極大値が3次関数に沿って左上や右下移動します
今回と次回は 3 次関数
y = a x3 + b x2 + c x + d
の係数について詳しく調べていきます。今回は、a = 1, c = d = 0 として
y = x3 + b x2
という関数を考えます。この関数の極値を求めるために微分すると
y' = 3 x2 + 2 b x
となるので、y' = 0 となる点は
x = 0, −2 b / 3
であり、 b = 0 以外は 2 点で極値をとります。また、b を変化させても極値の片方は必ず x = 0 となります。変化するほうの極値の座標は、
(X, Y) = (−2b/3, 4b3/27)
となって b の変化に応じてある軌跡を描きます。 b を消去すると、
Y = −X3 / 2
という軌跡の方程式が得られます。それでは b = 0, 2, 4 と変化させたグラフを描いてみます。
b = 0 では極値は存在しません。b > 0 から極大値と極小値が出現し、極小値は必ず x = 0 にあります。極大値は 3 次関数に沿って左上に移動している ことがわかります。 b が負の場合は次のようなグラフになります。
今度は軌跡に沿って 右下に極値が移動しています ね。
つまり b が正なら x < 0 の領域で x3 による y の減少に一時的なブレーキがかかり、 b が負なら 0 < x の領域で y の増加と反対方向に作用するということです。こうした作用が極値をつくっているのです。