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希有な幸運に恵まれた日本。日本らしい配慮は?

 世界中にいろんなニュースが報道されています。もちろん、報道されていることが正しいのか、報道されるべきことが報道されているのかなど、いろいろ考えることはあります。
 そういう状況を含めても、最近実感することがあります。

 それは、日本は希有な幸運に恵まれてきたということです。

 1つは、平和憲法を掲げてきたことですが、ここでは割愛します。

 ここで述べるのは、国民生活の向上が、国内産業の発展と足並みをそろえてきたことです。
 家電製品に関して例を挙げれば、ラジオ、テープレコーダー、テレビ、ビデオ、パソコンなど、私たちの生活に当たり前のように存在している様々な製品の開発や普及に、国内産業に大きな役割を果たしてきました。
 製造業だけでなく、まちの電気屋さんも、家電製品の普及によって事業を継続してきました。
 衣料にしても、文房具も、スポーツ用品も、国民と国内産業が、ほぼ歩調を合わせ、歩んできました。
 品物やサービスに対して、国民が支払ったお金が、企業などに行き、国内で循環しました。
 豊かになるに従い、この循環はより大きくなっていきました。

 日本製品の品質の良さなどが評価され、世界中に輸出され、経済大国となり、それによって豊かになってきました(もちろん、それによって失ったものなどもあると思います)。

 循環については、国民が支払ったお金のほか、輸出代金も加わり、国民生活にプラスに作用しました。

 それでは、現在、成長期を迎えている国はどうでしょうか。
 それらの国では、安価な物価や豊富な労働力などに支えられて「品質も一定以上で、価格競争力のある」商品を生産し、それを輸出することで、経済を豊かにしています。
 しかし、スーパーや外食産業など、多くの外国資本が入り、国民が商品やサービスに支払ったお金の一定部分は、外国資本に渡っています。
 循環でいえば、このような状況ではなかなか大きな循環にはなりづらいと思います。

 「日本が進出しなくても、他の国が進出するのだから、同じじゃないか」といわれそうです。
 これについては、全くその通りです。
 でも、日本らしい進出の仕方があると思います。
 素人の視点で挙げてみると、できるだけその国での循環を大きくするよう配慮すること(日本企業のもうけを控えめにすること)、現地の人材育成に力を入れること(企業社員として受け入れ留学の機会を設けることも方法だと思います)、日本と現地がともに成長できるようお互いによりよいシステムを作り上げることなどが考えられます。

 このためには、日本は過度に外国に依存しないように、内需中心の経済を、もっと重視すべきです。「国益のために外国に攻め入る」というでのはなく、です。

 「資本の論理」が力を増しているなかで、日本らしい国際貢献を探っていくべきです。
 従来からの「日本らしい考え方」は、「資本の論理」とは相容れない面があるかも知れませんが、長い目では優れている点が多いと信じています。

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