毎日とーっても楽しいです!
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暇を見つけて、ちょこちょこと数学の原稿も書いています。
それでは今日の講座を始めましょー。
こばとの数学基礎講座
三角関数とベクトル編C 角度がぐるぐる回ります
初回からずーっと角度の話が続きます。「なんかもう飽きちゃったなー」と思う人もいるかもしれないけど、大事な基礎ですので、もう少し辛抱してお付き合いくださいな。何のためにこんな地道な勉強をしているのかというと、角度 θ の周期関数 f(θ) を定義するためなのです。周期関数というのは、θ = α における f(α) と、そこから周期 T だけ進めた θ = α + T における f(α + T) が一致するような関数のことです:f(α + T) = f(α)
つまり同じ値が何度も繰り返される関数なのです。
特に次回から本格的に学ぶ三角関数は、周期 2πの関数です。
f(α + 2π) = f(α)
ところで前回は角度を負の値まで拡張したので、θ は −2π から 2π までとることができるようになっています。そこで θ を横軸に、 f(θ) を縦軸にグラフを描いてみると、こんなふうになります。
今の段階では赤い部分と緑の部分でしか f(θ) を定義できません。何だか中途半端ですよね。これでは数学的にとても使い物にならないので、θ の範囲を広げて、f(θ) が点線のように正負にずーっと続く周期関数にしたいのです。そこでまた x - y 座標に戻って、どうすればいいのか考えてみましょう。
円周上を動く P と 座標 Q(1, 0) を結ぶ弧長 PQ で θ を定義していましたね。そのままの定義では弧長 PQ は 0 から 2π の範囲しかとれないわけです。そこで上図の赤い線で示したように、P はすでに 1 周 (2π) 動いていて、そのあと 2 周目 に入っているという考え方をしてみます。上図の青い部分は弧長で考えると角度 π/4 ですが、1 周目と合せると
2π + π/4 = 9π/4
の角度であると考えるのです。同じように 2 周目、3 周目 ...... とぐるぐる回せば、θは正方向に全ての実数をとることができるようになります。また負の方向(時計回り)にも同様に 2 周目、3 周目 ...... とぐるぐるさせると、めでたく θ は全実数で定義されるようになります。再び θ を横軸にしたグラフを描くと次のようになります。
赤い部分が正方向の 1 周目、青い部分は 2 周目に対応しています。
上図は角度 2π の周期関数なので、θを 2π だけずらしても、
f(α ± 2π) = f(α)
となるわけですが、3 周目、4 周目も同じ値が繰り返されるので、
f(α ± 4π) = f(α)
f(α ± 6π) = f(α)
f(α ± 6π) = f(α)
が成り立ちます。もっと一般的に書くと
f(α + 2 nπ) = f(α)
となります (n は整数) 。このように周期関数では、たとえば π/6 も π/6 + 4π も f(θ) に代入すると同じ値を与えるので、形式的には「同じ角度」とみなすことができるのです(もちろん、あくまで周期関数に限ってのことです)。次回は「三角関数」について勉強しますよ。お楽しみにー。
≫ 三角関数とは何ぞや?