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2018年06月16日

赤ずきん / 餐虎のソーサラー

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かぐや姫は右の皿を指差し、うっとりと微笑まれました。「こちらのお皿はいくつもの肉の塊が並んで……ああ、ほら、先端からじゅわりと肉汁が染み出て……とても美味しそう。ふふ」

今度は左の皿を指差し、嗚呼、と溜息をこぼされました。「紐に縛り上げられたお肉も、よく引き締まってなんて魅惑的……。すっかり熱が行き渡って、食べ頃と言わんばかりですね」

「選べません、全部全部食べてしまいたい。でもできることなら皿に盛られた料理を食べるのではなく、私自身が強いお方に……」彼女が振り向いた先にすでに精霊はおりませんでした。

精霊の強さに導かれるまま欲に溺れたかぐや姫には、皿の上に並ぶ肉がなんの肉なのか、些末なことなのでございます。完食されると優雅に微笑まれました。「ああ、なんて美味しい」
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