2018年07月16日
かぐや姫 / 餐虎のソーサラー
汝、その名を語るなかれ。汝、その姿を見るなかれ。汝、その声を聞くなかれ。これすなわち三大禁則とし、たとえ国の名が変わろうとも伝え残す義務を忘れることなかれ。
かつて星の巡りと共に移動する遊牧の民がいた。彼らは勇猛なる騎馬の戦士でもあった。だがある日、その一団全てが羊と共に喰い散らかされ骨と僅かな肉片だけで発見された。
またある時は「赤子」ばかりが喰われた事件もあった。牛や羊、犬や猫に限らず、人間の赤子もまた狙われた。胎児を抱えた妊婦が血まみれで発見されたこともあった。
数え切れぬ血の記録は災厄の証である。故に三大禁則を破るなかれ。その虎、いまだ健在にして、その腹は永劫に満たされず。今なお、贄を求め彷徨いし事、ゆめゆめ忘れることなかれ。
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