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2017年12月05日

漫画『血の轍』1巻の感想とあらすじ 母と息子の究極の偏愛と毒を描いたサイコサスペンス

『血の轍』1巻の感想。



血の轍
著者:押見 修造
掲載:ビッグコミックスペリオール
1巻発売日:2017年9月8日


あらすじ・概要

夢で見たのは、3歳の自分が母に手を引かれ、2人で散歩していた幼い頃の記憶。横たわるネコを見つけ、駆け寄ってさわってみると、そのコの体は冷たくなっていた。なんで死んでしまったのかを尋ねるも、母は優しい笑みを浮かべ、ただ自分を見つめてくるだけ――。
母から溺愛されて育った中学二年生の少年・長部静一(おさべ せいいち)。母・静子(せいこ)は過保護な人であったが、それ以外は特におかしなところもなく、思春期真っ只中の今でも仲良しな母と息子。学校では友達とふざけあって、気になる女の子もいたりして、とても穏やかで楽しい日々を送っていた。
夏休みに入ったある日、父方の叔母といとこのしげるを交え、親戚一同で山登りにやってきた長部家族。しかし、その最中に起きたしげるによる静一への悪戯によって、後の悲劇が招かれることになり、平穏だった母子の日々を激変されることになるのだった。

バカをやる友達がいて、気になる女の子もいる平凡な男子中学生と、そんな息子にたっぷりの愛情を注ぐ美しい過保護な母親との、甘くも怪しい母子の関係を巡る物語。
母と息子―究極の偏愛を描いたサイコサスペンス(?)。帯での謳い文句は「悪女?売女?聖女?・・・ この母親は解毒できない・・・ 究極の毒親」。月2回発行される青年漫画雑誌「ビッグコミックスペリオール」の2017年6号にて連載開始。
作者は『惡の華』や『ぼくは麻理のなか』など、多くの傑作世に送り出してきた漫画家・押見 修造(おしみ しゅうぞう)先生。

紹介・感想

登場人物の心情をセリフ以外で表現する手といえば、ナレーションやモノローグ、心のつぶやきを使うのが手っ取り早くてお手軽。ただ、あまりに多用し過ぎると逆に弊害になってしまう恐れもあり、確かに文字で書き出すと解りやすいんですけど、そればかりだと印象に残り辛くなってしまうのではないかと。あくまで個人的な意見ですし、文章力によるところも大きいんでしょうけど。
もちろん、仕草や表情、背景などを用いた心情表現というのは、それなりの経験値が必要なんでしょうが、やっぱりメリハリの効いてる作品は読みやすい。
逆に、まったくモノローグなどがなく、セリフも少なめ、且つ面白い作品というのは、ちょっと疲れますけど心情を細かい描写から読み取ろうとするため、長く印象に残りやすいと感じてます。

ということで(どういうこで?)、本日はとても静かな画面でありながら、読み進めるごとに不穏な空気巻がどんどん深まっていく漫画『血の轍』を紹介させていただきます。

いつものように内容をざっくり説明・・・したいところなんですが、こうしてる今でもどう書いていいものか思案中だったりします。それもこれも、1巻の後半部に入るまでは大きな事件らしい出来事がほぼ皆無なため、さすがにそのネタバレをしてしまうと興が削がれかねないかなと。
ただし、ストーリーは淡々と進んでいくのですが、終始胸の内が「ざわざわ」と気味悪く震えるのです。

ジャンルはサイコサスペンスになるのかな?それともサイコホラーなのか。とりあえず、それ系統の雰囲気を醸し出してる作品です。
作品のテーマになっているのは、帯にもあるように「毒親」。毒親というのは、暴力や暴言、ネグレスト(育児放棄)などによって、子供の心身に悪影響をもたらす親のこと。私の中で毒親の印象といえば、こういった虐待をする親のことだったのですが、本作においては深い愛ゆえに陥った「過干渉」に見えます。ただし、これも正解とは断言できない違和感はあります。

作品のキーとなる人物は、主人公の少年と、その母親の2人です。
主人公は思春期真っ只中にいる中学二年生の長部静一(おさべ せいいち)。一見するとおかしなところはなく、ふざけ合う友達がいて、気になる女の子もいるなど、どこにでもいるいたって普通の優しい少年。ちょっとマザコン気味なのかな。

そして問題となるのが、そんな静一を溺愛している若くて美しい母親・静子(せいこ)。過度なスキンシップが多く、何かと世話を焼いてしまう過保護な母。
これだけ見ると、過度とは言っても毒というほど酷くはないですし、こんな美人ならむしろ自慢の母と言えなくもないです。しかし、こと静一のことになると、ちょっと普通とは思えない怪しさを覗かせてきます。

幼稚園時には毎日教室の後ろに立って静一を見守っていたり、「いつも、ありがとう」と言う静一の頬にキスをするなど、明らかにやりすぎとも思える行動を全く変とも思わずやってしまいます。何よりおかしいのは、母親のそれとは思えない静子の静一へ向ける艶っぽい視線。明らかに普通ではないです。

そんな気味悪さを抱かせながらも、序盤・中盤は何の事件もなく淡々とストーリーは進み、後半ついに“それ”が顔を出してしまいます。
長部家にいつも入り浸り、静子を過保護だと少し馬鹿にしている義姉と、静一にいたずらしてくる従兄弟のしげる。その2人を交え、親戚一同で山登りへ訪れたわけなのですが、そこで・・・。
いつどこでなにがどうなってもおかしくはない、そんな不穏な空気はずっと流れていましたけど、ついにやっちまった!いや、事件そのものよりも、むしろその後の静子が怖いのです。

ということで、息子に異常な執着を見せる妖艶な母と、その愛情をたっぷり注がれて育った息子の、狂気に満ちた母子関係を描いた漫画『血の轍』1巻の紹介でした。
気味が悪い、怖い、わけわからん・・・私が特に強く受けた印象はこの辺りです。妙なリアリティを感じさせるところはさすが押見流。気になるという一点において評価するなら、今年読んだ作品の中では五指には入る作品。読み終わったあとに残るのは言いようのないモヤモヤ感でした。
静一の視点で物語は進み、モノローグや心のつぶやきは一切ないため、静子の心情はその表情や仕草から読み取るしかないのですが、私が感じ取れたのは得体の知れない狂気と不気味な愛情のみ。静一の視点からは後姿しか見えない静子の描写もあり、そこでいったいどんな表情をしているのかが非常に気になります。この見せない表現は、読者に興味と不気味さ、良い意味での居心地の悪さを抱かせてくれるので、なかなか見事だったなと思ってます。
子供に愛情をもてないネグレストとは正反対を行く過保護な毒親。彼女が静一に異常な執着を見せるのは、生い立ちか過去の出来事か何かが関係してくるでしょうから、その辺りも含めた不可解な伏線には要注目。表紙は過去の写真のようだけど、果たしてここに何の意味があるのか・・・。
これから静子が、静一が、長部家が、そして周囲の人たちもどんどん狂っていく可能性が高いので、読み進めることに若干恐怖はあるのですが、それでも読まずにはいられない面白さがあります。怖いけど魅惑的、まさに静子そのものですね。

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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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