2017年08月15日
コードブルー3rd第6話
【コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON STORY6】
【落胆の向こう側】
藍沢耕作(山下智久)と新海広紀(安藤政信)により、天野奏(田鍋梨々花)の手術は無事に終わった。しかし、白石恵(新垣結衣)が新海に手術のことを聞くと、どうも歯切れが悪い。奏の両親は手術結果に納得しているらしいのだが…
一方、17歳の男子高校生が脳死判定を受けることに。それは橘啓輔(椎名桔平)の息子、優輔(歸山竜成)のもとに移植可能な心臓が来るかも知れない可能性を示唆していた。循環器内科医の井上宣顕(滝藤賢一)の指摘に、橘は期待を抱いてはいけないと自分を制する
その頃、冷凍倉庫内で荷崩れ事故が発生。翔北救命センターにドクターヘリ出動要請が入り、藍沢と藤川一男(浅利陽介)、雪村双葉(馬場ふみか)が向かう。商品保護のため冷凍室の電源を切れないという寒さの中、藤川らは治療を開始。患者を救命センターに搬送する藤川は、灰谷俊平(成田凌)、横峯あかり(新木優子)と交代した
灰谷たちは藍沢の指示の元、冷凍室内の負傷者のもとへ。すると治療を初めて間もなく電源が落ちてしまった。暗闇の冷凍室内に、灰谷と横峯は負傷した作業員と閉じ込められる。落雷が原因の停電で復旧には2時間ほどかかる。しかも、未だ落雷の可能性があるためドクターヘリも飛べない…
そんな中、冷凍室の外で藍沢が診ていた作業員の容体が急変。さらに冷凍室内の灰谷と横峯は、多量の出血をしているもう1人の作業員を発見。フェロー二人だけでこの事態に対処しなければならなくなる…
《全面バックアップで医療監修を務めている千葉北総病院救命救急センターのブログより》
第6話の医療シーン解説のテーマは「そこにあるものでやる」です。冷凍庫内の事故で何人もの負傷者が出てしまいました。ドクターヘリの現場ではいつもと同じ医療が展開できることなど期待してはいけません。器械も薬剤も満足にありません。人手は限られています。おまけに、診療する環境と言えば、暑かったり、寒かったり、暗かったり、狭かったり…劣悪です。そんな中、病院にいるときと同じクオリティーで医療を提供しようと思えば、「あれが無い、これが無い」と嘆くより先に、その環境に適合するように知恵を絞らなければなりません。「そこにあるものでやる」です
灰谷と横峯は守口さんの鼠径部を局所麻酔代わりに氷で冷やしました(症例報告をよく読んでいる白石ならではの指示です。日頃の勉強の大切さを教えられます…)
藍沢が飯塚さんを治療していた現場では、脳室ドレナージに小児用の気管チューブを使いました。気道を吸引するチューブや胃管なんかも氷で冷やせば硬くなりますので(少し時間を要するかも知れませんが)そんなのも脳室ドレナージに使えそうです
白石は冷凍庫内の大腿動脈クランプを灰谷の胸の携帯カメラを通して見ていました。これは「REMOTES(REal-time MOvie Transmission system for EMS using Smartphone)」という北総救命とNTT docomoが協働で開発した「現場モバイル映像伝送システム」です
このシステムによって現場の状況が救命救急センターでもリアルタイムに把握できるため、ヘリ到着前に治療準備ができるなど、診療に大きな影響を与えています。北総救命は診療を支える機器開発にも積極的に係わっているのです
もう一つの医療シーンは臓器移植の部分です。緋山は淡々と脳死臓器移植の書類仕事をしていました。救急医は、臨床的な脳死状態の患者さんにはしばしば遭遇します。それ自体の診断、その後の対応にはそれほど多くの労力を必要とはしません。日常の臨床診療の範疇です
ところが、この患者さんが臓器移植のドナー(臓器提供者)となった瞬間、救急医は書類仕事に忙殺されることになります。臓器移植を進めるためには2回の「法的脳死判定」を行わなければなりません。臓器移植の意思表示があってからすべての作業が終了するまでには、少なくとも3日間は拘束されます。少し極端な言い方をすれば、救急医にとってみれば臓器提供者が出るということは、その患者さんを救命できなかったという点で「敗北」を意味します。そんな状況の後に続いて課せられる「法的脳死判定」の膨大な作業というのは、実は大きな負担なのです。けれども、せめて移植される臓器で元気になる患者さんがいるということだけが、その負荷を打ち消すモチベーションになっているのかも知れません
この第6話が放送された時点で、これまでに466例の脳死臓器提供があり、2,034の移植数に対して1,878の臓器が生存しています(日本臓器移植ネットワークホームページより)井上の言うように「誰かの一部になって生き続ける」のは きれいごと でしかありませんが「一人の死で何人もの命が救われる」ことは確かに すごいこと なのです
第6話平均視聴率13.7%
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6594235
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック