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2015年10月13日

自然対数の底 e の定義式が収束する様子を調べます

 前回に引き続いて微積分の入口で登場する公式に関連するお話です。

Excel で自然対数の底 e の定義式が収束する様子を調べます


 自然対数の底 e

自然対数の底の定義式
と定義されますね。今回は

自然対数の底関数

という関数を調べてみます。グラフを描いてみると・・・・・・

36-1y=(1+1dx)^x.gif

 y 軸の最小値は 1 としてあります。立ち上がりが急速に、後半はのんびりと増加する関数です。当然のことながら、 x → ∞ で y → e = 2.71828 に収束していきます。
 データを調べると、y の値が 2.71 を超えるのは x = 164 のときなので、x ≒ 200 ぐらいの値をとっておけば、この関数を e のそこそこの近似値として使えることになります。しかし e = 2.718 の精度を求めるのであれば、x ≒ 5000 が必要となります。

 この関数の性質をもう少し詳しく考察してみましょう。 1 + 1 / x の部分は原点付近で非常に大きな値を取りますが、指数部分の小さな x がそれを抑え込むという構造になっています。指数部分の効果のほうが大きいので、結果として関数の値は小さくなります。その構図は x < 1 の範囲で続きます。x が 1 を超えると、 1 + 1 / x は x の増加とともに減少していきます。指数部分の x が値を大きくする作用は増していくので、わずかにその効きは勝ちますが、やがてそのせめぎ合いは均衡をとるようになり、それが定数 e への収束という結果に終わります。

 では最後にいつものように変形バージョンを載せておきます。肩の部分を x ⇒ sinx と変形してみると・・・・・・

36-2y=(1+1dx)^sinx.gif

 肩にある sinx は −1 から 1 の間の値しかとれないので、 x → ∞ のとき 1 + 1 / x → 1 となり、関数は揺れながらも 1 へと収束していきます。
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