2018年10月08日
大腸CTアカデミア 電子クレンジングによる病変サイズの変化は検査レポートや患者の治療に影響を及ぼす可能性がある!
PubMedから、今日のつぶやき − 338 −
Brauer C, et al. CT colonography: size reduction of submerged colorectal polyps due to electronic cleansing and CT-window settings. Eur Radiol 2018 May 14. doi: 10.1007/s00330-018-5416-0. [Epub ahead of print]
こんにちは。
論文「大腸CT検査において、電子クレンジングの使用およびCTウィンドウ条件設定は
水没病変のサイズを小さくする」
のご紹介です。
【背景】
大腸CT検査では、残渣のタギングは感度と特異度をあげるために
現在では必須の手技とされている。
しかし、3次元の内視鏡類似像では残渣内の評価はできないため、
2次元画像での読影を要する。
この解決のため、大腸CT画像から残渣を電子的に取り除く
電子クレンジングというアルゴリズムがある。
電子クレンジングは大腸の観察はポリープの検出に有効だとする
報告はあるものの、生体内での効果についてはいまだ根拠がなく
水没したポリープのサイズへの影響も分かっていない。
病変サイズの変化は検査レポートや患者の治療に影響を及ぼす可能性がある。
この後ろ向き研究の目的は、電子クレンジングとCTウィンドウ条件設定により
大腸ポリープへのサイズ計測への影響を及ぼすか、
そして異なる臨床サイズカテゴリーに位置付けられないかを評価することである。
(感想)
電子クレンジングは原理的にはとても有用です。
私も2008年に電子クレンジングについて論文で有用性を報告しました。
ところが、実際に使用してみるとサイズが小さくなったり、
タギングの状態(特にCT値が高くなり過ぎたとき)によっては
病変が消失する問題が臨床的には発生してました。
レビューなどでの問題点にんついて報告は英文誌でも報告がありましたが、
原著論文でその問題点を指摘した論文は少ないです。
そうした意味でこの論文は貴重ですね。
それでは、また。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29761359
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
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