シナリオと小説の森

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さくらももこ先生がお亡くなりになりました。

心よりご冥福をお祈りいたします。



漫画『ちびまる子ちゃん』をはじめエッセイ『もものかんづめ』でも

大変楽しませていただきました。

本当にありがとうございました。


『ちびまる子』が月間漫画雑誌『りぼん』に掲載され始めたとき

私は小学6年生でした。『ちびまる子』が大好きで毎月買うのが楽しみでした。

当時『お父さんは心配症』というギャグ漫画も掲載されていたのを

懐かしく思い出します。


『ちびまる子』と『お父さん』を比べると、『ちびまる子』の方が

上品な笑いだったのですね。当時はそんなこと考えないで

笑って読んでいました。


『ちびまる子ちゃん』は、まるで自分のことが描いてあるような

「そうそう、そうだよね！」という感覚を覚えた作品の一つ。

シンパシーという名の衝撃を受けたのを記憶しています。


高校生の時、街頭インタビューで『ちびまる子ちゃん』は好きですか？と

たずねられ、とっさに「好きです」と答えてそれが放送されたことも

ありました。

さくら先生がそのテレビをご覧になったっていたら嬉しいです。


まわりのひとたちから「ちびまる子に似ている」と言われたこともあります。

さらに親近感がわきました。


『りぼん』では10年掲載され、

テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』はなんと25年以上も放送されているとか。

すごいですねー。


さくら先生は、病気のことを隠していらっしゃいました。

昨今、病気を公表する芸能人が多い中、先生が隠し通したことは

潔さを感じました。


芸能人だからって、何でも公表すればいいってもんじゃない。

プライベートなことは隠していい。


マスコミはプライベートなことにもどんどんつっこんでいくから

嫌いです。

しかし、ブログも一種のマスコミであるような気がいたします。

時代は変わりました。


さくら先生のエッセイ『もものかんづめ』面白いです。

さくら先生、本当にありがとうございました。

一生忘れません。


私も、先生のように、人を楽しませることをモットーに

生きて行きたいと思います。

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こんにちは。

夏休みに、上高地、黒部ダム、室堂へ行ってきました。

上高地はその昔、神が降りる地で神降地というほど美しい場所です。

お天気がよく、ほどよく涼しくて、山も川も森も綺麗で感動しました。

サルがいて、道をふさいだりして、楽しい散策を満喫しました。




有名なかっぱ橋が見えます。

ここで、何か作品が創れたら最高だなと思いますが

その場所にいたときは何も考えられませんでした。

ただただ自然の美しさに圧倒されていました。



バスで５時間かけていきましたが、あっという間でした。

途中休憩した吹上という場所で食べたスイカとソフトクリームが

とっても美味しかったです。

上高地へはまたいつか行きたいと思います。





黒部ダムは、一度訪れてみたいと思っていた所です。

トローリーバスに揺られて行きました。

スケールが大き過ぎてくらくらしました。

想像していたよりも階段が多く、けっこう疲れました。



黒部湖という湖が本当にはっきりと綺麗に見えました。

ガイドさんも驚くくらい美しかったのです。


ケーブルカー、ロープウェーを乗り継いでもっと高い場所へ。

そこは、室堂平という日本アルプスと呼ばれる聖地。



室堂という場所は、まるでアルプスの少女ハイジの世界。

こんな場所があったのね！と気分爽快！でした。

石に座ってお弁当を食べたりして、気持ちよかったです。



この湖は、ミクリガ池と言います。

空気が澄んでいて、キレイな美味しいお水が湧いていました。

ペットボトルにくんで飲みました。


たまには、こうして、自然の中へ行って非日常を体験するのは

すごく楽しいし、創作にプラスになります。

パワースポットで力をいただきました。







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【an・an掲載】彼を誘惑して、衝動を駆り立てる！『ベッド専用香水』

こんにちは。

芥川賞を受賞された高橋弘希さんの『送り火』を読みました。

確かに、文章力は素晴らしいと思いました。


しかし、審査員の方々もおっしゃっているように、暴力の方はどうなんでしょう。



私は暴力反対です。

救いがない。

え？ここで終わり？

読んでいる最中もですが、読み終わった後に嫌な感じがしました。


シナリオの先生から「後味の良さ」が大切だと習ったので

違和感が半端なかったです。


純文学ってこういうことなのかな？芥川賞ってこういうものなのかな？

考えさせられました。



選考委員の高樹のぶ子さんはこう述べている。


文学が読者を不快にしても構わない。

その必要が在るか無いかだ。

読み終わり、目をそむけながら、それで、何？と呟いた。

それで何？の答えが無ければ、この暴力は文学ではなく

警察に任せれば良いことになる。







私はずっと暴力から目をそむけていた。飛ばし読みをした。

だから正確にはこの小説を理解していないのかもしれない。



選考委員の中には「読みにくい」という人もいた。

「読みにくい」とはどういう意味だろうと考えたが

暴力的な表現が酷くて読むのが辛くなるということだと分かった。


宮本輝さんもこう述べている。


最後の場面は残酷で、主人公の少年はこのまま殺されてしまうのかと、

その不当さに首をかしげざるを得ない。




しかしながら、高橋さんの描写力、ディテールの描き方の上手さには

どなたも丸をつけています。


芥川賞に選ばれるには「文体」の新しさ、オリジナリティが大切と

以前読んだことがあります。



高橋さんご本人はインタビューで「なぜ理不尽な暴力を描き続けるのか？」

という質問に対して「明確な理由はわからない。本当は、ほのぼのとした小説も書きたい」と

述べていた。（文藝春秋95thより）


よく考えたら、高橋さんの本は宮澤賢治さんの本に似ていると感じました。

宮澤賢治さんの本も、自然描写が美しく芸術性が高い反面、暴力的な表現も

時々見受けられました。

セロ弾きのゴーシュしかり、オツベルと象しかり。


高橋さんご本人が意識しているか否かはわかりませんが、私は

現代の宮澤賢治と呼びたいです。

前編のつづき



○しまの家

　　　一人暮らしだが、産婆らしくきちんと整っている。

　　　しま、江頭が入ってくる。

しま「狭い所ですが、どうぞ」

江頭「ここでよい」

　　　しまは座敷に上がり、江頭は腰掛ける。

しま「ご新造さんが亡くなってずいぶんなりますよねえ。きれいな方だったのに」

　　しま、上目使いに江頭を見る。

江頭「手短に聞くが、お前がとりあげた赤子が死んでいたというのは本当かい？」

　　しまは、オーバーに手を挙げて、

しま「そうなんですよぉ！運が悪いっていうかなんていうか、二人も」

江頭「死んだまま出てきた、と」

しま「へえ、あたしがとりあげた時にはもう」

　　　しまの目線が右上に向く。

江頭「生まれてから死んだのでは」

　　　しま、足をもじもじさせている。

しま「いいえ、さいしょっから死んでました」

　　　江頭、懐から女物の櫛を取り出し、じっと見る。

　　　江頭、部屋の中をぐるりと見回し、

江頭「そうか、わかった。邪魔したな」

　　　江頭、腰を上げる。

　　　江頭、戸を開けながら、

江頭「しかしあれだな、死んだ子がどうやって出てくるんだろうな」

　　　しま、包丁に目をやる。






○町中の道

　　　江頭と佐吉が歩いている。

江頭「まさかとは思うが」

佐吉「ですよね」

江頭「しかし、証拠がねえ」

　　　と、きえ（18）が青白い顔でふらふらと歩いてくる。

　　　きえは胸に包みを抱いている。

佐吉「おきえ、どうした？」

　　　きえは佐吉を横目で見て吐き捨てる。

きえ「親分が何もしてくれないからですよ」

佐吉「ちょ、ま、まて、どこへ行く気だ？」

きえ「あのババアぶっころしてやる！」

佐吉「やめろ！」

きえ「あの子の仇をとるんだ！」

佐吉「おかしなこと考えるな！」

　　　江頭が、きえの肩に手を添える。

　　　きえは泣き崩れる。

　　　江頭、佐吉に向かってうなずく。

○茶屋

　　　江頭、佐吉、立っている。

きえ、腰掛けて茶を飲む。

江頭「どうだ、落ち着いたか？」

　　　きえは小さくうなずく。

江頭「お前はおしまがやったと言うんだな」

　　　きえ、大きくうなずく。

きえ「あたし、産んだばかりでよく覚えてないんですけど……あたしの子は確かに泣いたんだ。泣いてたのに途中で泣くのをやめた。おかしいなと思ったら、あのババアが……」

　　　きえ、号泣。

佐吉「見たのか？」

　　　きえ、首をふる。

きえ「感じたんだ」

　　　江頭、顎に手をやり、空を仰ぐ。







○鉄瓶長屋

　　　井戸の周りに女たちがたむろしている。

　　　しまが大きな声で、

しま「あと何年生きられるかわかんないんだからさー、いいことも悪いこともぜんっぶやって、やりつくしたいねー」

　　　しまの後ろに江頭と佐吉がいる。

江頭「悪いことたぁ、たとえば殺しか？」

　　　しま、固まる。

　　　しま、ゆっくりと振り返る。

しま「だ、旦那ぁ、立ち聞きなんて、人が悪い」

　　　江頭と佐吉、しまを睨む。

江頭「おしま、ちょっくら奉行所まできちゃくれねえか？」

しま「なんであたしが？」

江頭「赤子殺しの疑いがかかってる」

しま「なんだって！じょーだんじゃない！」

　　　しま、太った体をプリプリさせて逃げる。

江頭「おい！」

○しまの家

　　　しま、江頭、佐吉が入ってくる。

しま「あたしはやってない！」

江頭「奉行所で聴く」

しま「いやだ！」

　　　しま、包丁を手にして振りまわす。

　　　江頭、刀に手を添える。

　　　佐吉、十手を握る。

しま「やれるもんならやってみな！」

　　　江頭、佐吉を制する。

江頭「お前がヤッたんだな」

　　　しま、江頭に向かって包丁を突き出す。

江頭「はじめてか？」

　　　江頭、しまの手を押さえて、

江頭「前にもヤッたのか？」

　　　しま、ニヤリと笑う。

　　　しま、暴れて包丁が江頭の胸にあたる。

江頭「ぐう」

　　　佐吉が十手を両手で持ち、しまの口に突っ込む。

　　　十手がしまの頭を貫通する。

　　　崩れ落ちるしま。

佐吉「とんでもねえ古狸でしたね」

　　　江頭、懐から割れた櫛を取り出す。

江頭「酒が飲みてえ」

　　　江頭、グッと櫛を握る。




おわり




※この物語はフィクションです。

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課題「時代劇」









『酔いどれ同心　虎之助』








　　　　　　　　　　　　　　　
　　　登場人物

江頭虎之助（30）奉行所の同心

しま（40）産婆

佐吉（22）岡っ引き

きえ（18）八百屋の嫁















○墓場

　　　江頭虎之助（30）が墓石の前で拝んでいる。

　　　江頭は、黒の羽織、腰に刀を差している。

　　　墓石には「江頭家」とある。

Ｎ「虎之助には、芳乃という妻がいた。しかし、四年前自ら命を絶った。せっかく授か

った我が子を死産させてしまった責任を重くとらえてのことである」

　　　と、佐吉（22）が駆けてくる。

　　　佐吉は、股引に着物、腰に十手。

佐吉「だ、旦那、探しやしたぜ」

　　　江頭は目を閉じたまま、

江頭「邪魔をするな、今、芳乃と話しておる」

佐吉「すいやせん、でも旦那、どうしてもお

耳に入れたいことが」

　　　江頭は目を開け、チラリと佐吉の顔を見る。

江頭「盗みか。殺しか。その前にだ……」







○町中の通り

　　　人でごった返している。

　　　江頭と佐吉が歩いてくる。

　　　と、４歳くらいの男の子が母親に手を引かれて歩いている。

　　　江頭と男の子、目が合う。

　　　にっこり笑う男の子。

江頭「生きていたら、あれくらいになっただろうなぁ」

佐吉「へい」

　　　佐吉、江頭の横顔を見る。

○居酒屋

　　　江頭と佐吉が酒を飲んでいる。

江頭「で、話ってのは？」

　　　佐吉、手で口元を拭って、

佐吉「実は、妙な噂がありやして」

江頭「妙な噂？」

佐吉「へい。ここんとこ、赤子が立て続けに死んで生まれてくると」

　　　江頭は、杯を持つ手を一瞬止める。

江頭「ふん」

佐吉「そんで、そんときの産婆が、その」

江頭「産婆がどしたい」

　　　佐吉、唇を噛んで、

佐吉「……おしまさんらしいんです」

　　　江頭はぐいと杯を空け、

江頭「おしま？おしまならよく知ってる。芳乃も世話になった。あいつは器量は悪いし口も悪いが、心根の清いやつだ」

佐吉「で、ですよね」

江頭「お前、まさか、おしまを疑ってるんじゃ」

佐吉「と、とんでもねえ！ただ噂になってるってことを旦那に伝えなきゃって」

　　　江頭は顎に手を当てて、

江頭「ふむ」

　　　佐吉は上目使いに江頭を見ている。

江頭「よし、おしまにじかにきいてみるとするか」

　　　江頭は徳利を持ち、店の者に向かって、

江頭「もう一本頼む」

　　　店の者がへいと返事をする。






○鉄瓶長屋

　　　井戸があり、女たちがしゃべっている。

　　　その中に、しま（40）がいる。

　　　江頭と佐吉が歩いてくる。

　　　しまは話すのをやめ、

しま「やだ、旦那！お久しぶり！相変わらずいい男だね！」

　　　江頭は微笑み、佐吉は口を結んでいる。

江頭「しばらく見ないうちにまたずいぶんと肥えたな」

　　　しまは太い体をくねらせて、

しま「おんなっぷりが上がったっていってくださいよ！もう」

　　　佐吉は身震いする。

江頭「ちょっといいか」

　　　しまは、一瞬、女たちの顔色をうかがう。

しま「へえ、なんでしょう？」



つづく




※この物語はフィクションです。

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こんにちは。

最近、面白いドラマといえばTBS『義母と娘のブルース』。

脚本は、森下佳子さんです。

さすがです。


NHKの朝ドラ『ごちそうさん』の方です。

東大出身で、『家政婦の三田』の遊川さんのお弟子さんです。


私が通ったシナリオの学校『シナリオ・センター』の先輩。

しかし森下さんは大変優秀だったので半年くらいで

学校には通わなくなってしまったようです。

すぐプロになってしまわれたそうです。


『義母と娘のブルース』ですが、神回は４話だったと記憶しています。

そして、６話の途中から第二章がはじまるという

夜のドラマとしては珍しい展開のように感じました。

まるでNHKの朝ドラのような進み方。


奇しくも今現在やっている『半分、青い』と出演者が被っているという。

佐藤健くんってすごい人気あるんですね。





義母と聞いて、最初は嫁と姑のドラマかと勘違いしてしまいました。

義母は義母でも、継母のことだったんですね。

確かに、タイトルが『継母と娘のブルース』では、なんだかキャッチーじゃないですね。

タイトルって大事です。


竹野内豊さんって、年を取っても素敵ですね。

キャスティングも大事です。


第二章が始まったばかり。どうなるのでしょう？気になります。

この、視聴者を「どうなる？どうする？」と思わせることが

ドラマを面白くさせるのです。


このドラマの主人公亜希子のキャラが強烈で、コメディなので

脚本家は『家政婦のミタ』の遊川さんかと思い、次に『逃げ恥』の

野木亜紀子さんかと思ってしまいました。


『逃げ恥』と『ぎぼむす』は、火曜日TBSという共通点はあります。

プロデューサーさんが一緒なのかな？


結婚、家族、恋、愛などがテーマ。

いいですね。

お盆ですね。

主人の実家（埼玉県）では、お盆の親戚まわりが風習となっています。

お供え物とお金をもって、一軒一軒挨拶まわりをするのです。

みなさんの地元でもいろんな風習があるのでしょうね。



さて、読売新聞の人生案内という記事を読んだことがありますか？

人生相談という新聞もあるかもしれません。

このコーナーが創作のヒントになることが結構あります。

ですので、新聞を読む際には必ずチェックしてみてくださいね。



例えば、日経新聞に掲載されている『なやみのとびら』

読者の方からのお悩みに作家や女優の方が答えるというコーナー。

前回は、「夫に素直に愛情表現ができない」という40代の女性の方からの

相談でした。


それに対して作家の石田衣良さんが、こう答えていました。


「なにもむずかしく考えることはありません。言葉なんて簡単な方がいい。

おすすめは『好き』と『ありがとう』です」


夫に対して、

「今でも好きだよ」「長いあいだ、ありがとね」

これでほろりとこない男はまずいません。

ぜひ試してみてください。


とのこと。

私も、常日頃から「好き」や「ありがとう」は口癖のように

つぶやいております。

これが夫婦円満の秘訣なのかもしれません。


この人生相談の何が創作の役に立つのかと言えば、

世の中の人はこんなことで悩んでいるんだ、困っているんだ

ということがわかり、その問題を解決する方法を考えて

面白おかしくお話しにすれば小説になります。

小説を立体的にしようとすればシナリオになります。


日ごろから人の悩み、問題を意識してネタとして集めることが

創作の準備段階です。

取材です。

取材をどんどんしましょう。

人から何か相談されたら進んで聴きましょう。

こんにちは。

昨夜は、花火大会へ行ってきました。

主人が「浴衣を着て行こう！」と言うので、帯の結び方を勉強しました。


女性の浴衣の帯の締め方


男性の浴衣の帯の締め方


ネットにたくさん載っていて本当に助かりました。

有り難いです。

おかげさまでスムーズに着付けできました。


帯の動画が気に入ってしまい、何度もみてしまいました。

気持ちいいのです。

これみながらお酒が飲めます。



しかし浴衣は暑い。

汗が半端なかったです。


秩父宮ラグビー場で花火をみましたが、すごい人でした。

パフィーもライブしていました。


１０数年前に一度みたことがありましたが、スポンサーが

「ヤクルト」「すき家」「スーモ」「やきそばUFO」とか

面白かったです。


女性の浴衣は「白地に花柄」が今年の流行なのでしょうか。

白が多かったです。



１９:３０〜２０：３０　一時間ですが、最後の5分間くらいが

クライマックスですので、お見逃しなく！












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『六感刑事（ろっかんデカ）』　２話　（１話へ）





○万田のアパート（夜）

○同・玄関（夜）

　　　元木がチャイムを押す。

　　　万田が出てくる。

万田「なんですか？」

元木「すいません、ちょっと中を見せてもらえませんか？」

万田「困ります」

元木「めぐみちゃんと話をしたことがありますね？」

万田「挨拶くらいは」

元木「うそをつくのもええかげんにせえ！」

万田「令状はあるんですか」

元木「おまえが犯人だってことはわかっとるんじゃ！」

万田「証拠は？」

　　　元木、唇を噛み、拳を震わす。

元木「絶対、逮捕する！」

　　　万田はバタンとドアを閉める。

　　　元木が身震いする。

　　　と、後ろにめぐみがいる。

　　　めぐみが手招きする。

　　　元木、めぐみについていく。

○同・ゴミ置き場（夜）

　　　ヒモで縛られた雑誌が置いてある。

　　　元木が白い手袋をして雑誌を見る。

　　　雑誌はロリコン専門のもの。

　　　めぐみが手を振って消える。

　　　元木はうつむく。

○広島県警・捜査二課（夜）

　　　デスクが５０ほどある広い事務所。

　　　倫子が刑事たちと話している。

　　　元木が入ってくる。

倫子「元木さん、万田のアリバイが崩れました。あの日、家庭訪問をキャンセルした母親がいて、

万田は家庭訪問をしていなかったんです。しかも、万田に似た男が雑木林の近くで目撃されています」

元木「こっちも物的証拠を見つけた。今鑑識に指紋を取ってもらってる。これで令状が出るじゃろ」

倫子「元木さん、最初から犯人がわかってたんですか？」

元木「ああ、タバコすいたい」

　　　元木、チョコレートを食べる。

倫子「ごまかさないでください」

元木「チョコくうか？」

倫子「何かかくしてませんか？」

　　　と、倫子のケータイが鳴る。

倫子「はい、神原です。……なんですって！」





○小学校・前の道（夜）

　　　元木と倫子が乗った黒い車が走る。

○同・屋上（夜）

　　　万田が立っている。

　　　万田、飛び降りる。

○同・校庭（夜）

　　　万田が倒れている。

　　　元木、倫子が走ってくる。

　　　万田の頭から血が流れている。

元木「くそっ、遅かったか……」

倫子「きゃ」

　　　元木と倫子が立ち尽くす。

　　　元木が身震いする。

　　　と、後ろに万田（遺体ではない方）が立っている。

万田「あの子が悪いんだ」

　　　元木は身震いして、振り返る。

元木「（倫子に向かって）本部に知らせてきてくれ」

倫子「了解！」

　　　倫子、車に戻る。

　　　元木は万田（遺体ではない方）を睨んでいる。

元木「なんじゃ？」

万田「あの子が僕と結婚したいっていったんだ。それなのに他の男と手をつないで帰ったんだ」

元木「愚か者め！７才の女の子が本気で結婚したいなんて考えるか？結婚の本当の意味もわからんじゃろ。

あの子は教師としてのお前に純粋に憧れていただけじゃ。未熟者め！」

　　　万田、泣き崩れる。

万田「僕は本当に愛していたんだ！」

元木「違う！お前はあの子を愛してなんかいない。お前が愛していたのはお前自身じゃ！」

万田「生まれ変わったら絶対結婚する」

元木「お前は生まれ変わらない。わしの前に二度と現れるな。もし、現れたとしてもわしは絶対無視する。

無視し続ける！」

万田「僕はどうなるのかな……」

元木「地獄へ落ちて罪を償え」

　　　万田が死神に連れて行かれる。

　　　倫子が戻ってくる。

元木「タバコくれ」

　　　倫子はポケットからタバコを取り出す。

　　　元木がタバコをくわえ火をつける。

　　　元木、まずそうに一服する。





※この物語はフィクションです。






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課題「刑事」









『六感刑事』

〜生まれ変わったら〜







　　　　　　　　　　　　　
　　　登場人物

　
元木優（すぐる）（42）刑事（男）

神原倫子（29）刑事

万田剛三（25）小学校教師

天野めぐみ（７）小学二年生














○雑木林（夕）

　　　カラスが騒いでいる。

　　　万田剛三（25）が天野めぐみ（７）に馬乗りになっている。

めぐみ「ギャー」

　　　万田がめぐみの胸に刃物を突き立てる。

　　　十回突き立てる。

○広島県警・外観

　　　黒い高層ビル

○同・会議室

　　　『少女失踪事件捜索本部』と書かれた張り紙。

　　　10名ほどの刑事が集まっている。

　　　元木優（42）がホワイトボードの前に座っている。

　　　元木はサングラスにひげ。

　　　隣に神原倫子（29）が座っている。

元木「捜索対象は小学二年生の女の子。名

前は天野めぐみ。７才。一昨日の午後二時

ごろ、友人宅へ遊びに行くと言って出かけ

た後行方不明になった。年齢から、何者か

に連れ去られた可能性が高い。今のところ

目撃証言などはなし」

　　元木はチョコレートを出して食べる。

倫子「両親の話では、失踪当時めぐみちゃん

が身に着けていたのは白いワンピース、ピンク色の靴、黄色いかばん以上です」

　　別の刑事が話し始める。

○天野家・前

　　　黒い車が一台止まっている。

○黒い車の中

　　　運転席に元木、助手席に倫子。

倫子「ご両親、ぜんぜん寝てないみたいでしたね」

元木「家庭に問題はなさそうじゃのう」

倫子「えっ、両親を疑ってたんですか？」

元木「当たり前じゃろ。家族が一番怪しいん

じゃけん。一般的に殺人事件の一番の理由は肉親の恨み。基本じゃろ」

倫子「悲しくなります」

元木「何年刑事やっとるんじゃ。次いくぞ」

○小学校・応接室

　　　万田剛三（25）と、元木、倫子が向かい合って座っている。

　　　万田は好青年といった感じ。

元木「これはすべての方に形式的にお聞きし

ているのですが、めぐみちゃんの失踪当日

どこで何をしていましたか？」

万田「あの日は、家庭訪問の日でした。午後

二時から夕方六時まで各家庭を回ってい

ました。こちらがその日程表です」

　　万田は、一枚のプリントを出す。

元木「ありがとうございます」

　　　と、元木が身震いする。

元木、部屋の隅に目をやる。

　　　部屋の隅にめぐみが立っている。

　　　元木以外にめぐみは見えていない。

倫子「めぐみちゃんの家も訪問したのですか？」

万田「いえ、クラスが違うので」

倫子「めぐみちゃんと話したことは？」

万田「ありません」

　　　めぐみが万田を指さしている。

　　　元木は小さくうなずく。

元木「ご協力ありがとうございました。最後

に一つだけ、先生はイケメンだから女子生徒にモテるでしょう？」

万田「そんなことありません」

元木「さっき、廊下のポスターに人気投票一

位って書いてありましたよ」

　　万田が笑って頭をかく。

　　と、倫子のケータイが鳴る。

倫子「はい、神原です。……わかりました。

すぐ行きます」

　　　倫子、元木に耳打ち。







○雑木林

　　　黄色いテープが張られ、刑事、鑑識が10名ほど動いている。

　　　めぐみの遺体にはビニールがかけられている。

　　　元木と倫子がきて、ビニールをはぐ。

倫子「なんてむごい」

元木「神原、万田の家庭訪問先をあたってく

れ。アリバイが崩れるはずだ」

倫子「えっ？イケメン先生のですか？」

　　　鑑識がめぐみの遺体を担架に乗せる。

　　　元木、鑑識に向かって

元木「頼む、丁寧に扱ってくれ」

　　　元木、倫子、遺体に向かって手を合わせる。



＜つづく＞





※この物語はフィクションです。





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