2017年09月04日
コードブルー3rd第9話
【コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON STORY9】
【運命の1時間】
1時間あると何が起きるか。ときに人生すら変わる…
急患3人が初療室に運び込まれた。一人は両角孝平(成田瑛基)33歳の車椅子ラグビー選手。ハーフタイムのウォーミングアップ中、車椅子ごと階段から落ちたらしい。さらに熱傷の患者、高所転落の患者の3人が運び込まれるが、藍沢耕作(山下智久)始め救命の皆が力を合わせ迅速な対応を行った結果、3人とも命を落とすことなくICUへ移動させられた。橘啓輔(椎名桔平)は数ヶ月前を思い返しながら白石恵(新垣結衣)が引っ張る救命がいいチームになってきたと語る
医局では名取颯馬(有岡大貴)の父、将馬(山田明郷)が待っていた。父の目的とは?
三井環奈(りょう)は息子、優輔(歸山竜成)が最近「疲れた」という言葉を口にするようになったと夫、橘に報告。3年間、優輔の心臓移植を待ち続けてきたがもう限界と悟った橘は海外での移植を提案、三井も同様の考えだった。そんな時に移植ネットワークから連絡が入る
そして翔北救命救急センターに消防からドクターヘリ要請が入る。千葉新都市地下鉄開通前の線路内にて崩落事故が発生、負傷者多数、子どもも含まれているという
皆がそれぞれに今後の人生を左右するような決断を迫られる1時間を描く
《全面バックアップで医療監修を務めている千葉北総病院救命救急センターのブログより》
第9話は冒頭のシーンから「小ネタ」を取り出して解説したいと思います。3人の患者さんが立て続けに初療室に搬入されてきます。こういったことは珍しいことではなく、北総救命でもちょくちょくあります。こんな時はそこにいるスタッフが手分けして診療にあたりますが、大事なのは患者さんの状態に合わせたスタッフ配置です。3人の患者さんに6人のスタッフがいても、2人×3で配置するわけではありません。緊急度・重症度の高い患者さんには4人のスタッフが取りかかり、あとは1人ずつ、ということもありうるわけです
第1話の初めのシーンでも熱傷の患者さんがいました。今回は藍沢と名取が熱傷の症例を担当していました。映像には出ませんでしたが、この患者さんには胸部の「減張切開」が行われていました。この「減張切開」とはどんな処置なのでしょうか?皮膚の深部までやけどを負うと(V度熱傷といいます)、血管内の水分が外に逃げて皮下に浮腫が生じます。これによって皮膚の内側の圧が急激に上昇します。でも、やけどで硬くなってしまった皮膚は伸展しませんから、この圧を逃がすことができないままになります。この状態が手や腕、下肢に起これば血管が圧迫されて血流が途絶してしまいます。胸部に起これば呼吸をしようとしても胸が拡がらなくなります。そこで、やけどした皮膚を電気メスなどで切開してこの圧を逃がすための処置をします。これが名取が言っていた「減張切開」です
骨折に皮膚や皮下組織、腱や筋肉などの軟部組織損傷を伴っていると、その腕や足(患肢)を温存することが難しい場合があります。重度外傷患者の場合、患肢を温存するか切断するかの決定は、四肢軟部組織損傷自体の重症度と患者の全身状態の重症度に左右されます。判断基準の客観的指標として、軟部組織損傷の程度、患肢の虚血状態、ショックの程度、患者の年齢の4つの要素を得点化したMESS(mangled extremity severity score)がよく用いられます。最大値は11点で、一般的には8点以上なら切断と判断されます。切断をできるだけ避けるためには、ショックから早く離脱させること、患肢の血流を回復させること、軟部組織の感染を抑えること、など沢山の問題をクリアしなければなりません。緋山が運び込んだ患者さんに、藍沢と橘は「シャントを入れて血行再建」の治療方針を取りました。できるだけ早く患肢の血流を確保して切断するのを回避しようとしたのです
第9話平均視聴率13.9%
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