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2023年06月27日

471番:アルト・ハイデルベルク(140)


アルト・ハイデルベルク(140)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌



−−−−−−−−−−【140】−−−−−−−−−−−−−−−−−

..............Lutz: Meine liebe Frau Dörffel, es gibt etwas
...........................für einen Mann meines Standes, das
............................schlimmer ist, als alles andere. Wenn
...........................man das feine Gefühl für die Schranken
...........................verliert, welche Stand und Bildung auferlegen.
...........................Es kommt vor, dass ich mit Ihnen und den
...........................anderen Fruen in der Küche sitze und Kaffee
...........................trinke. Weil ich mich aussprechen muss,
..........................weil ich nicht ewig allein sein kann. Ich habe
..........................die Selbstachtung verloren.

....Fr. Dörffel: Ja, freilich, freilich.

..............Lutz: Gehen Sie jetzt. Ich werde versuchen, eine
.............................halbe Stunde .zu schlafen.

....Fr. Dörffel: Die Käthie ist draußen und kocht Kaffee.
............................Will der Herr Lutz schon Kaffee trinken ?

..............Lutz: Nein.

....Fr. Dörffel: (räumt Eimer, Scheuertuch etc. zusammen;
...........................ziemlich umständliche Pause, dann ab).


−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−

...............ルッツ:ねえ奥さん、私のような立場の人間には、
...............................何よりも具合の悪いことがあるのですよ.
...............................それは身分と教養が課す限界に対する繊
...............................細な感覚を見失う時のことなのです.そ
...............................れは、あなたや他のご婦人たちと一緒に
...............................台所で座ってコーヒーを飲んだりすると
...............................きに生じる感覚麻痺です.私だって腹を
................................割って話したりするんだし、いつまでも
.............................. 一人きりというわけにもいかない.
...............................私の自尊心は無くなり果ててしまったよ.

デルフェル夫人:はい、それはそれは、ごもっともで.

.................ルッツ:ではもう行ってください.半時間ほど
..................................寝てみます.


デルフェル夫人:ケティーが外でコーヒーを立てています
................................わ.ルッツさん、もうコーヒーをお飲み
................................になりますか?

.................ルッツ:いや、いらない.

デルフェル夫人:(バケツ、雑巾などを片付け、まとめる;
.................................なかり長ったらしい間.そしてやっと
.................................退場)



−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−

Meine liebe Frau Dörffel:婦人への呼びかけ(親愛なるデル
フェル夫人)一般の人に対する丁寧な呼びかけです.
こうした戯曲ならばGnädige Frau (奥様) と呼びかけ
てもいいかもしれませんが、デルフェル夫人の場合は、
宿の仲居さんなので Meine liebe Frau Dörffel が最上
級の呼びかけだと思います.
schlimmer:(形、比較級) <schlimm @悪い、憂慮すべき、
深刻な、 A 好ましくない、悪い、不都合な、具合の
悪い、困った
das Gefühl:(e式) @感覚、A感情
die Schranke:(弱n) 遮断機、垣、垣根;[複で] 限界、制限
verliert:(3単現) <verlieren (他) 失う、なくす、紛失する
   3変化:verlieren--verlor--verloren
auferlegen, auf/erlegen:(他)(負担、義務などを) 課す
welche:(関係代名詞) 先行詞はdie Schranken「制限」
der Stand:(変e) 身分
die Bildung:(弱en) 教養
vor/kommen:(自/s) 起こる、現れる、生じる
    (場所副詞と共に) 見られる、存在する
die Frau:(弱en) 婦人、女性、女
die Küche:[発音キュッヒェ] (弱n) 台所、調理場
aus/sprechen:(他) 発音する、述べる、話し合う
   sich⁴ aus/sprechen 心中を打ち明ける
ewig:(形、副) 永久(に)の、永遠(に)の
die Selbstachtung:自尊、自敬
räumt :(3単現) <räumen (他) 運び去る、除去する、片付ける
der Eimer:(同尾) バケツ、手桶 
das Scheuertuch:(変er) 雑巾
umständlich:(形) くどくどした、回りくどい

        

−−−−−−−−−≪文法と独文解釈≫−−−−−−−−−−−−−−−−

es gibt etwas für einen Mann meines Standes, das schlimmer ist,
als alles andere.
私のような立場の人間にとっては、他の何にも増して
具合の悪いことがあります.

für einen Mann meines Standes が挿入されていて、分かりに
くいのですが
es gibt etwasの後にはdas schlimmer ist, als alles andere とい
う.関係節がつづいています.つまり、
 es gibt etwas das schlimmer ist, als alles andere.
 「何よりも具合の悪いことがある」
という文に
 für einen Mann meines Standes「私のような立場の人間に
とって」
というフレーズが放り込まれているので、訳すときは挿入
部分を
引っぱり出して訳します.
「私のような立場の人間にとっては」+「何より良くない
ことがある」

文の構造が違うドイツ語は先行詞と関係代名詞の間という
隙間にフレーズが挿入されることがあります.日本語の修
飾関係ではありえないことなので注意が必要です.
しっかり閉めたはずの食器棚に入って来る虫に注意しまし
ょう.これをお邪魔虫と呼びます.
(うそです、ごめんなさい、でも注意しましょう)

今回とは関係ないのですが、挿入といえば、冠詞と名詞
の間にさえも入って来ることがあります.是非ご注意を!

本当にどこにでも入って来る挿入句、挿入文には完全に馴
れきるまで悩まされます.そういえば、天井裏でネコがネ
ズミを追っかけていたことがありました.あいつら、どこ
から入ったのか、不思議でなりません.

脱線ついでに、冠飾句とよばれる挿入の例がありますので
書いておきます.
『独文解釈の研究』(郁文堂)P 4 ~p 5 に
Das Gefühl der Heimat haftet nicht nur an den von der Natur
geschaffen Formen der Landschaft.

単語を書きます.
das Gefühl der Heimat:郷愁
heften:くっつける;an ~ haften 〜にくっついている
schaffen:[強変化]創造する、[弱変化]行なう
die Landschaft:県、近郊、風景

そして冠飾句とよばれるフレーズがこれ:

von der Natur geschaffen

何がすごいといって、den Formen という冠詞と名詞の間
に入って来るのですから、びっくりします.漬物とごは
んの間には、お茶は入ってもチョコレートは入らないだろ
うが、それに似たようなものだ.
漬物冠詞とごはん名詞の間には入るのはお茶形容詞ぐらい
のものだが...

この課の解説によりますと、冠飾句は形容詞として考えれ
ばよいとのことです.(だってそう考えないとおさまりが
つかないものね)
[冠詞 + 形容詞扱いの冠飾句 + 名詞] なのだそうですよ.

とてもお茶とはいえない、どちらかというと抹茶チョコ
みたいな形容詞ですけど、一応この冠飾句は形容詞という
ことでございます.


(訳)郷愁は、風光という、自然によってつくられた形に
密着しているだけではない.

せっかくだから、この続きの文も書いておきます.
nicht nur と呼応する文ですから!

Es setzt zugleich auch alle die vielfältigen Beziehungen
zu den Menschen voraus, die in dem Lande wohnen und
wirken, zu dem, was der Mensch aus diesem Lande gemacht
hat.
.
zugleich:同時に
vielfältig:多種の
die Beziehung zu ~ :〜との関係
voraus/setzen:前提とする
wirken:活動する

(訳)それはまた同時に、その地に住み働いている人々
とか、この土地から人間がつくったこととかに対する、
いっさいのさまざまな関係を前提としているのである.

470番:ハリエット嬢(160)


ハリエット嬢(160)
Miss Harriet
Maupassant



−−−−−−−−−−【160】−−−−−−−−−−−−−−−

Sapeur prononça d' un ton de mépris:
≪ Nom d' un nom, qu' all' est maigre ! ≫
Nous la portâmes dans sa chambre, et comme
les deux femmes ne reparaissaient point, je fis sa
toilette mortuaire avec le valet d' écrie.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 サプールが軽蔑した口調で言いました:
 「やれやれ、どこもかしこもガリガリじゃないか!」
私たちは彼女(の亡骸)をその部屋に運んで置きまし
た.二人の宿の女たちはさっぱり姿をみせないものです
から、私と馬丁のサプールとだけで、ハリエットさんの
死化粧をしました.
 
 
..−−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−−

prononça:(単純過去3単) < prononcer (他) 発音する
    ❷ (言葉などを)発する、口にする
ton:(m) 口調、語調、話しぶり
mépris:(m) 軽蔑、軽視、無視、無頓着
nom d' un nom que ~:「何てこった、〜だななんて」
toilette:(f) 身づくろい、洗面、化粧
mortuaire:(形) 死の、死者の
faire sa toilette mortuaire:死化粧を施す
valet d'écrie:(m) 厩務員、馬丁


469番:ココット嬢(23)


ココット嬢(23)
Mademoselle Cocotte


−−−−−−−−−−【23】−−−−−−−−−−−−−−−−−

≪ Dans le jour, ils pénétraient jusque dans la mai-
son. C' était une invasion, une plaie, un désastre.

..−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

日中には、犬たちは家の中にまで入ってきました.それ
は侵犯であり、災厄であり、災害であった.


.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

invasion:[アンヴァズィオン](f) 侵略、侵犯、侵入、乱入
plaie:[プレ](f) @傷、傷口;❷災い、災厄
désastre:[デザーストル](m) 災害、災難、惨事


2023年06月26日

468番:アルト・ハイデルベルク(139)


アルト・ハイデルベルク(139)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌



−−−−−−−−−−【139】−−−−−−−−−−−−−−−−−


..........Lutz: Ich bin kein Bedienter, verstehen Sie mich ? !
.......................Ich bin kein Lakai. Die Pflichten und Rechte
.......................eines Kammerdieners sind so genau umschrieben.
.......................wie die eines Beamten ! Ein Lakai ist ein Hand-
.......................werker und ein Kammerdiener ein künstler ! Ver-
.......................stehen Sie mich ?

Fr. Dörffel: Freilich, Freilich.

..........Lutz: Schuld an allem ist dieser Mensch, dieser Schul-
.......................meister ! Das geht den ganzen Tag. ≫Holen
.......................Sie mir Kaffee, Lutz !≪ oder ≫Bürsten Sie
.......................mich ab, Lutz !≪ oder ≫Holen Sie Zigarren,
.......................Lutz !≪ Es fehlte nur noch, dass er etwa sagte:
.......................≫Putzen Sie .mir die Stiefel !!≪ Ich wollte, er
......................sagte es ! Es gäbe eine Katastrophe.

Fr. Dörffel: Ja, ja,ja,ja.


−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−


................ルッツ:私は召使いじゃないんだ、わかっても
................................らえますか?私は下僕でもない.侍従
................................の権利と義務は官吏のように正確に既
................................定されているのです.従僕が手職人とす
.................................れば侍従は芸術家なのです.わかってい
.................................ただけますか?

デルフェル夫人:もちろんですとも、もちろんですとも.

................ルッツ:すべてはあの男のせいだ、あの教師の
.................................責任だ.まる一日この調子だ.「ルッツ、
.................................コーヒーを持ってきてくれ!」 さもな
.................................くば「ルッツ、ブラシをかけてくれ!」
.................................あるいはこうだ、「たばこを持ってきて
.................................くれ、ルッツ!」言わないのはこのセ
.................................リフだけだ:「私の長靴を拭いてくれ!!」
..................................いっそ言ってくれたらいいものを.
..................................そうしたら、悲劇の大詰めが待っているさ.

デルフェル夫人:ええ、ええ、そうですわね、そうですわね.
.


−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−

Bedienter:(男性N格) <Bediente (男)(女)(形容詞的変化)
⦅古語⦆召使い、下僕.(der Diener;召使い、
奉公人、使用人)
die Pflicht:(弱en) 義務
das Recht:(e式) 権利、権限; 
doe Rechte der Bürger / 市民の権利
der Kammerdiener:(同尾式) [古語] (王侯、貴人の)
近侍、近従, お付きの者、
(日本の平安時代の内侍に相当する役職)
umschrieben.:(過去分詞) <umschreiben (他) 限定する、
     (権限など⁴の範囲を) 既定する
der Beamte:(弱n) 官吏、公吏、公務員、役人
der Lakai:(弱en) [古] (王侯貴族に仕え、仕着せを
着た召使い、従僕)
der Handwerker:(同尾式) 職人、手職人
der künstler:(同尾式) 芸術家
freilich:(副) もちろん、確かに、いかにも
die Schuld:(弱en) 責任、責め、罪
Die Schuld liegt sn ihm. / その責任は彼にある.
holen:(他) (取りに行って) 持って来る 
ab/bürsten:(他) [ほこりなど⁴を] ブラシで払う
   A[服など⁴に] ブラシをかける 
fehlte:(過去3単) <fehlen (自)
[…3に] 欠けている、足りない、
       不足している 
putzen:(他) きれいにする、そうじする
der Stiefel:(同尾式) 長靴
die Katastrophe:(弱n) 大災害、破局、悲劇の大詰め


467番:ハリエット嬢(159)


ハリエット嬢(159)
Miss Harriet
Maupassant


−−−−−−−−−−【159】−−−−−−−−−−−−−−−

 Sapeur saisit les chevilles, et on la tira de là, la
pauvre et chaste fille, dans la posture la plus
immodeste. La tête était affreuse, noire et déchirée;
et ses longs cheveux gris, tout à fait dénoués, dé-
roulés pour toujours, pendaient, ruisselants et fangeux.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

サプールは遺体となったハリエットさんの両くるぶしを
掴み、こうして清純派老嬢は井戸の奥から、実にみっと
もない姿で引き上げられました.その顔はおぞましく、
黒く、そして引き裂かれていた.長い白髪の結わえた束
はすべて完全にほどけ、巻き髪もほどけ、いつまでも垂
れ下って泥水をしたたり落としていました.


 
 
..−−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−−

cheville:[シュヴィーユ](f) くるぶし(踝)
chaste:(形) 清純な、純潔の、貞節の、汚れのない
posture:(f) (不自然な) 姿勢;
   rester dans une posture inconfortable /
窮屈な姿勢をとり続ける
immodeste:(形) [古風] 慎みのない、不謹慎な;
   あられもない、はしたない
   tenue ommodeste / 大胆な[けばけばしい]服装
affreux(euse):(形) ❶ぞっとするような、恐ろしい
   Aひどく醜い、ひどく嫌な、おぞましい
déchirée:(p.passé/f) < déchirer (他) 引き裂く、破る 
dénoués:(p.passé/pl/m)
   < dénouer (他) (の)結び目を解く
tout à fait:完全に、全く
   Vous avez tout à fait raison. /
   まったくおっしゃる通りです.
   C'est tout à fait inutile. / それは全く無意味だ.
déroulés:(p.passé/pl/m) 巻きがほどけた
   < dérouler (他) (巻いてあるものを)ほどく
pour toujours:永遠に
pendaient:(半過去3複) < pendre (他) つるす、掛ける
   pendre un tableau au mur / 壁に絵を掛ける.
ruisselant(e):(形)[de が] 流れ落ちる、したたり落ちる
   (で)びしょ濡れの、
   front ruisselant de suer / 汗がしたたる顔
   vitres ruisselantes de pluie / 雨が流れ落ちる窓ガラス
fangeux(euse):[ファンジュー、ファンジュ-ズ] (形) [文語]
   泥だらけの、
   eau fangeuse / 泥水
   


..−−−−−−−−−−≪解釈≫−−−−−−−−−−−−−−−

Sapeur saisit les chevilles, et on la tira...
Sapeur で主語を始めているのに、なぜ途中でon に切り
替わったのでしょうか? 自然に考えるならon を置か
ず、そのままSapeur saisit les chevilles, et la tira...でし
ょう.でもわざわざon に切り替えたのは、おそらく主
体のきり代わり効果のためでしょう.映像でたとえると
画面はサプールの顔を映したあと、引き上げられたモノ
に焦点を充てるため、on で主語をぼかしたのでしょう.
つまり、on を用いて行為者を明示せず、サプールが引き
上げて、今度はその引き上げたものが出てきた.映像は
今、la を映しています.変わり果てたハリエットさんで
す.
 このon の効果を文法的に説明しますと、主語明示を
しないことによって、受動的効果が出るのです.
On a encore augmenté le prix de la viande.
(肉の値段がまた上がった)

466番:ココット嬢(22)


ココット嬢(22)
Mademoselle Cocotte



−−−−−−−−−−【22】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Et ils hurlaient des nuits entières autour de bâtiment
où logeait leur amie, sans que rien les décidât à
s' en aller.

..−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

そして雄犬たちは毎晩夜通し、この雌犬の住んでいる建
物の周りで遠吠えするのでした.犬たちは何をされても
全然立ち去ろうとはしませんでした.


.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

hurlaient:(半過去3複) hurler [ユルレ](自) 吠える;
    (犬、狼が)遠吠えする、(人が)わめく 
décidât:(接続法半過去3単) < décider (他) 決心させる
   décider à + 不定詞:〜することを決心させる
   rien が主語になっていますので、犬が決心したの
   ではなく、rien が犬たちを全然離れない決心をさ
   せました.rien は「何が何でも」「何があっても」
s'en aller:立ち去る


2023年06月25日

465番:アルト・ハイデルベルク(138)


アルト・ハイデルベルク(138)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌


−−−−−−−−−−【138】−−−−−−−−−−−−−−−

Fr. Dörffel:(wäscht das Zimmer auf, fegt, klopft etc.). Hier
..................steht noch dem Herrn Lutz sein Abendessen.

........Lutz: Zwei Butterbrote und eine Flasche Bier !
...................Wenn mir einer in Karlsburg das zum
...................Abendessen bringt, dann schmeiße ich es aus
...................dem Fenster !

Fr. Dörffel: Ich sage es immer, es ist keiner so zu
...................bedauern, wie der Herr Lutz.

.......Lutz: In Karlsburg trinkt man abends sein Glas guten
..................alten Bordeaux. Um 10 gehe ich ins Bett.
..................Früh bekomme ich meine Bouillon, mittags
...................mein Hühnchen. (Plötzlich ausbrechend.)
...................Weiß man hier überhaupt, wer ich bin ?

Fr. Dörffel: Jesses Maria !


−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−

デルフェル夫人:(部屋の雑巾掛け、床掃き、はたき
...........................掛けなどをする) あら、ルッツさん、
...........................まだ夕べの食事がそのままですわよ.

..............ルッツ:バター付きパン2切れとビール1本!
............................カールスブルク でこんなものを私の
............................夕食に持って来てみろ、窓から放り
............................投げてやるよ!

デルフェル夫人:私、いつも言っているんですよ.
...........................ルッツさんほどお気の毒な人はいない
............................って.

...........ルッツ:カールスブルクでは、私は夕食には
........................年代もののボルドーを一杯飲むのだよ.
.......................10時には私は寝るのだ.朝が来ると、
........................コンソメスープを食して、昼はチキン
........................を食する.(突然、感情をあらわにして)
........................一体ここでは私を何だと思っているの
.........................だ?

デルフェル夫人:おやおや、まあまあ
.


−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−

wäscht:(他) 洗う
  (waschen, wusch, gewaschen)(2単3単でウムラウト)
auf/waschen (他) 洗ってきれいにする
fegt:(3単) <fegen (他) ほうきで掃く、
そうじする、掃く
klopft:(3単) <klopfen (自/他) 打つ、たたく、はたく
das Butterbrot:(e式) バター付きパン
schmeiße:(1単) <schmeißen (他) [A格を]
投げる、放り投げる
Bordeaux:地名のボルドーは中性名詞;
ワインのボルドーは男性名詞.
     ここではワインのことなので男性名詞です.
bedauern:(他) [A格を] ❶残念に思う; 
❷気の毒に思う
es ist keiner so zu bedauern, wie der Herr Lutz:
   ルッツほど気の毒に思える人はいない.
  es ist nicht (あるいは他の否定辞)
X + so + 形容詞 + wie Y
Yほど〜なXはない
  ここでは形容詞(はなくsoだけ)に
zu 不定詞が付いて
   Yほどzu 不定詞するのに〜なXはない
ルッツほど、それほど気の毒に思える人はない
die Bouillon:[ブヨン/ブリョン] ブイヨンのことですが、
ドイツ語での発音は[ブヨン] もしくは
[ブリョン] コンソメスープ 
das Hühnchen:(同尾式) ひな鳥、小さい鶏
Plötzlich:(形・副) 突然、突然の
ausbrechend:(現在分詞) <aus/brechen (自/s)
突然感情を爆発させる
überhaupt:(副) そもそも
Jesses :(間) おやまあ、いやはや;
本文のように、Jesses Maria ともいう.
別スペルの Jessas も同じ意味で、
こちらはオーストリアで用いられる.
    尚、本来のイエスの綴りはJesus です.
冒涜を避けるためスペルを変えているので
しょうか.

464番:ハリエット嬢(158)


ハリエット嬢(158)
Miss Harriet
Maupassant


−−−−−−−−−−【158】−−−−−−−−−−−−−−−

La mère Lecacheur et Céleste nous guettaient
de loin, cachées derrière le mur de la maison.
Quand elles aperçurent, sortant du trou, les
souliers noirs et les bas blancs de la noyée,
elles disparurent.
  

−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 ルカシュール母さんとセレストは家の壁の後ろに隠れ
て、遠くから作業する私たちを伺っていました.でも水
浸しになった黒い靴と白いストッキングが井戸から出て
きたとき、彼女たちはもう消え失せていました.
 

..−−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−−

guettaient:(半過去3複) < guetter (他)❶ 見張る
   狙う、待伏せする、(機会を)うかがう、 
A 待ちわびる、待ち構える
trou:(m) @ 穴、破れ目、くぐり穴;
   A ひっそり暮らせる場所、片田舎、巣、隠れ家、
   vouloir disparaître dans un trou. /
(恥ずかしくて) 穴があったら入りたいと思う
bas:(m) (女性用) ストッキング、靴下
noyé(e):(形) 溺れた、浸水した
noyé(e):(名) 溺死者、水死者
disparurent:(単純過去3複) < disparaître
見えなくなる、消え失せる


..−−−−−−−−−≪読解の難所≫−−−−−−−−−−−−−−−

今回のテキストの後半は、文章構造はやさしいのですが
解釈には注意を要します.
Quand elles aperçurent, sortant du trou, les souliers noirs et les
bas blancs de la noyée, elles disparurent.
みなさん、試しに訳して見てください.
「彼女たちが隠れ場所から出てきて姿を見せたとき、水
浸しの黒い靴と白いストッキングを見て、また消え去り
ました.」
ブー.残念でした.私も人のことは言えませんtrou に
惑わされた一人でした.さてtrou を「隠れ場所」と
解すると、このような漫画みたいな訳になってしまい
ます.trou は素直に「穴」、井戸の穴のことを言って
いるのでした.
sortant du trou, les souliers noirs et les bas blancs de la noyée,
井戸の穴から水浸しになったハリエットさんの黒い靴と
白い靴下が出てくると、彼女たちはもう完全に消え失せ
てどこかへ行ってしまった.
この分詞節sortant 〜の主語は、ルカシュールさんとセ
レストのことではありません.主語は主節と同じです.
elles を les souliers noirs et les bas blancs de la noyée で
置きかえたものです.「それらが現れると、つまり井戸か
ら濡れた黒い靴と白い靴下が出て来たとき、壁のところ
にいた彼女たちは、もういなくなってしまいました.」
長いので外置になっています. この作品が発表された
140年前、絶対にモーパッサンは私たち日本人が分かる
ようになどと配慮して書いてくれてはいないはずです.
文法の詳しいことはわかりませんが、何か用語をつけ
ておくならば「言いかえ主語の外位置」?でしょうか.

463番:アルト・ハイデルベルク(137)


アルト・ハイデルベルク(137)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌



−−−−−−−−−【137】−−−−−−−−−−−−

2. Szene

Fr. Dörffel:(mit Besen, Eimer, Scheuertuch). Ist es erlaubt ?

..........Lutz: Was ist ?

Fr. Dörffel: Ist der Herr Lutz schon aus dem Bett ?

..........Lutz: (diabolisch). Ja, aus dem Bett ! Der erste
........................ins Bett und der letzte aus dem Bett. Oder
........................vielmehr überhaupt nicht ins Bett und nicht
........................aus dem Bett. (Fasst sich an den Kopf.)
........................Ich rede schon Unsinn ! Mein Kopf ist hohl.

Fr. Dörffel: Der Herr Lutz müsste mehr schlafen.

..........Lutz: Schlafe ich überhaupt noch ? Lebe ich wie
........................ein Mensch ? Ich leide an Rheumatismus,
........................ich erkälte ich jede Nacht.



−−−−−−−−− (訳)−−−−−−−−−−−−−−−

−−−− 第2場−−−−

デルフェル夫人:(ほうきとバケツとぞうきんを持って)
よろしいでしょうか?

................ルッツ:何ですか?

デルフェル夫人:ルッツさん、もう起きていたのです
.................................ね.

................ルッツ:(まるで悪魔のように) そうとも、起
................................きているとも.誰より先に寝て、起
................................きたのも最後だ.いやあるいは、そも
................................そも全然寝ることも起きることもして
................................いないのだ(頭を抱え込む)
.................................私はもうわけのわからないことを言っ
................................ている! 頭の中が空っぽだ!

デルフェル夫人:ルッツさん、もっとお眠りにならない
................................といけませんわ.

................ルッツ:いったい全体、私にはまだ寝るという
.................................営みがあるのだろうか? 人間なみに
.................................生きているのだろうか? リューマチ
.................................に悩まされ、毎晩のように風邪を引い
.................................てばかりだ.



−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−

der Besen:(同尾式) ほうき
der Flur mit dem Besen fegen /
廊下をほうきで掃く.
der Eimer:(同尾式) バケツ、手桶 
das Scheuertuch:(変ER) 雑巾
erlaubt:(3単現) <erlauben 許す;
[D格にA格を] 許す
    (状況などが) 可能にする
diabolisch:(形) 悪魔のような
vielmehr:(副) (というより) むしろ、それどころか、
いっそ
überhaupt:(副) ❶ぜんぜん (ない)、まったく(ない)
     ❷そもそも、一般に、そもそもが
     ❸(疑問形で) いったい全体
fassen: (他) (A格を) つかむ
   sich3 an den Kopf fassen / (困って) 頭をかかえる
der Unsinn:[únzin](複無) くだらないこと、
ばかげたこと、無意味なこと、 
Unsinn reden / くだらないことをしゃべる
Rede doch keinen Unsinn !
    くだらない<理屈にもならない>
ことを言うな!
hohl:(形) 空の; 
er ist ein hohler Kopf. 彼は頭が空っぽだ.
         (間抜けだ)
erkälte:(1単現) <erkälten (再帰)
sich⁴erkälten / 風邪をひく 
ich habe mich erkältet. / 私は風邪を引いた.

462番:ハリエット嬢(157)


ハリエット嬢(157)
Miss Harriet
Maupassant


−−−−−−−−−−【157】−−−−−−−−−−−−−−−

 Nous montâmes tous deux sur la pierre du
rebord et, face à face, penchés sur l' ouverture,
nous nous mîmes à hisser le corps.  

−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 私たち二人は 井戸の縁石で顔を見合わせ、開口部
から身を傾けました.私たちは死体を引き上げ始めま
した.


..−−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−−−

rebord:[ルボール](m) 高くなった縁、
   窓など盛り上がったへり
plat à rebord / 縁の高く盛り上がった皿
ouverture:(f) (建物などの) 開口部、井戸の口
mîmes:(単純過去1複) < mettre (他) 置く
se mettre:(pr) 身を置く
se mettre à + 不定詞:〜し始める
hisser:(他)❶ (綱で)引っ張り上げる、
   (旗などを)揚げる
   hisser un drapeau / 旗を掲げる
hisser les voiles / 帆を張る
   A持ち上げる、引き上げる

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はじめまして.ゴタぴょんと申します.通訳ガイド(英語)をしております.というかしていました.コロナの影響で現在仕事はありません.毎日ヒマなので、語学学習をしております.学習したノートを公開しますので、どうぞ、ご一緒に!
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