キスの味

今朝は少しだけ冷え込んだよ。
昨日のあの嵐の中でも、桜は散らずに持ちこたえているよ。

朝食にブロッコリーを茹でて頂いた。

田舎に独りで住む母が仕事の合間を見て
畑で野菜を育てている。

中途半端が嫌いな母は野菜農家に見まがうかのような量を作り、
しかも農薬をほとんど使わない。

２週間に１回、ダンボールにてんこもり野菜を入れて送ってくる。

野菜は鮮度が大切だから、送られてきた野菜をいかに頂くかに
いつも、時間を割く。
青菜系は日にちが経つと葉が黄色に変色してしまうので、
その日のうちに茹でて冷凍をする。
他の野菜は日持ちがするので新聞紙に巻き、冷蔵庫に入れる。

農薬をほとんど使用しないので、虫やナメクジがあちこちについている。
気をつけていないと、湯だったまま、食卓に上がることも珍しくない。
その度に悲鳴が聞こえることもあったりで・・・

今回は春なのでブロッコリーが大量にあった。
スーパーで買うと、ブロッコリーの茎は捨てる。
茹でると、農薬の臭いが鼻につく。

だけど母のブロッコリーの茎は茹でると甘くておいしい。
蕾の部分よりも美味しいくらいだ。

母ももう年なので、いつまでこんな美味しい野菜が作れるか、分からない。
元気なうちだけだと思って、今日もありがたく野菜を頂く。

ブロッコリーの茎と母へスイートなキッスだよ。