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☆観光は戦略的に

 観光による活性化については、戦略に十分練ってから、慎重かつ強力に取り組むことをお願いします。

 今の十日町市は、イベントがたくさんあり、マスコミにとっては報道のネタに事欠きません。
 「観光によって地域を活性化する」という考え方もあると思いますが、非常に難しいと思います。

 以前、「スキー客が大勢きても、日帰りが中心で、宿泊するのも車では、スキー場の地元にお金が落ちない」との指摘を聞いたことがあります。
 特定の業種(タクシー、飲食店など)は観光で比較的活性化しやすいと思いますが、「地域を活性化」と考えた場合、もっと大きな視点が必要です。

 例えば、「SLを走らせて活性化」という人もいます。
 しかし、SLが走る日だけ、観光客が増えても、マスコミ報道で知名度は上がるかも知れませんが、地域の活性化には簡単につながるとは思いません。SLが走るたびに新鮮度は薄くなり、ニュース価値も低くなっていきます。
 「十日町市はイベントがたくさんあって有名だから、是非移り住みたい」という方はいるのでしょうか。
 話をSLに戻せば、例えば、次の取り組みを行うことはいかがでしょうか。
〇写真や絵画コンテスト(SLを撮った写真や絵画、SLに乗車して車窓から撮った写真や絵画)を行う。
〇SLのなかで、地場産品や風景写真などを展示する。
〇泊まりがけでSLを語る集いを開催し、専門家の講演、地酒や地場食材の食事、お互いの交流などを行う。「光の館」など、特色ある施設を活用する。
〇SLファンクラブを設立し、定期的な交流、情報発信、交流イベント(信濃川の川下りを楽しみ鮭を味わう、食品工場見学、地ソバによるソバ打ち、農業体験など)など、地域全体を楽しんでもらえるようにする。

 「SLを走らせるだけではなく、いろいろな交流の足場とする」ことについては、SLを走らせるために活動されている団体の方にも納得していただけるものだと思います。

 観光に取り組む場合には、十分に戦略を練らないと、一定の観光客は訪れても、十分な成果はあげづらいと思います。

 なお、蛇足ですが、昨年SLが走った際に「こんなに汽笛が頻繁になって、しかも音が大きいのか」とびっくりしました。
 「入試や模擬試験の最中にSLが走ると、受験生は困るな」と思いました。

 もっと蛇足ですが、蒸気機関の抜本的な改善を行わないと、「低炭素化への取り組み」と「SLを走らせること」は、矛盾します。

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