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2014年09月10日
水引・みずひき(みづひき)
事務局の登志雄書斎に面する北庭の岩陰に夏から秋にかけての風物詩のように、毎年、みずひき(水引・水引草)が姿を見せます。今年も綺麗なみずひきが……、と写真が届きました。
タデ科ミズヒキ属の多年生草本。【夏から秋にかけ、細長い花序をのばし紅色の小花をまばらにつける。これを進物用につける水引に見立てたもの。白花のものを「銀水引」、紅白混じりのものを「御所水引」という】(参考『広辞苑』)と出ています。
また、実(果実)も紅色の美しい色です。
水引草を詠んだ短歌を三首上げます。
金子 薫園(『山河』)
風吹けば水引草のうちそよぐ垣根をもるゝ灯のながれかな
土屋 文明(『自流泉』)
草の葉に風は吹かねどなよなよと紅ゆるる水引のはな
碇 弘毅(『ちごゆりB』1984)
真夏日の庭辺を占めて揺れやまずみづひき草もほの赤き花
(左が花で、右が実。実にくっついている白い舌のようなのは花柱。)
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タデ科ミズヒキ属の多年生草本。【夏から秋にかけ、細長い花序をのばし紅色の小花をまばらにつける。これを進物用につける水引に見立てたもの。白花のものを「銀水引」、紅白混じりのものを「御所水引」という】(参考『広辞苑』)と出ています。
また、実(果実)も紅色の美しい色です。
水引草を詠んだ短歌を三首上げます。
金子 薫園(『山河』)
風吹けば水引草のうちそよぐ垣根をもるゝ灯のながれかな
土屋 文明(『自流泉』)
草の葉に風は吹かねどなよなよと紅ゆるる水引のはな
碇 弘毅(『ちごゆりB』1984)
真夏日の庭辺を占めて揺れやまずみづひき草もほの赤き花
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2014年09月09日
芙蓉・ふよう
事務局の門前に、今年も芙蓉の花が盛りを迎えていると、写真が届きました。
アオイ科フヨウ属の落葉低木。東アジアの暖地の原産で沖縄、九州、四国に自生とあります(『広辞苑』)。
この仲間にはムクゲ(木槿・むくげ) 、ハイビスカス、アメリカフヨウなどよく知られています。花はむくげと同じく所謂「一日花」で、朝咲いて夕方には萎んでしまいますね。
さて、「芙蓉」とは中国でハスの花の別名とされ、例えば『長恨歌』に太液の池の芙蓉(蓮の花)は楊貴妃の顔のようで……とあるとおりです。ハスの花に似ていることから日本でいうフヨウには芙蓉をつけて「木芙蓉」という漢名に。日本ではその音読み「もくふよう」を略した「芙蓉」におちついたということらしですね。
また、「嗚呼玉杯に花うけて……」で始まる旧制第一高等学校東寮寮歌の二番に「芙蓉の雪の精をとり……」がありますように、芙蓉は富士山の別名・異称・雅称でもあります。二つとない神秘的な美しさを芙蓉に喩えたのでしょう。
では、芙蓉を詠んだ短歌を三首掲げます。
岡 麓(『涌井』)
けさひらく芙蓉の花にとまりたる赤蜻蛉はまだめづらしき
川田 順(『立秋』)
このねぬる朝明(あさけ)のそらの雨ぐもり芙蓉の花に眼のさめむとす
大悟法利雄(『第一歌集』)
今朝も一つ咲きし芙蓉のあざやかさきのふの花は既に散りたる
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2014年09月08日
韮・にら
ユリ科ネギ属の多年草。日本各地で栽培、また山野に自生もしているようです。
事務局の畑にも栽培され、花が咲き始めたと便りがありました。
原産地は中国西部とされ、弥生時代に渡来し、万葉集に一首登場していますね。古名は、こみら・みら。
独特の匂いの成分アリイン類や、含まれているビタミンA・Cの効果で粘膜を保護し、抵抗力を高めるとして、昔から整腸、疲労回復、風邪予防に用いられています(参考『野菜と果物図鑑』)。
1960年代後半から消費量が増え、中国料理をはじめ、卵とじ、雑炊、レバーにら、とにかく美味しいですよね。
では、短歌を一首掲げます。
万葉集に登場する一首、東歌のひとつで、茎韮を摘みにきた女性たちの歌といわれています。韮を摘む女性達の明るい雰囲気が目に浮かぶようです。
万葉集3444
伎波都久(きはつく)の岡の茎韮(くくみら)われ摘めど篭(こ)にも満たなふ背(せ)なと摘まさね
訳:伎波都久(きはつく)の岡の茎韮を私は摘むのだけど、篭いっぱいにはならない―あの人(背=夫)と一緒にお摘みなさいよ。
注:伎波都久=茨城県真壁郡とされています。末句の「背なと摘まさね」は別者(周りの女性達)の唱和。(参考:中西進『万葉集』講談社文庫)
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2014年09月05日
蔓紫・つるむらさき
2014年09月02日
杜鵑草・ほととぎす
ほととぎすの花が咲きましたと、事務局から写真が届きました。
広辞苑には、「ユリ科の多年草で山地に自生。秋に、白色に紫色の斑点の散在する花を開く。和名は、花の模様が鳥のホトトギスの腹の斑紋に似るため。同属に山ほととぎす、黄花ほととぎすなど種類も多く、総称として呼ぶ事もある」とあります。
そういえば、斑紋をもつ花の姿が鳥の杜鵑(ほととぎす)を彷彿とさせますね。
短歌、三首上げておきます。
土屋 文明(『山谷集』)
杜鵑草黄なるを見れば物干に時雨の雨はぬれつつぞ降る
すぎにし日いかりて妻がたたきつけしほととぎすは庭隅に青く芽立ちぬ
碇 千奈美(『姫由理』2014)
苔庭の木漏れ日踊る真夏日を杜鵑草(ほととぎす)咲けりただ一輪が
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2014年09月01日
茗荷・みょうが
事務局の前畑では、このところ茗荷の収穫を続がつづき、素麺出汁に、冷や奴に、漬物にとのせて、茗荷の香りと味を満喫しているとの便りです。
茗荷はアジア熱帯地方原産のショウガ科の多年草で、野菜としても栽培される。夏から秋、地下茎から花穂を生じ、苞ほうの間から淡黄色の花を出します。
開花前の苞(みょうがの子)と若い茎(みょうがたけ)が食用になります。開花したものは味がおちますね。芳香を持っていて薬味にしたり、汁の実、酢のものなどにつかいます。
食べ過ぎると物忘れがひどくなるという俗説がありますが、美味しいですよね。
では、短歌を二首上げます。
佐々木信綱(『常磐木』)
日はしづみ茗荷の花の淡く黄なり夕習はしの畑道ゆけば
谷 鼎(『冬びより』)
茗荷の子踏みたるならむ夕日さす庭草むらが匂ふしばらく
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2014年08月30日
睡蓮・9輪目の開花
初花が七月の半ば過ぎに咲き、八月初旬には3輪目、4輪目が開花したという事務局の睡蓮に、今朝は、ついに9輪目の花が咲いたと写真が届きました。ひと株で9輪までよく咲いてくれました。まだ水中に蕾が見えますので、少なくとも10輪はいきそうですね。
この同じ泉水に鮒が孵化した由です。余談ですが、鮒が2尾だけだったところに10数尾の稚鮒が群れをなして泳いだり、葉を振るわせたりたり騒いでいるというのです。楽しいですね。
では、睡蓮をよんだ短歌を……。(『短歌植物辞典』より)
土屋 文明(『ふゆくさ』)
あくがれの色とみし間も束の間の淡々しかり睡蓮の花
佐藤佐太郎(『帰潮』)
曇日のすずしき風に睡蓮の黄花ともしびの如く吹かるる
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この同じ泉水に鮒が孵化した由です。余談ですが、鮒が2尾だけだったところに10数尾の稚鮒が群れをなして泳いだり、葉を振るわせたりたり騒いでいるというのです。楽しいですね。
では、睡蓮をよんだ短歌を……。(『短歌植物辞典』より)
土屋 文明(『ふゆくさ』)
あくがれの色とみし間も束の間の淡々しかり睡蓮の花
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曇日のすずしき風に睡蓮の黄花ともしびの如く吹かるる
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2014年08月27日
玉すだれ
2014年08月25日
野牡丹・のぼたん
2014年08月24日
柿・かき
日本の秋の果物の代表とも言える柿。事務局の前畑にも柿の木があります。甘柿の「富有」という品種だと聞いています。
でも、この時期、まだ青く、「柿、赤実果也」(和名抄)の柿色に熟れるにはもう少し時間が欲しいところですね。
「かき」という名前になったのは、かがやき、あかつき、あかき、など赤く熟する色に係わっているといわれていますね。
また、柿の木と日本人との長い付き合いについては、『新撰姓氏録』(571-585)に柿本人麻呂の庭にも柿の木があったと記されていいます(『野菜と果物ポケット図鑑』)。柿の木を見上げる人麻呂の姿が目に浮かびます。
では、柿を詠んだ短歌を二首あげておきます(『植物短歌辞典』から)。
北原白秋
柿のかの柿の木に小夜ふけて白き猫ゆくひもじきかもよ
島木赤彦(『氷魚』)
柿の葉に青き果(み)多くこもり居りはやて風吹くはたけの中に
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