2018年07月15日
かぐや姫 / 怠熊のミンストレル
これより語るは、愚かな男の末路にして、賢き子らへの戒めである。人の道を外れることのなきよう、子々孫々まで伝え広めよ。我ら一族が故郷を失ったそのわけを。
痩せた大地を耕し疲れきっていた男は、神に祈りを捧げた。「神よ、我らを助けたまえ。作物を育てる水を与えたもう」哀れに思った神は、天より恵みの雨を降らせた。
これを見ていたとある精霊は男に囁いた。「いっそ働かないで暮らせるように願えばよくない?」と。男が精霊の言うとおりに願うと、天から水と食べ物が毎日降り注いだ。
やむ事のない雨は大地を押し流し、降り注ぐ多くの食物は腐り果て地を汚し、ついにその地は人の住む所ではなくなった。――良く聞け我が子らよ、怠惰ではなく勤勉を友とせよ。
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