2017年06月13日
大腸CT検査(CT colonography) 完全閉塞症例に対する診断の裏技 PET/CTC
こんにちは。
梅雨空ですね〜
気持ちは快晴で元気よくいきましょう!
PubMedから、今日のつぶやき −7−
論文1
Veit P, et al. Whole body positron emission tomography/computed tomography (PET/CT) tumour staging with integrated PET/CT colonography: technical feasibility and first experiences in patients with colorectal cancer. Gut 2006;55(1):68-73.
論文2
Nagata K, et al. PET/CT colonography for the preoperative evaluation of the colon proximal to the obstructive colorectal cancer. Dis Colon Rectum 2008;51(6):882-90.
今日はお約束通り
「完全閉塞症例に対する診断の裏技」を取り上げます。
ただ、どこでも気軽にできるというわけではないので、
その点は申しわけありませんがご容赦ください。
論文1は2006年に世界で初めて
「PET/CT colonography」を考案したドイツのVeitの報告です。
大腸CT検査と同様に送気して検査をするのですが、
それがCT装置ではなくPET/CT装置というわけです。
14例に実施し、リンパ節診断や遠隔転移診断が1回の検査で可能となり、
術前の全身診断が可能であると発表しました。
大変素晴らしいですよね!!
今までにないアイデアを生み出したことに心から敬意を表します。
素晴らしいアイデアだと思いつつ、
一方で臨床的にはなかなか使いつらいなあと感じました。
手術適応のある大腸がん症例の数はとても多いわけですから、
ルーチンの術前検査にするにはコスト的にも装置のキャパシティにも課題があります。
手前味噌で申しわけありませんが、
自分はこの論文を読んで完全閉塞症例に限定したらいいんじゃない?
と考えました。
それまで、完全閉塞症例の近位側腸管を十分に評価できる
術前検査というものがなかったのですから。
幸運なことに時が見方をしてくれました。
2007年に大学から派遣された病院に、
なんとPET/CTがあったのです!
ついでにいうと、さらに当時最新鋭の64列のCTが2台もあり、
しかも大学ではないので大腸CT検査がいくらでもできる
という恵まれた環境でした!!
赴任してすぐに研究を開始し、2008年に発表したのが論文2になります。
13例に前向きにPET/CTCを実施したところ、
2例で近位側腸管に追加切除が必要な大腸がんを術前診断できました。
PET/CTCは高価ですし、どこでもできる検査ではありません。
ですが、完全閉塞症例と症例を絞り込めば、
実用的なのではと提案させていただきました。
PET/CTCは腸管拡張が不十分であっても、
タギングなどの腸管前処置を一切行わなくても、
安全かつ確実に手術適応のあるsm以深の大腸がんを術前診断できます。
2例のPET/CTC画像を下にアップしておきます
(3日間だけ有効です)。
Fig. 1, 閉塞性の直腸がん:A, Bの実線矢印。
術前に指摘できた上行結腸がん:Bの矢印頭
C:術中内視鏡所見。
http://xfs.jp/5QnKM
注:公開期間は過ぎました。
ご覧になりたい方は個別にご連絡下さいね。
Fig. 2, 閉塞性の下行結腸がん:A、Bの実線矢印。
術前に指摘できた盲腸がん:Cの矢印頭
E(術中内視鏡所見)。
この症例では食道がんBの丸囲い、D.
http://xfs.jp/nFSDI
注:公開期間は過ぎました。
ご覧になりたい方は個別にご連絡下さいね。
次回は、どこの施設でもできる内視鏡不通過の
進行大腸がん症例に対する大腸CT検査のコツ
をお伝えしたいと思います。
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15970580
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18330647
著者からのおすすめPR-----------------------
☆大腸CTを完全詳説!
実臨床のコツから正しく検査するためのエビデンスを網羅しています!
☆英語の勉強法を聞かれる機会が増えました。
短気留学にいく行動や、日々の勉強が大切だと思いますよ。
友人のおすすめ ★常夏の楽園セブで語学留学(1週間73,000円〜)★
私も繰り返し活用してました アルクの「1000時間ヒアリングマラソン」
☆大腸CT検査の教科書です。
JANCTメンバー書き下ろし!
☆自分も愛用しています!
高品位なオーディオ・ヘッドホンをお探しなら
ボーズ・オンラインストアで。
☆介護・福祉・医療の資格を取るならシカトルで
☆Rad Fan オンライン☆
画像医学誌「Rad Fan」
放射線科情報ポータルサイト「Rad Fan ONLINE」、
最先端のIT医学に関する情報を配信中です!
是非、ご登録下さいね
☆24時間365日いつでもどこでも英会話レッスンができる!
予約不要のオンライン英会話。
PC・スマートフォンから英会話レッスンが受けられます。
▲PRここまで--------------------------------
大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
<前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
◆ライン「CTC Academy」の特徴◆
メリット
・最新の情報を入手できる。
・仲間と意見を交換できる。
・待ち時間に気軽にみられる。
・配信されたことがすぐに分かる。
梅雨空ですね〜
気持ちは快晴で元気よくいきましょう!
PubMedから、今日のつぶやき −7−
論文1
Veit P, et al. Whole body positron emission tomography/computed tomography (PET/CT) tumour staging with integrated PET/CT colonography: technical feasibility and first experiences in patients with colorectal cancer. Gut 2006;55(1):68-73.
論文2
Nagata K, et al. PET/CT colonography for the preoperative evaluation of the colon proximal to the obstructive colorectal cancer. Dis Colon Rectum 2008;51(6):882-90.
今日はお約束通り
「完全閉塞症例に対する診断の裏技」を取り上げます。
ただ、どこでも気軽にできるというわけではないので、
その点は申しわけありませんがご容赦ください。
論文1は2006年に世界で初めて
「PET/CT colonography」を考案したドイツのVeitの報告です。
大腸CT検査と同様に送気して検査をするのですが、
それがCT装置ではなくPET/CT装置というわけです。
14例に実施し、リンパ節診断や遠隔転移診断が1回の検査で可能となり、
術前の全身診断が可能であると発表しました。
大変素晴らしいですよね!!
今までにないアイデアを生み出したことに心から敬意を表します。
素晴らしいアイデアだと思いつつ、
一方で臨床的にはなかなか使いつらいなあと感じました。
手術適応のある大腸がん症例の数はとても多いわけですから、
ルーチンの術前検査にするにはコスト的にも装置のキャパシティにも課題があります。
手前味噌で申しわけありませんが、
自分はこの論文を読んで完全閉塞症例に限定したらいいんじゃない?
と考えました。
それまで、完全閉塞症例の近位側腸管を十分に評価できる
術前検査というものがなかったのですから。
幸運なことに時が見方をしてくれました。
2007年に大学から派遣された病院に、
なんとPET/CTがあったのです!
ついでにいうと、さらに当時最新鋭の64列のCTが2台もあり、
しかも大学ではないので大腸CT検査がいくらでもできる
という恵まれた環境でした!!
赴任してすぐに研究を開始し、2008年に発表したのが論文2になります。
13例に前向きにPET/CTCを実施したところ、
2例で近位側腸管に追加切除が必要な大腸がんを術前診断できました。
PET/CTCは高価ですし、どこでもできる検査ではありません。
ですが、完全閉塞症例と症例を絞り込めば、
実用的なのではと提案させていただきました。
PET/CTCは腸管拡張が不十分であっても、
タギングなどの腸管前処置を一切行わなくても、
安全かつ確実に手術適応のあるsm以深の大腸がんを術前診断できます。
2例のPET/CTC画像を下にアップしておきます
(3日間だけ有効です)。
Fig. 1, 閉塞性の直腸がん:A, Bの実線矢印。
術前に指摘できた上行結腸がん:Bの矢印頭
C:術中内視鏡所見。
http://xfs.jp/5QnKM
注:公開期間は過ぎました。
ご覧になりたい方は個別にご連絡下さいね。
Fig. 2, 閉塞性の下行結腸がん:A、Bの実線矢印。
術前に指摘できた盲腸がん:Cの矢印頭
E(術中内視鏡所見)。
この症例では食道がんBの丸囲い、D.
http://xfs.jp/nFSDI
注:公開期間は過ぎました。
ご覧になりたい方は個別にご連絡下さいね。
次回は、どこの施設でもできる内視鏡不通過の
進行大腸がん症例に対する大腸CT検査のコツ
をお伝えしたいと思います。
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15970580
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18330647
著者からのおすすめPR-----------------------
☆大腸CTを完全詳説!
実臨床のコツから正しく検査するためのエビデンスを網羅しています!
これ1冊でわかる!大腸CTプロフェッショナル100のレシピ [ 永田浩一 ] 価格:4,860円 |
☆英語の勉強法を聞かれる機会が増えました。
短気留学にいく行動や、日々の勉強が大切だと思いますよ。
友人のおすすめ ★常夏の楽園セブで語学留学(1週間73,000円〜)★
私も繰り返し活用してました アルクの「1000時間ヒアリングマラソン」
☆大腸CT検査の教科書です。
JANCTメンバー書き下ろし!
大腸CTテキスト 原理・特性の基礎知識から現場で使えるセッティング, [ 消化管先進画像診断研究会 ] 価格:4,536円 |
症例で学ぶ大腸CT診断 大腸CTを身につける! [ 永田浩一 ] 価格:4,320円 |
☆自分も愛用しています!
高品位なオーディオ・ヘッドホンをお探しなら
ボーズ・オンラインストアで。
☆介護・福祉・医療の資格を取るならシカトルで
☆Rad Fan オンライン☆
画像医学誌「Rad Fan」
放射線科情報ポータルサイト「Rad Fan ONLINE」、
最先端のIT医学に関する情報を配信中です!
是非、ご登録下さいね
☆24時間365日いつでもどこでも英会話レッスンができる!
予約不要のオンライン英会話。
PC・スマートフォンから英会話レッスンが受けられます。
▲PRここまで--------------------------------
大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
<前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
◆ライン「CTC Academy」の特徴◆
メリット
・最新の情報を入手できる。
・仲間と意見を交換できる。
・待ち時間に気軽にみられる。
・配信されたことがすぐに分かる。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6366115
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック