新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2018年02月15日
スノウホワイト / 怠熊のミンストレル
寝たい時に寝て、起きたい時に起きる。これが一番だわ。
必死に働いたのに過労死なんてしたら、親が泣いちゃうじゃん?こうしてノンビリ生活してる俺って親孝行なわけよ。
今のご時世、汗水垂らして働くとかないわ。家でゴロゴロしてる間にババァが獲ってきた鮭の味はもう最高。いやー、何もしなくてもメシが出るとか、これ完全に勝ち組だわー。
働こうと思えば働けるよ? まだ本気出してないだけなの。
けどさ、今は充電期間だから無茶しちゃダメなわけ。わかる?
明日、明日になったら何かする。明日になれば――
あー、いつもより寝すぎたなー。計画狂っちゃったなー。
あー、もう今日のやる気そがれたなー。今日はもう気分が乗らないなー。また明日考えるかー。じゃ、おやすみ〜……。
【このカテゴリーの最新記事】
2018年02月14日
スノウホワイト / 慾鴉のパラディン
随分昔の話である。かつて私は美しい純黒の鴉だった。けれど足りない。更に美しくあるため、私はルビーの首飾りを身につけ着飾った。赤い屋根の家の女から頂戴したものだった。
あれは虚栄心だけが立派な馬鹿な女だ。整形を繰り返し美貌を保ちながら、大企業の社長秘書の立場を利用し金持ちに貢がせる。金と装飾品と賛辞の言葉でしか己を満たせない愚かな女。
秘書の女は自身を飾り立てることばかり気にかけて家のことは全て疎か。換気扇はまったく手入れしていない。腐食が進んでいるから、くちばしで突けば私でも通れる隙間ができた。
あの日もエメラルドの指輪をくわえ、壊れた換気扇から出ていこうとしていた。ちょうどその時だ。家の中で誰かがスイッチをいれた。私のすぐ傍で、換気扇が回り始める音がした。
2018年02月12日
スノウホワイト / 憤狼のクラッシャー
俺は王だ。誰よりも強く大きい、残虐な狼の王である。
雪山にこだまする羊達の悲鳴など、最高の余興だった。
だが獲物を引き裂く高揚感は、突然の雪崩に打ち消された。
気が付くと、羊が心配気に覗き込んでいた。しかも怪我まで手当て済みだ。馬鹿め、治ったら残らず食い殺してやる。そう思っていたが、いつしか親身な羊達に心を惹かれ始めていた。
怪我が癒えて群れに戻った俺は驚愕した。羊達の罠で多くの仲間が死んだという。優しいあいつらが、そんなことをする訳がない。復讐を叫ぶ仲間を後に、俺は羊達のもとへ急いだ。
「復讐をしただけ」と羊は言った。だが俺は奴らを憎めない。愛を教えてくれた羊達は、もう仲間と同じく大切な存在だった。両者が争うくらいならば、いっそ俺が、全てを殺して――
2018年02月11日
スノウホワイト / 傲獅のブレイカー
くあ、と大きな口を開けてあくびをしながら前足を伸ばして背中をしならせると、ご主人様がボクを見て笑う。猫の体は柔らかいなあと穏やかな声と優しい手が降ってくる。
あたたかな手がひとしきりボクを撫で終えると、ご主人様はいつものようにお家で楽器の練習を始めるんだ。ボクは日当たりのいい窓際でご主人様の演奏を聞きながらうとうとする。
貧しいくせにお人好しのご主人様。あの日死にかけのボクを拾ってくれた人。ずっとこの優しい音楽を奏でてほしいな。ずっと一緒にいたいなあ。世界一幸せになってほしいんだ。
まだ子猫だけどそのうちボクだって大きくなるから、そしたら今度はご主人様のこと守ってみせるからね。絶対に!
2018年02月10日
スノウホワイト / オルタナティブ
入院患者の不審死が相次ぐ○○病院の事件で、任意の事情聴取を受けていた看護師が犯行を自供しました。
警察はその場で緊急逮捕、現在、その手口と動機を調べているとのことです。
患者連続不審死事件の容疑者である看護師の女は「自分も被害者たちも悪くない」と証言しており、犯行の正当性を訴えています。
警察は精神鑑定も視野にいれ捜査を進めています
捜査関係者によると、被害者たちと容疑者の間にはトラブルが多発していたらしく、同僚の看護師は「認知症の患者も多く、そのほとんどが言いがかりに近かった」と証言しています。
患者連続不審死事件の容疑者が死亡しました。現場検証に立ちあっていた最中に捜査員の隙をついて逃走し、病院の屋上から飛び降りたということです。
現在捜査関係者の管理責任問題が――
2018年02月09日
スノウホワイト / ハーフナイトメア
時おり、ふと迷う。私は本当に正しいのかと。
足元に折り重なるナイトメアの死骸。
それらの命を奪うだけの正義が、私にはあるのだろうか?
ナイトメア達の声が耳に木霊すル。
助けて、助ケテ。死にたくナイ。どうしテ?
身にまとう白いドレスが血に染まル。コレは誰の血?私の血?
私は汚れてはイケナイ。正しくあらねばナラナイ。
けレド、正しさって何?誰ガ決めタノ?法律?慣習?本能?
わからないワカラナイ!……あア、デも、そウカ。ソレナラ。
私ガ決メレバイイ。ダッテ私ガ正義ナノダカラ。情状酌量?責任能力?罪ヲ犯シテ許サレヨウナド反吐ガ出ル。罪人ハ皆死ネ。死ナナイナラ殺ス。ホラ、綺麗ナ世界ニナッタデショウ?
2018年02月08日
スノウホワイト / メイジ
『おとなになったらなりたいもの』
わたしは、がっこうの先生、おいしゃさん、かんごしさん、
それと、おまわりさんやたべものやさんにもなりたいです。
お父さんとお母さんには、ぜんぶはむずかしいよと言われました。だから、この中からどれか一つをえらぼうと思いました。
でも、えらぶことができません。
お父さんとお母さんに、わたしがなってほしいものをききました。「まっすぐな人になってほしい。正しいことをできる人になりなさい」と言われました。
だから、わたしは正しい人になろうと思います。だれかがこまっていたら、たすけられる人になろうと思います。でも、正しいことってなんだろう。わからないので、学びたいと思います。
2018年02月07日
スノウホワイト / クレリック
ライブラリに存在スル人物についての暫定報告
氏名:白雪姫/出身:ドイツ及びヨーロッパ
傾向:白は正義と潔癖を象徴スル一方、空虚を強く啓示スル。
出自:グリム童話集
兄ヤーコブと弟ウィルヘルムのグリム兄弟が収集編纂した童話。内容が異なるエーレンベルク稿が存在スル。
経過:スノウホワイトの美しさを妬んだ母により城を追われ七人の小人の家に身を寄せるも、それを見つけた母親により毒殺を計らレル。凶器は毒リンゴと推測さレル。
現在:通りがかった王子に見染められ、城にて婚儀を行った模様。式に母親を招待したようだが、それ以降、両者ともに消息不明とナル。観察を続行スル。
2018年02月06日
スノウホワイト / ソーサラー
お城から離れた森の奥深く。とても素敵で小さな家に、7人の小人が住んでおりました。小人達は大変な働き者で、毎日毎日出かけては金や銀の石を掘って暮らしておりました。
ある日、一人の小人が「召使いがほしい」と言い出しました。毎日くたくたになって帰ってきては、ご飯を用意するのが面倒だと言うのです。その言葉に、他の小人達も次々と頷きます。
「掃除をしてほしい」「洗濯をしてほしい」「縫物をしてほしい」「しかし金は払いたくない」。小人達の要望は尽きません。そんな時、一人の人間の女が小屋に迷い込みました。
7人の小人達は笑顔で娘を迎え入れました。人間の女は大きい分、乱暴に扱っても平気だろう。働くだけ働かせて、弱ったら売ればいい。大丈夫、アイツは仲間じゃないのだから……
2018年02月05日
スノウホワイト / ミンストレル
人は罪を犯す。
それが悪い事と知りながら。
なぜなら人の心は弱いから。
人は正義を嫌う。
それが正しい事と理解しながら。
なぜなら人の心は脆いから。
人を惑わす悪魔は、優しく甘く美しい。
だからこそ、私は抗おう。
強き心で武器を振るい、自身の正しさを信じよう。
私こそが正義。私の歩みこそが正道。
我が意に沿わぬ者あらば、全て悪とみなして滅ぼそう。
――ああ、神よ。私の正義は罪でしょうか。
2018年02月04日
スノウホワイト / パラディン
兵士の日記より
窓からちらりと見えた姫様のお姿のなんと神々しいことか。
あの方の為なら、俺は命を捧げても惜しくはない。
侍女の日記より
姫様はなんてお美しいのでしょう。女の私でさえ、よからぬ妄想をしてしまう。ああ、姫様、姫様……
大臣の日記より
近隣諸国からの求婚が山のようだ。しかし、渡さない。渡してなるものか。あの白き姫は私にこそ相応しい。
女王の日記より
あの娘は人を狂わせる。いるだけで人の心を掻き立てる。このままではいずれ争いが起きる。ならば私の取るべき道は……
2018年02月03日
スノウホワイト / ガンナー
私の名は白い雪。 穢れなき白。
潔白にして正義。悪は白日の下に。
私は白。清く真っ直ぐな白を纏う。
すぐに告白するといい。黒き心を持つ者たち。
私の銃は白光を放ち、漆黒の闇に風穴を穿つだろう。
汚染される。私の白が。 黒く腐っていく。
心に潜む黒が、美しい白を貶める。
私は穢れなき白。大丈夫。黒には決して染まらない。
真っ白。真っ黒。純白。純黒。交わることなど許されない。
――ならば最も嫌悪すべきは――
卑劣で不純な灰の色。白黒つけぬ灰の世界。
2018年02月02日
スノウホワイト / クラッシャー
母は美しく優しい人だった。「あなたはきっと美人になるわ」細く綺麗な母の手で頭を撫でられながら、そう言われるのが好きだった。私も母のように美しくなれるのだと思ったから。
いつからだろう。母が怯えた目で私を見始めたのは。身の周りの世話していた侍女が自死したころ?それとも大臣が謀殺されたころ?「あなたが恐ろしい」その言葉が忘れられない。
母は日がな一日鏡に向かうようになっていた。「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?」私は答えを聞きたくなくて城を出た。その答えを聞く母を見たくなかった。
小人の元に身を寄せてしばらくしたころ、一人の老女がやってきた。「甘いリンゴはいらんかね?」「頂きます」私は全てを知った上でリンゴを齧る。これで母の心が戻るならと……
2018年02月01日
スノウホワイト / ブレイカー
かくして王子の口づけによって永遠の眠りから目覚めたスノウホワイト。命乞いする悪い女王を哀れにおもった彼女は、彼女の罪を許すとその場で告げます。
しかし女王はその時スノウに短刀を振りかざしました。身を挺してスノウを守ろうとする王子。そして無情にも女王の短刀は王子の胸を貫いてしまいました。
……気づくとスノウは白いドレスを血まみれにして立っていました。その手には女王の短刀が握られ、足元には冷たくなった王子と……女王の死体が転がっています。
スノウは泣き叫びます。許さない。許さない。これからは絶対許しはしない。私の「正義」によってこの世を正してゆくのだ……彼女の目には復讐の暗い炎がゆらめいていました。