「レシチン」という名前は、ギリシャ語で、卵黄を意味する「レシトース」を語源とする言葉で、「リン脂質」と呼ばれる脂質の一種です。レシチンは細胞膜や細胞の核の中にあって、毎日新しい細胞をつくり、細胞に必要な酸素や栄養分を吸収し、不必要な物質を排出する役目を担っています。私たちの体は、「水溶性成分」(水に溶ける性質)と「脂溶性成分」(油に溶ける性質)から成り立っていますが、その仲立ちをするのが「レシチン」。脂肪がエネルギーとして利用されたり貯蔵されたりするには、タンパク質と結びついて血液の中を移動する必要がありますが、このタンパク質と脂肪を結合させるのにレシチンが必要となってきます。今回は卵黄レシチンに関して特集しました。
卵黄レシチンとは
天然で最も安定な乳化液は、卵黄そのものといわれています。卵黄は、脂肪が33%、タンパク質17%、水分50%を含んでいますが、全く分離しません。これは10%含まれる卵黄レシチンのためです。レシチンはそもそも油を水に分散させて「エマルジョン」をつくる乳化力を特性とし、このことが卵黄脂質の消化吸収のよさにも関係しているわけですが、皮膚や粘膜から物質を透過吸収する浸透作用も有しています。これらの特性を利用して、医薬用リポソームの材料、静脈注射用脂肪乳剤、痔や皮膚病の治療薬として使われています。
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レシチンに期待される効果
- コレステロール値を下げ、動脈硬化性疾患を予防し、胆石を防ぐ
- 老化予防
- 脳細胞の活性化を促すことで、記憶力を増大させる
- 神経細胞を活性化させるため、自律神経失調症、不眠症、神経衰弱、精力減退などを防ぐとともに、これらを回復させる
- 肌を美しくし、皮膚疾患(シミ、ソバカス)を予防
- 高血圧、心臓病、肝臓病、糖尿病、血栓症、貧血症、腎臓病などの予防に
- その他、各細胞への栄養補給に役立つ
レシチンの不足は、体質悪化、疲れやすい、脳の疲労、頭痛、不眠、動脈硬化、糖尿病、腸の異常、悪玉コレステロールの沈着などたくさんの病気の引き金になるようです。
細胞をイキイキとさせることで優れた働きが
レシチンには細胞をイキイキと活動させることで次のような働きがあるとされています。
- 細胞膜の主成分として、細胞の若さを保つ
- 血管壁にたまったコレステロールを溶かし、血管の若さを保つ
- 脳や神経系の働きを活発にし、老化防止に役立つ
レシチンは不飽和脂肪酸、コリン、グリセリン、リンといった4つの物質からできています。不飽和脂肪酸はコレステロールを除去し、血管を強くする作用があります。「人間は血管から老いる」といわれますが、血管の老化は10代からすでに始まっているといわれ、レシチンを充分に補うことが肝要です。
レシチンに含まれる成分の中でも、注目されている成分がコリン。コリンには肝臓の脂肪変性を防ぐ抗脂肪肝作用があり、これが肝硬変を予防するといわれています。
またコリンはアセチル基と結合して、アセチルコリンという化学物質をつくります。アセチルコリンは脳の神経伝達物質として、神経伝達の活性化を促進します。老人性認知症の原因の1つにアセチルコリンの不足が挙げられますが、これを補えば、老化防止に期待されることが明らかになっています。
本来、コリンは体内で合成されるものですが、年齢とともにコリンを合成する能力が低下しています。そこでコリンを含む食品を摂ることが大切です。コリンはレバーや豆類に多く含まれていますが、中でも飛び抜けて多く含まれているのが、卵黄なのです。
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