2014年09月09日
芙蓉・ふよう
事務局の門前に、今年も芙蓉の花が盛りを迎えていると、写真が届きました。
アオイ科フヨウ属の落葉低木。東アジアの暖地の原産で沖縄、九州、四国に自生とあります(『広辞苑』)。
この仲間にはムクゲ(木槿・むくげ) 、ハイビスカス、アメリカフヨウなどよく知られています。花はむくげと同じく所謂「一日花」で、朝咲いて夕方には萎んでしまいますね。
さて、「芙蓉」とは中国でハスの花の別名とされ、例えば『長恨歌』に太液の池の芙蓉(蓮の花)は楊貴妃の顔のようで……とあるとおりです。ハスの花に似ていることから日本でいうフヨウには芙蓉をつけて「木芙蓉」という漢名に。日本ではその音読み「もくふよう」を略した「芙蓉」におちついたということらしですね。
また、「嗚呼玉杯に花うけて……」で始まる旧制第一高等学校東寮寮歌の二番に「芙蓉の雪の精をとり……」がありますように、芙蓉は富士山の別名・異称・雅称でもあります。二つとない神秘的な美しさを芙蓉に喩えたのでしょう。
では、芙蓉を詠んだ短歌を三首掲げます。
岡 麓(『涌井』)
けさひらく芙蓉の花にとまりたる赤蜻蛉はまだめづらしき
川田 順(『立秋』)
このねぬる朝明(あさけ)のそらの雨ぐもり芙蓉の花に眼のさめむとす
大悟法利雄(『第一歌集』)
今朝も一つ咲きし芙蓉のあざやかさきのふの花は既に散りたる
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