2014年01月27日
ヴィンテージなオノトを修理してみました。
折角の休日。修理途中のまま長い事ほったらかしていた『オノト』をこの機会に修復してしまおうと思い立ちましたわ。
昨年から仕事の合間にコツコツとパーツ集めをしていたのですが、肝心のコルクワッシャーが手に入らず、「これは自作するしかないな〜。でも直してる暇がないし〜」と中々踏ん切りがつかないでいたのですわ。
初めはジャンク同然でしたが、両ベロ式のニブユニットが手に入ったのを皮切りに復元の為の材料集めを始めたのが半年前くらいでしょうか。
色々構造を調べて行くうちに、第一次世界大戦直後(1920年代)の作品なのか〜と、擦り切れながらもかすかに残ったロゴに歴史を感じながら今日まで来た訳です。
心臓部とも言えるプランジャーロッドが折れちゃってたのが致命的でした。
その後、奇跡的に同年代のジャンクパーツからロッドを、そしてイギリスからラバーワッシャーを取り寄せました。見つからなければ、エボ屋さんにカスタムオーダーしようかとも考えてました。
そして軸の気密を保つ為に必要なコルクワッシャーが必要でしたが、ここを参考にラバーワッシャーで代用可能かもと期待したのですが、内径3.0mm外径5.0mmのサイズの物は国内流通していなさそうでしたので、仕方無く管楽器のウォーターキーに使うコルクを調達しました。
余談:横着してワインを何本か空けたのですが、残念な事に最近の物は圧縮成形したコルク栓を採用している物ばかりで使い物になりませんでしたわ。
そして道具はサーキット(基盤)用のドリルと棒ヤスリ。本来ならコルクボーラーと言う物で外周をくり抜いてから中心に穴を開けるのが楽なのですが、パーツの寸法が災いして精密な加工をするには『内→外』の順番で加工する方が安全という結論に。
そんなこんなで穴あけ完了〜。
コルクワッシャーを嵌める部分のサイズを再確認。
あと1mmちょっとダイエットすれば行けそう。
指で持つと潰れてしまいそうでしたので、ラジオペンチで挟んで根気よく研削。
このラジペンはギザギザが無いので跡がつかない優れものなのです。
ワッシャーを2つに分ける事で中心の穴がコンマ数ミリずれても大丈夫なのですが、きっちり中心を合わせて置く事でインク吸入がスムーズになる。
2個目が出来たら早速はめ込んでみるとコルクが締まっていい感じに納まりました。
次にコルクを押さえるネジを木工用研削ビットの先端で廻し入れます。
何気に逆ネジ(左回りで締まる)な尾栓を取り付け・・・。
忘れずにエボナイト製のピンでかしめまする。
金属パーツはニブとプランジャーロッドの中骨くらいしか無いので、正に鉛筆の様な軽さ。
その存在感の希薄さによくもまあ(半ばバラバラでしたが)半世紀以上も無事でいられたなあと感心しますわ。
仕上げに潤滑剤(昔は天然オイルだったのかな?)をひと塗り。
取り敢えずは無事に完成〜。
下準備が良かったのか3時間程度で終わりましたが、暫くはもったいなくて使う事が出来そうに無いですわ。
因みにこちらの動画を参考にさせていただきました。
Thank you very much! Grandmia Pens