が上がったり、一部の企業の春闘で「満額回答」などが、話題になっています。

 円安により、輸入に頼っているエネルギーや食料など、いろんなものが値上がりしています。
 アベノミクスでは、2年間に2%のインフレを目指しているといいます。
 多分、2%のインフレは、景気と関係なく、主に為替変動によって実現するのではないかと思います。

 アベノミクスで、多くの国民が期待しているのは、「(好景気となって賃金も上がり)、自らの生活が良くなること」ではないでしょうか?
 果たして、その期待は現実のものとなるのか、大いに疑問です。
 実は、状況をよく見て考えようでは、遅いのです。
 政府は、一定のインフレになれば、消費税増税にGOサインを出すと思います。

 もし、「インフレになっても、生活が良くなる見込みがない」のであれば、消費税増税により、生活はさらに厳しくなります。

 これからの経済の見通しについて、より客観的なデータを積み上げながら、慎重に判断することが、国にとっても、私たちにとっても必要なことです。

 流れに乗るのはある意味楽ですが、その流れを客観的にとらえ、また、発信できるか、日本の総合力が試されています。

ナンバーワンの力

 分野を問わず、その世界のナンバーワンは大きな力を持っています。
 商品で言えば、その「商品そのものの力」よりも大きい力を持つことになります。

 例えば、ビール業界では「スーパードライ」が、2位の「一番搾り」の3倍以上の出荷量となっており、大きなシェアを誇っています。
 こうなると、スーパードライは最も入手しやすくなります。
 また、贈り物などでも「○○さんのビールの好みは分からないけれど、スーパードライにしておけば喜んでもらえるだろう」ということになります。ここの部分が、「商品力以上の力」であり、ナンバーワンに特別に与えられる力です。

 ビールに限らず、ナンバーワンになるためには、「現在のナンバーワンよりもかなり魅力的な商品」である必要があります。
 これはなかなか、難しいことです。

 お米では、「新潟県産コシヒカリ」とりわけ「魚沼コシヒカリ」がトップブランドといわれています。
 しかし、各産地の取り組みはかなり強力です。
 明らかに、「スーパードライと一番搾り」のような大きな差はありません。

 魚沼コシヒカリの産地としては、これまで以上に「おいしいお米」にこだわり、より喜んでいただける商品を目指していく必要があります。

「成長産業としての農業」のあるべき姿

 JAグループのシンクタンクと位置づけられているのが、農林中金総合研究所です。
 研究所が発行している「農林金融」に、「『成長産業としての農業』のあるべき姿」と題する文章が掲載されています。
http://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n1304win.pdf

 この文章は、農業現場としても納得できるものですが、やや、不十分なところもあります。
 「生産者側においても,集落営農の一層の推進による地域農業の活性化や地域に根ざした6次産業化への取組みなど,協同組合が核となったこれからの農業のあり方の具体的事例を積み上げつつ,自信を持って積極的に政策提言していくことが必要と考える」とあります。

 「集落営農」や「6次産業化」が何をもたらすことができるか、つまり、「集落営農」や「6次産業化」に精一杯取り組むとどの位の成果を上げることができるかということです。いささか、活性化の方策を「集落営農」や「6次産業化」に頼り切っている感があります。

 「集落営農」は、生産性の向上にある程度の成果を上げることができると思いますが、集落全体で見たときに、農作業に携わることのできない農業者が出てくると思います。
 本当に、農業者全員が納得できるような姿があるのか、疑問もあります。
 もっとも、労働力不足で地域農業が維持しづらくなったときの手法としての役割は評価できます。

 「6次産業化」は、一定の雇用を生み出すとは思いますが、最低賃金ぎりぎりの雇用では長続きしないと思います。正規職員並みの賃金を支払うようなビジネスモデルが確立できるか、さらに言うならば、6次産業化の成功事例と言われているところがどの程度の賃金を支払っているのか、客観的に検討することが必要です。
 もちろん、人口は増え続けていて、「家計は問題ないので賃金が低くても働きたいという人材」が多い地域では、話は違ってきます。

 スローガンだけでなく、全体像を示していかないと、何事も判断できません。

 研究所では、様々なレポートをまとめています。
株式会社 農林中金総合研究所
http://www.nochuri.co.jp/

FAXのさらなる進化を期待

 特定の相手に情報を伝える手段には、会って話す、電話で話す、メールを送る、手紙を送るなど、いろいろありますが、FAXもなかなか便利です。

 例えば、AさんにFAXを送ると、Aさんが在宅ならばすぐに見てもらえますし、不在でもFAXが到着したかはご家族の方でも分かります(ただし、メモリー受信を除く)。
 多分、10年先でも、通信手段としては生き残っていると思います。
 毎年のように、新機種が出され、機能も豊富になっています。

 しかし、FAXの稼働条件は、なかなか過酷です。

 自分がFAX専用回線で、相手もFAX専用回線であれば、最もスムーズです。

 FAX機能のみのもの、電話と兼務のもの、コピーやプリンタと兼務のものなど、FAX機器はいろんな種類があります。

 加えて、電話線が直接FAX機器につながっていることの他、FAX機器からさらに電話機につながっているなど、配線方法もいろいろです。

 また、留守番機能付きのものは、一定回数の呼び出しの後、FAX機能が有効になります。
 呼び出しが一定回数に達するまでに受話器を取った場合、スムーズにFAX機能に切り替わる必要があります。

 まだまだいろいろありますが、FAXを取り巻く環境は非常に複雑です。

 送り終わるまでついていれば一番安心ですが、忙しいとなかなかそうもいきません。

 これまでの経験のなかで「便利は便利だけれど、少し手間がかかるなぁ」と思うことも結構あります。

 是非、家電メーカーには、「実際にどのようなときに不便であるか」について調査を行っていただきたいと思います。
 その上で、各メーカーが足並みをそろえ、例えば「どのメーカーでも『○○マーク』のついているFAX機器であれば、スムーズに接続できます」というようになれば良いと思います。

 よろしくお願いします。

バナナの話

 ある研修会で、生協の方のお話を聞きました。
 その方は、長く班長をつとめられ、「ようやく班長を降りることができた」とのことでした。

 今は個別宅配が一定のシェアがあります。
 しかし、その時点では「品物は班単位で配達され、組合員は班長宅で受け取る方法」が一般的でした。

 ちょうど、「より完熟に近いバナナ」の取り扱いが始まって、1〜2年が経過した頃だったと思います。
 その方は、「始まった当初は、より完熟に近いバナナは傷みやすく、ちょっと傷み気味かなと思うようなバナナもありました」と前置きした後、こともなげに「バナナが企画されたときは自ら必ず注文して、状態の良いバナナを班員に回すようにしました」「いまは商品管理もよくなり、ほとんど問題はありません」と話されました。

 これを聞いて、「すばらしい班長さんだ」と思うとともに、「このような班長さんに育てたこの生協は、組合員の創意工夫をとても大切にし、組合員からも大切に思われている」と感じました。

 ものを作ったり、運んだり、売ったり、買ったりなど、常に「微妙な要素」を含んでいます。
 それだけに、お互いの人間性が尊重され、信頼が基本になっています。
 もちろん、床屋さん、看護師さん、修理屋さんなどなど、多くの方に共通しています。

飢えるのは、あなたです

 じっくり読んでいただきたい記事です。
 毎日新聞のオピニオンです。
 コピーアンドペーストでお願いします。
 2ページ目の一文がずっしり感じます。
「所得が今の半分だったころはみんな村に住んで活気があったのに、所得が倍になったら誰もいなくなった。なぜですか?」
http://mainichi.jp/opinion/news/20130401ddm003070090000c.html

希有な幸運に恵まれた日本。日本らしい配慮は?

 世界中にいろんなニュースが報道されています。もちろん、報道されていることが正しいのか、報道されるべきことが報道されているのかなど、いろいろ考えることはあります。
 そういう状況を含めても、最近実感することがあります。

 それは、日本は希有な幸運に恵まれてきたということです。

 1つは、平和憲法を掲げてきたことですが、ここでは割愛します。

 ここで述べるのは、国民生活の向上が、国内産業の発展と足並みをそろえてきたことです。
 家電製品に関して例を挙げれば、ラジオ、テープレコーダー、テレビ、ビデオ、パソコンなど、私たちの生活に当たり前のように存在している様々な製品の開発や普及に、国内産業に大きな役割を果たしてきました。
 製造業だけでなく、まちの電気屋さんも、家電製品の普及によって事業を継続してきました。
 衣料にしても、文房具も、スポーツ用品も、国民と国内産業が、ほぼ歩調を合わせ、歩んできました。
 品物やサービスに対して、国民が支払ったお金が、企業などに行き、国内で循環しました。
 豊かになるに従い、この循環はより大きくなっていきました。

 日本製品の品質の良さなどが評価され、世界中に輸出され、経済大国となり、それによって豊かになってきました(もちろん、それによって失ったものなどもあると思います)。

 循環については、国民が支払ったお金のほか、輸出代金も加わり、国民生活にプラスに作用しました。

 それでは、現在、成長期を迎えている国はどうでしょうか。
 それらの国では、安価な物価や豊富な労働力などに支えられて「品質も一定以上で、価格競争力のある」商品を生産し、それを輸出することで、経済を豊かにしています。
 しかし、スーパーや外食産業など、多くの外国資本が入り、国民が商品やサービスに支払ったお金の一定部分は、外国資本に渡っています。
 循環でいえば、このような状況ではなかなか大きな循環にはなりづらいと思います。

 「日本が進出しなくても、他の国が進出するのだから、同じじゃないか」といわれそうです。
 これについては、全くその通りです。
 でも、日本らしい進出の仕方があると思います。
 素人の視点で挙げてみると、できるだけその国での循環を大きくするよう配慮すること(日本企業のもうけを控えめにすること)、現地の人材育成に力を入れること(企業社員として受け入れ留学の機会を設けることも方法だと思います)、日本と現地がともに成長できるようお互いによりよいシステムを作り上げることなどが考えられます。

 このためには、日本は過度に外国に依存しないように、内需中心の経済を、もっと重視すべきです。「国益のために外国に攻め入る」というでのはなく、です。

 「資本の論理」が力を増しているなかで、日本らしい国際貢献を探っていくべきです。
 従来からの「日本らしい考え方」は、「資本の論理」とは相容れない面があるかも知れませんが、長い目では優れている点が多いと信じています。
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