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2018年09月16日

人魚姫 / 餐虎のソーサラー

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鼠は憎悪を滾らせた。必ず復讐してやると。怨嗟の炎は誰より強大ではあったが、鼠自身は小さく、非力であった。

「協力者」が必要だ。憎しみにかられながらも鼠は冷静に考える。あれらを蹂躙する圧倒的な力を持つ、目的は違えど同じ結果を手にするための共犯者が欲しい。

復讐の対象は、住処を奪ったうさぎ。面白半分に毒を与えた鳥。恩人を殺したワニ。冬の食料を荒らした蛙。群れを踏み殺した鹿。それから……我が子を喰らった虎。

鼠を取るに足らない小さなモノだと侮っているあいつらに..
posted by 黒の書 at 00:00

2018年08月16日

ピノキオ / 餐虎のソーサラー

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クイズです。頑張って考えてください。まずは……血を抜いて溜めて、腸を引きずり出して、その腸に取り出した血をまた詰めて、ぎゅーーって絞った食べ物はなーんだ?

答えはこちらの「ブラッドソーセージ」。続いては……たっくさんご飯を食べさせて食べさせて食べさせて太らせたら太った肝臓を食べちゃう、そんな食べ物はなーんだ?

さっきの答えは「フォアグラ」です。次は最後の問題です。生きたまま食べる食べ方のことをなんと呼ぶでしょうか?

「あっ」
先程までなぞなぞを出していた人形が声を出し..
posted by 黒の書 at 00:00

2018年07月16日

かぐや姫 / 餐虎のソーサラー

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汝、その名を語るなかれ。汝、その姿を見るなかれ。汝、その声を聞くなかれ。これすなわち三大禁則とし、たとえ国の名が変わろうとも伝え残す義務を忘れることなかれ。

かつて星の巡りと共に移動する遊牧の民がいた。彼らは勇猛なる騎馬の戦士でもあった。だがある日、その一団全てが羊と共に喰い散らかされ骨と僅かな肉片だけで発見された。

またある時は「赤子」ばかりが喰われた事件もあった。牛や羊、犬や猫に限らず、人間の赤子もまた狙われた。胎児を抱えた妊婦が血まみれで発見されたこともあった。
..
posted by 黒の書 at 00:00

2018年06月16日

赤ずきん / 餐虎のソーサラー

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かぐや姫は右の皿を指差し、うっとりと微笑まれました。「こちらのお皿はいくつもの肉の塊が並んで……ああ、ほら、先端からじゅわりと肉汁が染み出て……とても美味しそう。ふふ」

今度は左の皿を指差し、嗚呼、と溜息をこぼされました。「紐に縛り上げられたお肉も、よく引き締まってなんて魅惑的……。すっかり熱が行き渡って、食べ頃と言わんばかりですね」

「選べません、全部全部食べてしまいたい。でもできることなら皿に盛られた料理を食べるのではなく、私自身が強いお方に……」彼女が振..
posted by 黒の書 at 00:00

2018年05月16日

いばら姫 / 餐虎のソーサラー

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遊牧の民にとって家族同然であり、失い難き財産でもある家畜たちが、血に塗れて絶命した姿で発見された事実は、家族を狭いパオの中で途方に暮れさせるには充分な悲劇であった。

頭蓋骨を砕かれ脳髄を失った山羊と目玉だけ抉りとられた羊と蹄だけ剥がされた馬を呆然と眺めていた私の心象に、唐突なる畏敬と恐怖が具現化するのを私は実感した。

家畜に残る傷は等しく巨大かつ獰猛な獣が選り好みして喰い散らかしたようであると推測しつつ、いつの間にか聞こえなくなった家族の嘆き声に不審さを覚えた..
posted by 黒の書 at 00:00

2018年04月16日

グレーテル / 餐虎のソーサラー

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美餐に溺れた虎の精霊はかく語る。
──シンデレラは大層美味。真っ直ぐ卑劣で清々しい味。長年虐げられ続け熟成された憎悪は極上のスパイスと言えました。

惜しむらくは王子の気まぐれの救済。あれさえなければもっと美味だったでしょう。

それに比べ、いま平らげたばかりの魂はイマイチ。雑食は肉が硬く不味い。しかも大して栄養素を吸収してもいない。3匹もいたのに期待外れで嘆かわしい限りです。

さて次なる獲物は……ふむ、アレだ。被虐の悦を知る魂も味見といきましょう。ああ、腹が鳴る。涎が溢..
posted by 黒の書 at 00:00

2018年03月16日

シンデレラ / 餐虎のソーサラー

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皮を剥ぎ、肉を削ぎ、口の中で何度も味わうために咀嚼を繰り返すと……じゅわっと旨味が広がるのです。この瞬間が本当にたまりません。

ところが不思議なことに、肉を喰めば喰むほど臓腑の内側から憎悪の針と怨嗟の炎で焼かれるような痛みがし始めるのです。じくじくじくとまるで毒のように……私を苛みます。

ですがなんということでしょう!
私の食欲は痛みごときでは止められません!
毒に覚える懐かしさ、私の前ではスパイスでしかないのです!

食べたい、食べたい、食べたい!薄..
posted by 黒の書 at 00:00

2018年02月16日

スノウホワイト / 餐虎のソーサラー

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鼠さんと一緒にぼくの「思い出の味」を探す旅もそろそろおしまい。ぼくはのろまな虎だけど、これまでに食べたうさぎも鳥もワニも蛙も鹿も思い出の味じゃないってわかってるんだ。

でもみんな美味しかったよ、冬眠中の蛙は少し凍ってるかうシャリシャリしてて最高だったし、子鹿のお肉は柔らかくって臭みも少なくてみんなに食べて欲しくなっちゃう!

……でも思い出の味じゃなかった。銀さんは次が最後だっていうけど、それも違ったらどうしよう。それに……こんなに美味しいものを食べ続けちゃって..
posted by 黒の書 at 00:00

2018年01月16日

アリス / 餐虎のソーサラー

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これは美食に溺れた虎の物語です。思い出の味を忘れられない虎は、賢いネズミと旅立ちました。ウサギ、小鳥、ワニ、カエル、鹿……力と知恵を駆使し、フルコースを食べ尽くします。

けれど虎の「思い出の味」には出会えません。ネズミは最後に自分を食べるよう虎に持ちかけます。虎は断りますが、ネズミは「思い出の味はネズミだ」と畳み掛けます。悩んだ虎は……

ぱくり!食べてびっくり、ネズミこそ虎の「思い出の味」でした!けれど舌の肥えた虎はもうネズミでは満足できませんでした。それにそ..
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