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2018年01月16日
アリス / 餐虎のソーサラー
これは美食に溺れた虎の物語です。思い出の味を忘れられない虎は、賢いネズミと旅立ちました。ウサギ、小鳥、ワニ、カエル、鹿……力と知恵を駆使し、フルコースを食べ尽くします。
けれど虎の「思い出の味」には出会えません。ネズミは最後に自分を食べるよう虎に持ちかけます。虎は断りますが、ネズミは「思い出の味はネズミだ」と畳み掛けます。悩んだ虎は……
ぱくり!食べてびっくり、ネズミこそ虎の「思い出の味」でした!けれど舌の肥えた虎はもうネズミでは満足できませんでした。それにその後、何故か虎は苦しみ悶え死んでしまいます。
自分の不可解な死や美食への執着は虎を禍々しい精霊へと変貌させました。何故虎は死んだのか。何故ネズミは自分を食べろと言ったのか。それはまた別のお話です。めでたしめでたし。
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2018年01月15日
アリス / 慾鴉のパラディン
これは欲にまみれた鴉の物語。昔々あるところに美しさと若さに固執し着飾るのが大好きな女がいました。いかに自分を美しく見せるかが全てで、中でも宝石は大のお気に入りでした。
けれどある時から集めた宝石が少しずつ少しずつ減っていきます。家の鍵は締めてあるのに、誰かが入った形跡がある。女は次第に恐ろしくなりますが警察には相談できません。
だって女は殺して奪って宝石を手に入れてきたのですから。殺した相手の顔がいくつも浮かびます。殺して、奪って美しい宝石をいくつもいくつもいくつもいくつもいくつもいくつもいく
女はとうとう警察に駆け込み懺悔しそのまま逮捕されました。誰もいなくなった女の家では一羽の鴉が死んでいましたが、その理由を誰も知る術はありません。めでたしめでたし。
2018年01月13日
アリス / 嫉蛇のガンナー
これは嫉妬に囚われた蛇の物語。美女と醜い蛇の恋のお話です。昔々、蛇の飼い主である美女は王子の花嫁を探す晩餐会に参加しました。でもライバルが大勢いて勝ち残るのは大変です。
愛しい飼い主のため蛇はライバルを殺し回り、めでたく彼女は王子と結ばれました。そこで今度は王子を殺しました。だって蛇の恋のライバルなのですから当然です。ところが……?
なんと蛇は愛しの飼い主に殺されます!可哀想な蛇。恋心は妄執となり蛇は呪われた力を手に入れるも、満たされません。ある日蛇は虚妄を抱く少女に出会い、愛されたいと願いました。
蛇は少女に力を与えました。けれど少女は力に蝕まれ化物になっても求めるのは兄だけ。蛇は誰からも愛されないまま、化物が1匹増えてこのお話はおしまいです。めでたしめでたし。
2018年01月12日
アリス / 憤狼のクラッシャー
これは憤怒に駆られた狼の物語です。冷酷無比な狼は、ある日獲物の羊によって命を救われました。他者への慈しみと愛を知った狼は、羊に感謝して群れに帰りました。しかし……
群れに帰ると、羊の罠によって多くの仲間が死んでいました。もう羊と狼の争いは止まりません。悩んだ狼は、二度と争いが起こらぬように、とある決断を下しました。
事の顛末を見届けると、狼は自らの爪で喉を切り裂いて命を絶ちました。しかし、狼に安らかな眠りが訪れることはありません。それもそのはず、死んだ狼は怒り狂っていたのです。
行き場のない憤怒は、狼を禍々しい怪物に変化させました。その怒りは後日、とある少女に降りかかることになるのですが、それはまた別のお話なので、ひとまず、めでたしめでたし。
2018年01月11日
アリス / 傲獅のブレイカー
これは傲慢なる獅子の物語です。
昔々、とある子猫がおりました。母猫とはぐれた子猫は弱りきっていましたが、ある日青年に拾われました。
青年との穏やかな暮らしの中で子猫はすくすくと育ちました。青年が殺人の罪で連行される時までは世界で一番幸福でした。
それから、ええ、それからのことはご想像の通りです。
孤独だった猫を誰よりも愛してくれたのは飼い主でした。
けれど、守ることができなかったのです。猫は己の無力さを呪って、呪って呪って呪って呪ってのロッてノロッテ……
やがて彼は強大な力を手に入れました。力を欲した理由はもう
とっくに忘れてしまったけれど、力を手に入れたので彼はきっと世界で一番幸福なのでしょう。めでたしめでたし。
2018年01月10日
アリス / オルタナティブ
新宿の高層ビルから飛び降り自殺をした女子生徒=当時(18)=が2月上旬に自殺した問題について、東京都教育委員会は事案の詳細調査結果を公表した。
専門家でつくる第三者委員会からは、教諭や生徒からの聞き取り調査が不足しているとの意見書が5月に提出されており、発表はそれを受けてのものとなる。
報告によれば、女子生徒の自殺は学校内のいじめによるものである事が判明。前田教育長は「調査結果を重く受け止め、二度と繰り返さないように検証する」と反省の弁を述べた。
記者団の取材に応じた女子生徒の父親は、「第三者委員会から言われるまで自発的に調査しようとしなかった教育委員会に憤りを感じる」と悔しさをにじませた。切替
2018年01月09日
アリス / ハーフナイトメア
あの人に会いたい。その願いが叶わなかったらどうしよう。
考えるのもおぞましい。ヘドロのような感情が私を支配する。
誰か……誰か、助けて……
心が壊れる。心ガ壊れる。心がコワレル。
何もカモが無駄ダトいう悪魔の囁きガ、聞こえる。
生キル、意味ナド、ないという歌が、流れる。
くるシい……クルし……
アノ人……私……願い……私って誰だっケ?
アア、ジャア、殺セバ、イインダ。
敵モ、作者モ、全部殺シテ……
最後ハ、ワタシヲ、殺セバイインダ。
2018年01月08日
アリス / メイジ
8がつ31にち
こうえんで、おとなのひとがチューをしてた。はずかしいなあ。せんせいにいいつけてやろう。そうしよう。
9がつ2にち
先生が言ってたけど、おとなになると「すきなひと」ってのができるらしい。ともだちはキャーキャーさわいでた。
9がつ4にち
先生が言ってたけど、「すきなひと」ができたら、そのひとと「けっこん」するらしい。なんだろう「けっこん」って。
9がつ6にち
わたしにはまだ「すきなひと」がこない。でもきっと、ぜったいカッコよいひとだとおもう。あーあ。けっこんしたいなあ。
2018年01月07日
アリス / クレリック
自由(じゆう)
他者からの束縛を受けず、自分の心のままである事。また肉体的制約が無い状態の事。「―を謳歌する」
夢(ゆめ)
睡眠中に見る一連の心象風景。現実ではない出来事を感じること。もしくは、将来実現させたい願望。「―を叶える」
快楽(かいらく)
肉体的・精神的に気持ちが良く、楽しいと感じる事。特に欲望を充足した際に得られる感情。「―にふける」
束縛(そくばく)
縛りつけて自由を奪う事。捉えられた者の意思を顧みず、全てを支配者に委ねる快楽行為。「―を求める」
2018年01月06日
アリス / ソーサラー
とおいとおい昔。
街に住んでいる少女がいた。その子はとても家族想いで、他の悪い人間に騙されないように、家族を皆殺しにした。
とおいとおい場所。
戦場を駆け回る剣士の少女がいた。神のお告げに従った彼女は、攻め入った村の女と子供を全て奴隷として売り飛ばした。
とおいとおい世界。
男と恋に落ちた少女がいた。子を孕み、男に捨てられた。少女は世界を呪って高い塔からその身を投げ捨てた。
とおいとおい未来。
自らの創造主を愛した少女がいた。本当はいるかどうかもわからないのに。本当は愛してるかどうかも判らないのに。
2018年01月05日
アリス / ミンストレル
空腹を満たせば幸せになれるのだろうか。
だとしたら、破裂するまで食べてみせる。
お金を払えば満たされるのだろうか。
だとしたら、燃やせるほどに稼いでみせる。
でも足りない。どんなに、何を得ても、
身体の奥は、乾いたまま。
何かを得ることに、答えなどなかったのだ。
私が求めるのは、私自身の喪失だから。
2018年01月04日
アリス / パラディン
カルテ:0231【所見】
一見普通の少女。報告にあった自傷行為も他者への攻撃行為も確認出来ず。鎮痛剤と安定剤を処方。
カルテ:0542【経過】
少女が深夜に意味不明の言葉を発している。看護師が怯えるので私が直接治療する事に(面倒だ)。
カルテ:1016【経過】
症状の改善が見られる。安定剤を増量する事にした。彼女は素直に飲んでいるように見える。
カルテ:1231【経過】
あの少女の症状は改善などしていなかった。無意味だった。
安定剤を増加する。彼女にではない。私が飲むための薬を。
2018年01月03日
2018年01月02日
アリス / クラッシャー
「ああっ!ああっ!遅刻デス!遅刻なのデスよ!」
懐中時計を持ったウサギはそう言うと暗い穴に飛び込みました。
アリスは追いかけます。その先に何があるかも知らず。
「カラスとかけて勉強机と解く。その心は?」
おかしなデザインの帽子をかぶった男にアリスは聞かれます。
アリスは答える事は出来ません。だって答えなどないのだから。
「では貴様の首をはねてやる!」ヒステリックにクイーンは叫
びました。それを聞きながら、アリスはナイフを手に握りしめ
ます。だって殺されたくないから。
ここは不思議の国。誰もいない不思議の国。
その国の真ん中でアリスは立っていました。
血まみれの懐中時計と、帽子と、ナイフを持って。
2018年01月01日
アリス / ブレイカー
ある午後の昼下がり。アリスは草むらの中に不思議なウサギを見つけました。そのウサギは大きな時計を手に持ちながら「大変!大変!もう間に合わない!」と逃げていきました。
ウサギを追いかけてアリスは暗く深い穴に落ちました。その後、不思議な国でアリスは数々の試練を乗り越えます。それは、恐ろしくも楽しい、不思議な体験で……
気づくとアリスは現実世界に戻っていました。そこは暖かな昼下がり。なんの不自由もない世界。でも、アリスは何か不安です。何か物足りません。一体……何でしょうか?
平和と退屈……アリスは気づきました。自由である事は孤独を生みます。アリスは人生の「束縛」を望みました。そして再び、あの暗い穴へと向かっていったのです……